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人間にしかできない長時間思考

生成AIが問題を解いてくれる時代に人間は何をするのかのお話をします。


生成AIが高度化したら人間は何をするのか

人間は長時間思考をします。
NVIDIAのCEO Jensen Huangは生成AIは世界の意味を理解していると言っています。そのAIが苦手なのは長時間思考だそうです(参考文献[Stanford])。
生成AIはプロンプトを呼ばれる指示文を受け取るとコンテクストを作り、ありそうな文章列を作ります。

長時間思考とは

プロンプトとはコンテクストを作り状況を限定します。では状況を限定できないような問いとは何でしょうか。例えば、人生の意味がそうです。人生があと1日なのかあと100年なのかによって意味のコンテクストは変わります。しかし、それを知ることはできません。コンテクストを知ることができないのでいくら考えても答えられない質問があります。そのような質問について考えるのが長時間思考だと個人的に考えます。
どんなに思考力があっても長時間考えないといけない禅問答のような質問を考えるのが長時間思考です。

世界は比較的平和になったが道半ば

この50年くらいで商業主義は世界に広まりました。商業主義が広まるということは取引が成立するということです。世界は平和になり、貧困は激減しました。
世界は悲しいニュースに包まれているように思えますが、それは情報伝達が発達したからです。20世紀に比べれば世界ははるかに平等で民主的になり、貧困や疫病は人類史上例をみないほど減っています。
ただし、それは比較論であって、理想とはまだ遠いです。
従来は文章を書いたりプログラムを書いたり絵を描いたり音楽を作ったりというのはそれ自体が非常に難しい作業でした。それらが手段であったとしても、一生かかって究めなければならないようなものだったので、手段自体をひとびとは人生の目的にしていました。
それらが生成AIにとってかわられる近未来には、手段は得られたから目的はなんであるべきかを考える時代が来ると思います。

むすび

生成AIによる労働の代替によって、人間はより本質的な問いを考える必要があります。生成AIは短時間思考を一瞬で行うことができますが、コンテクストのない長時間思考はまだまだ苦手です。生成AIの苦手な思考を人間がやるのだと思います。

参考文献

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