【ショートストーリー】こころのひかり
昔々、ある静かな森の中に、「こころ」という名の小さな光が生まれました。
こころはキラキラと輝きながら、森の中を飛び回り、花や木々、動物たちと遊びました。
ある日、こころはおおきな木に尋ねました。
「ぼくはなぜ生まれたの?」
おおきな木はそっと答えました。
「きみはこの森をもっと美しくするために生まれたんだよ」
そして、こころは小川にも同じことを聞きました。
「ぼくはなんのために生きているの?」
小川はチャプチャプと楽しげに答えました。
「きみはたくさんの新しいことを学んで、成長するために生きているんだよ」
ふと、こころは夜空を見上げて、星に尋ねました。
「ぼくはなんのために死んでいくの?」
星は優しく輝きながら答えました。
「きみは新しい光に道を譲り、森の記憶となって永遠に生き続けるために死んでいくんだよ」
こころはそれを聞いて安心しました。
生まれてきた理由、生きる意味、そしていつか訪れる別れが、すべて森の大切な一部であることを知ったからです。
こころは毎日、新しい発見をし、友達と遊び、森を輝かせ続けました。
そして、いつの日か星になったとしても、こころの光は森の中でいつまでも輝き続けるのでした。
(了)
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