【相談されやすい人になるな】

「ちょっと今いい?」と聞こえる時、それは過去の自分からの電話だと私は思っている。



最近、相談が立て込んでいる。毎日電話が鳴る。恋愛の相談、仕事の相談。人間関係は上司のこと、夫婦のこと、ママ友のこと。
よく言われることだけど、女性の相談は結論よりも共感だから、私にできることは傾聴することくらい。

私は相談してくれる友人をムゲに出来ない。

それは友達想いな性格ですとか、人望が強いアピールですとかそういうんじゃなくて、自分にも「聴いてほしいだけの時」が過去にあったからだ。

相手の都合など考えなかった。ただ相づちを打ってくれるだけで良かった。
もっと言えば誰でも良かった。電話の向こうにいてさえしてくれれば。

ぞんざいに扱っていたのだ、他人の時間を。

だから今、私に相談してくる人たちも同じで、きっと話を聴いてくれるなら誰でもいいと思っている。私じゃなくても。
それが分かっていて私は電話に出る。

「相談される時間」って、はっきり言って、無駄だ。自分に何のメリットもない。要らない情報を手に入れて、「誰にも言わないでね」って持たされるだけだ。

親身にアドバイスしたところで響かない。相手は別にコンサルを求めて私を選んでいるわけではないし。

そして不思議なことに、相談っていうのはどうやら、集まるものらしい。うんうんと話を聴きすぎて、相手を否定しない人に、みんなこぞって相談するらしい。話を聴いていると、ただでさえ知らない登場人物が、みるみる増えて勝手に動き出して混乱してしまう。

そうやって長い時間を費やして電話を切るとき、「やっと終わった」と思ってしまうのが正直なところだったりする。

この状況を変えたい。さすがにそう思った。

そこで私の考えた対策はごく簡単なもので、電話のかかってきやすい夕方から夜にかけて、スマホの電源を落とすことにした。

これまではスマホが手元にないと落ち着かなかったけど、最近はそうでもない。パソコンでnoteも音楽も事足りる。私はnoteと音楽があれば労せず夜を超えていける。

むしろ、私を私たらしめるのは、このスマホなのかもしれない。
このスマホによって私は名前を与えられ、存在を認識され、ただそこにたたずむ女が私になるのかもしれない。
このスマホさえなければ、暗闇に身を隠すように、名もなき人に戻れるのかもしれない。
きっとあの人だって、「電話の繋がらない私」なんて要らないはず。

そんな風に考えると楽になれた。
スマホの充電切れを放置するなんてこと、自分の性格を変えるよりよっぽど容易かった。


包丁で時間を刻んで、それを少しずつ未来に回す。少しずつでいい。
繰り越された分だけ未来が増えていく。人の相談に割いていた時間が、未来の私へ、回っていく。

そんな風にして一歩ずつ自分をやめていこうと思う。

2019.06.25    ちゃこ

今日の1曲/Jessie J「Flashlight」


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ちゃこ

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コメント5件

いいね。自分の時間、大事にしよ。
僕は逆に相談されると嬉しくてどれだけでも聞いてしまいます。
相談って軽く挨拶する程度の友達には絶対できないものだから僕もある程度は友達として認められてるんだなあって気持ちになるし、
相談されてその人の話を聞いている時が一番相手のいろんな面が見えてきて楽しいです笑
わー!!!相談されるとき、特にただ大変だねと言われたいだけなんだろうなって相手からの相談を受けるときの、モヤモヤ感の原因がこれ読んでわかった気がします!!!!
とてもよくわかります。
ちゃこさん優しいから相談しやすそう。

私は断りたくても頼られると嬉しくなってしまう病なんです。
なので、最近は相談されたら一発芸を要求するようにしています。
どちらも不快にならない柔らかな断り方。
まあ、一発芸やってくれなくても受けてしまうのですがね…
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