見出し画像

社員全員ChatGPT使っています、のダメなパターン

新年度がやってきました。今回は生成AIをどう生かすべきかについてお話しします。


社員全員使っていますの袋小路

生成AIで会社はどう変わっていくのかは難しい問題です。
難しいですねという話をすると、よく聞くのが「我が社では社員全員がChatGPT使っています」とか「開発は全員GitHub Copilot使っています」とかです。
PwCの人が生成AI利用は組織再定義に尽きる、といっていますが正論です(参考文献参照)。会社の組織やワークフローや目標管理を変えるのが重要だと思うのですが、あまりそういう話は聞きません。
使ってどうか、というと「便利になりました」とか「生産性があがりました」ということです。
生産性があがったかどうかは計ってもいないようです。

ダメなパターンが起こる理由

これはダメなパターンだと思いますが、ダメなパターンが起こるのも無理はないと思います。

  • 組織を再定義したことなどない

  • 組織やワークフローを変更するリスクをとれない

  • 競合他社も誰もやっていない

そもそも生成AIを何にどう使うかも試行錯誤ですから無理もないです。現場でわからないものを経営層に計画したり、誰かに経営層に進言したりするのも難しいです。
他社が生成AIを使って差をつけてきているのでもないのでますます難しいです。何もしなくても別に追い込まれている雰囲気にはなりません。

目標かフレームワークを作る

目標がなければ自分たちが正しいことをしているかどうかもわかりせん。うまくいっていない度合いもわからないです。修正することもできません。なんとなくやっているという状態になります。
フレームワークをつくって生成AIでやるべき領域とそうでない領域をわけることも有効です。生成AIがあったら会社はこうはなっていないということに気づけるようなフレームワークが重要です。

突破口

生成AIは実験セクションを作ってその中で組織再定義の実験をやるしかないと思います。現実問題として、生成AI利用と組織再定義の両方を同時にやるというのは難度が高いです。実験的に特定部署内でやるしかないと思います:

  • マーケティング部

  • 研究開発部

  • ソフトウェア開発部

  • カスタマサポート部

以上はマッキンゼーのシニアパートナーのAamer Baigが生成AIの効果のある事例の75%はこの4つとあげているものです(参考文献参照)。
最初の3つは論理的思考が求められる部署です。カスタマサポートは生成AIでハルシネーションなしでやるのは難しいので、全部自動化はできないという前提で進めることになります。
あとは新規事業開発で適用するというのも有望です。

むすび

生成AIが登場して、最初は、セキュリティが心配なので会社で使うのを禁止、という時代がありました。今はそこまで制限がきつくありません。
生成AIのニュースはたくさんありますが、組織再定義のニュースはあまり聞きません。

参考文献

  • Post Labor Economics: How will the economy work after AGI? Recent thoughts and conversations https://www.youtube.com/watch?v=eD5GlCIS0sA David Shapiro 35m33s 2023年

  • Scaling Generative AI in Consulting: PwC's Billion-Dollar Strategy | CXOTalk #821 https://www.youtube.com/watch?v=8Vl_CzCyvms 56m28s 2024年

  • Amazon Web Services: The State of Generative AI: Where We Are, and Where We're Going | Amazon Web Services https://www.youtube.com/watch?v=3MdMCDkWRro 21m55s 2024年




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?