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プログラミングから学習へのパラダイムシフト


はじめに

生成AIがソフトウェア開発に与える影響をお話しします。

プログラミングから学習へのパラダイムシフト

Emad Mostaqueの予言

Stability AIの創業者のEmad Mostaqueは2023年にプログラマという職業は5年以内になくなると言っていました。ソフトウェア開発は大きな産業なのでインパクトは大きいです。

パラダイムシフト

従来のソフトウェア開発は人間によるプログラミングによって行われてきました。AI学習によるプログラム生成においてはプログラミングの習得からプログラム生成の学習へと比重が移ります。これがパラダイムシフトです。ソフトウェア開発は労働集約的な産業です。これが事前の学習で代替して、瞬間で生成することによる生産性の向上は大きいと思います。学習自体は膨大なコストと時間がかかりますが、一旦完了すればそれ以後の開発は人間の比ではないと思われます。

自律エージェントによるソフトウェア開発

SWE-Agentの登場

2024年4月にOSSのソフトウェア開発用AIエージェント SWE-Agentが発表されました。自律的にソフトウェア開発するエージェントです。
2024年3月にCognition社からDevin, MicrosoftからAutoDevが発表されました。ソフトウェア業界に衝撃が走りました。
SWE-Agentではいよいよソフトウェア開発をするAIエージェントがOSSとして登場しました。ベンチャー、大手IT企業、OSSと三つ巴の争いです。

SWE-Benchの結果

GitHubの実例に基づくソフトウェア開発ベンチマークがSWE-bench です。今のところ現状の最高峰は以下のとおりです:

  • Devin 13.84 (* SWE-benchの25%で評価)

  • SWE-Agent 12.29

現状では自律的に解けるのは12-13%なのでプログラマをAIが完全代替するのはまだ先のようです。12-13%まで解けるようになったのも確かなので、プログラミングから学習へのパラダイムシフトは1合目です。

エージェント化の未来

ビルゲイツ氏が2023年の9月にこれからのAIはエージェントの時代だと述べています。実は高度な認知機能を持つ生成AIをエージェント化するのはそんなに難しいことではありません。人間がプロンプトを出さなければならない対話型AIを、人間以外のものがプロンプトを出すように作り替えるだけです。これはAPIの問題で作ればしまいです。
人間がやると思い込んでいたものがいろいろ人間特有に作りこまれていることが問題で、仕事を人間がやるという思い込みからどう解放されるかが問題です。作業環境をエージェント向けに作り直すことによってエージェント化の未来は開けると思います(例:エージェントコンピュータインタフェース)。

おわりに

今のところAIによるソフトウェアの自動開発はまだまだです。生成AIのエージェント化は始まったばかりです。ようやく1合目くらいです。自動化は始まると速いので、これからの進化が興味深いです。

参考文献


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