祝え!平成ライダー最終章を見届けた話

ジオウ最終回見ました。
今回はOver Quartzerも踏まえた感想などをダラダラ書いていくぞい。
例によってネタバレもあるから未視聴の人はタスクキルしてね。

仮面ライダーが好きだ

クウガから20年、僕たち平成キッズに多くの感動と興奮を提供し続けてくれた平成ライダーも、ジオウの最終回を以て遂に終わりを迎えた。
シリーズが終わって○○ロスなんて言っている間もなく次のシリーズが始まり、また終わり……と忙しなく駆けてきた平成ライダーも、これで本当に終わりだと思うと寂しい。

と言っても、今まで通り次週から直ぐに令和ライダーとして新シリーズが始まるので、もう何週間か経てばネットもゼロワンの話で持ち切りだろう。
「仮面ライダーは暴力的だから教育に良くない」なんて世迷言を声高に叫ぶモンスターなペアレントたちに屈しない限り、仮面ライダー自体の供給はこの先何度年号が変わっても続いていく筈だ。
それでも今回は、今までとは比べ物にならない喪失感がある。
平成というリアルを共に駆け抜けてきた僕らにとって、平成ライダーという存在はやっぱり特別なわけで。
OQも勿論劇場へ観に行ったけど、あの時はまだ終わりを実感できていなかったし「やりたい放題だなこの映画最高かよ」くらいにしか思っていなかった。
しかし今日、ジオウ最終回を迎えて「ああ、本当に終わっちゃうんだな」という実感が確かにある。
大人になって少しライダーを離れ、エグゼイドで再びリアルタイム視聴を始めたリバイバル勢の僕ですらこうなんだから、毎シリーズ欠かさず追っていた人たちの喪失感は想像に難くない。

まあ郷愁に浸るのはこの辺にしておいて、仮面ライダージオウへの感想をだらだら書いていこう。

Over Quartzerというひとつの答え

「お前たちの平成って、醜くないか?」
OQでISSA演じる常盤SOUGOの名台詞。
ネット上では当然おもちゃになり、パロディネタも含めると最早何回見たかわからない。
「親の顔より見た」って人はもっとちゃんと親御さんの顔を見てやってくれ。

ジオウのテーマは『主人公が歴代平成ライダーと出会い、彼らの力をライドウォッチという形で継承していき、やがては仮面ライダーの王となる』といったもの。
そして劇場版ジオウOQは、時間軸も設定もバラバラで不揃いな平成ライダーの歴史をひとつに纏め、平成の時代を再構成しようと目論む歴史の管理者を名乗る集団『クォーツァー』と、主人公・常盤ソウゴたちの戦いを描いた物語となっている。
ざっくり言うと突然現れたDA PUMPが勝手に『キレイな平成に作り直そうキャンペーン』をおっ始めたので「今を必死に生きてる俺たちを否定するな!」とソウゴくんが頑張るお話

Wiki○ediaの完全下位互換みたいな概要説明はさておき、OQを含めた仮面ライダージオウの感想としては「ズルいなぁ」の一言に尽きる。良い意味でも悪い意味でも。
正直、ジオウはテーマや試みとしてはかなり面白いんだけど、お世辞にも展開や構成が上手いとは言えない。
特に終盤はかなり駆け足だったし、畳めていない風呂敷も無視できない。
「これどうやって着地させるんだ……」と不安に駆られていたのは僕だけではないと思う。
そんな不安を理屈や伏線回収などではなく、文字通り力技で黙らせに来たのがOQという作品だった。
答えは最終決戦にてソウゴがSOUGOに放った一言に集約されている。

「俺たちは、瞬間瞬間を必死に生きてきたんだ!」

この台詞の捉え方は、それこそ人によってバラバラだろうから解釈は任せる。
僕の解釈としては下記の通り。

確かにバラバラで、不揃いで、凸凹かもしれない。
それでも俺たちは、瞬間瞬間を必死に生きてきた。
どんなに不格好でも、それは俺たちが必死になって残した痕だから。

だからこそ、見る者の心を動かし続けたのだろう。

確かに平成ライダー(特に前期)は制作時も完成した後も様々な問題を抱えていて、決して平坦と言える道のりではなかったと聞く。
凸凹という表現はそういう意味でも的を得ているように思う。
しかしそんな凸凹な道を脚本家が、俳優が、スタッフが、そしてライダーファンである僕たちが共に駆け抜けてきた先にがあるわけで。
その苦労を、成果を、思い出を。
誰が笑うことができるだろうか。
誰が無かったことにできるだろうか。
平成ライダーの歴史は重厚で、豊潤で、とてもひとつに纒めるなんて出来ない。
OQという作品は、『平成ライダーたちの力をひとつに纒める』というコンセプトの元始まったジオウの、僕たちに向けたそんなアンサーだったのではないかと思う。

「設定ガバガバでも伏線拾い切れなくてもいいじゃないか、平成だもの」とは流石に言わないが。
平成を盾にするなバールクスかお前は。
いや、バールクスは盾を平成にぶち破られたのか。
まぁどっちでもいいや。

これは我ながら都合のいい受け取り方だと思うし、上手く締めることができなかった制作サイドの言い訳メッセージとしての側面も当然感じてはいる。
案の定、本編終盤は駆け足になり諸々が補完されないまま物語は幕を閉じてしまった。
この辺りをわかってて「余計なこと考えずに最終回を楽しめるよ!」なんて言ってのけた制作サイドの某氏には開いた口が塞がらない。
正直、少しは反省してほしい。
平成ライダーってなんなんだという話から平成ってなんなんだに論点をすり替えて上手いことまとめた気になってんじゃねーぞ。

それはそれとして、冒頭に書いた通りOQ自体は観てて楽しい映画でした。
平成ライダーが好きな人全員に観てもらいたい。

頻繁に作り直される世界って、醜くないか?

さて本編最終回の感想。
また新世界かよいいかげんにしろ!
いやまあこうなるのは必然な気もするけども。
新世界創造エンドって比較的綺麗な爆発オチだと思ってる。デウスエクスマキナ的な。
個人の感想です。

閑話休題。
視聴者側としては手放しで喜べるハッピーエンドではなかったかもしれない。
それでも『仲間と創っていく未来の可能性』を勝ち取ったのだと考えると、これはこれで良い結末だったのではないかな、なんて思ったり。

OQが真の最終回という位置付けらしいので、本編の最終回はいわば『常盤ソウゴのハッピーエンド』で、OQが『仮面ライダージオウという物語のトゥルーエンド』なのだろう。
とは言うものの、まだ自分の中で整理が出来ていないのでOQが本編中の話なのか、完全に本編の後日談なのかはわからない。
本編最終回ではウォズがまだ本を持っているのでOQは後日談って考えた方が納得がいくんだけど、終盤のチェイスが出てきた回でゲイツが詩島剛を知っている辺り辻褄が合わないんだよなあ……わかる人いたら教えて下さい。

やっぱり仮面ライダーが好きだ

こうして平成ライダーというひとつのコンテンツが終わりを迎えた。
冒頭の通り僕は平成ライダーロスに苛まれているのだけど、そんなことを言ってる内にすぐゼロワンが始まるので、気持ちを切り替えると共に良い意味で平成ライダーを引き摺らず視聴できたらなと思う。
平成ライダーが僕の心にたくさんのものを残してくれたように、令和ライダーもきっと何かを与えてくれるだろう。
願わくば、これから生まれていく令和ライダーたちが、今を生きるちびっ子たちや特撮好きの心に残るヒーローでありますように。
僕が大好きな仮面ライダーが、この先もずっとちびっ子たちの憧れで在り続けることを願う。

20年間ありがとう。
お疲れさまでした。

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