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デジタルツイン#2 デジタルツインとIoT

前回はデジタルツインの構想について書きましたが、今回はデジタルツインの中でもデータを"集める"フェーズで必要となる"IoT"にフォーカスを当てたいと思います。

どのような観点でIoT技術を検討する必要があるか簡単にご紹介していきます。

身近になったデジタルツイン×IoT

近年データ通信の高速化により様々な領域でIoTの活用が拡大しています。

製造業:
工場で稼働する生産設備の保全・メンテナンスを目的としてPLCおよびセンサーから設備の稼働情報と品質情報を収集している。リモート管理や運転自動化などのスマート工場を目指して導入が進んでいる。

社会インフラ:
モビリティ(車)、公共交通、エネルギー、人流、などの分野においても、混雑緩和、保安、サービス向上を目指して各種のカメラやセンサーがネットワークに接続され都市のデジタル化が進んでいる。   

生活:
スマート家電、スマートスピーカーによる生活環境のサービス化、ヘルスケア、医療、介護分野での見守りなど身近な分野でのIoTを利用したサービス化が進んでいる。

IoT環境で発生するデータの99%は即時対応する必要がないデータであり、約1%の対応が必要な事象に備えた処理(イベントドリブン)システムが必要とされています。システムには24時間/365日のモニタリングが求められ停止する事は許されません。発生したイベントは即座に処理させ数秒以内(場合によっては数ミリ秒)での応答アクションが求められます。これらのIoT環境の対象機器は数百台~数千台となり場所も数百か所となることがあります。

IoT環境を考える場合の指針として以下のポイントを検討する必要があると考えられます。

IoTシステムにおける要件

機能

  • IoT機器をモニタリングして、何処からでも現在の状態を確認できること

  • IoT機器のデータを使って今後発生するべき事象を予測できること

  • 予測結果をもとに判断者への通知を行い、判断を要求できること

  • 予測結果により自律的に自動応答/自動制御が行えること

非機能

  • システム方式
    イベントドリブンのシステムでありリアルタイムの処理が可能であること

  • 応答速度
    1秒(数ミリ秒)以内でのリアルタイム処理・応答ができること

  • セキュリティ
    外部からの盗聴、侵入が行えない様にセキュリティを確保すること

  • 運転条件
    24時間/365日の無停止による稼働が可能であること
    システムメンテナンス時も運転継続が行えること
    IoT機器の追加/削除、起動/停止に自動対応できること

  • システム規模
    IoT機器の接続台数に応じてスケールアップ・スケールアウトできること
    Edge処理・Server処理を組み合わせ実装可能なこと

  • 通信インフラ
    安定的なネットワーク(高速・低遅延・大容量・高品質)

システム設計する場合に上記の点を考慮するとコストが大きくなるため、導入効果に対してのコストを検討し限定範囲においてのシステム設計をすることが必要となります。

IoTシステムの要素技術

  • IoTデバイス制御
    IoT機器には、センサー、NC、PLC、ロガーなどがあります。
    モータへの電力供給、回転、トルクなどはPLCにより制御されています。このPLCに対してOTプロトコルを使うことで、現在の状態の読み出しや、状態変更(回転数をいくつまで上げる)する制御が可能です。
    このようなモータ(機械)をEdgeコンピュータでデジタル化し、監視・制御します。

モーターの制御例
  • OTプロトコル
    機械メーカーは自社の機械の特色を生かすため独自のプロトコルを搭載したPLC設置してきました。そのため、PLCと通信するためにはメーカーのプロトロルに従って通信する必要があります。
    現在はEthernet上のIPプロトコルにラッピングされたOTプロトコルが主流となっています。OTプロトコルは、PLC内のメモリー番地(Register)を指定して読み込み(Read)書き込み(Write)が用意されています。

OTプロトコルによる制御
  • Edgeコンピュータ
    Edgeコンピュータは工場や屋外などの寒暖の差や塵埃・振動・衝撃がある現場に設置する必要があるため、適応温度:0~50℃、湿度:20~80%RHの広範囲での動作をサポートが必要となります。 また、ファンレスにより放熱対策などが取れており24時間365日の稼働に対応できる機器が好ましいとされています。

設置環境条件例
  • デバイス接続
    PLCおよびITの設備はEthernet接続が主流となるか、Ethernetインターフェースを持たない装置などが多く存在します。多くの機器と接続するためにEdgeコンピュータにはSerial(RS232/RS422)、DI/DO、CAN1/2、Ethernet(LAN/WiFi)、USB、Bluetoothのインターフェースを搭載する必要があります。

  • 上位接続
    Edgeコンピュータから上位システム(Cloudサービス)へのデータ転送を行うためにネットワークRouterを設置する方法やLTE/4GのSIMカードを搭載できる機器を選択する検討も必要となります。Edge-Gateway機器には上位Cloud(AWS/Azure/GCP)サービスへダイレクトにデータを転送可能な機器も多く存在しています。

  • セキュリティ
    データ収集を目的としたEdgeコンピュータであっても外部ネットワークからの侵入の可能性がある為、ネットワークセキュリティを構成することが重要です。
    専用のSIMカードを搭載することでVPNネットワーク環境を構成してセキュリティを確保する場合や、証明書を配布してSSL/TLSによる暗号化通信をする場合などの方法を検討する必要があります。
    EdgeコンピュータのOSとソフトウエアについてもUbuntu 20.04 LTS (LTSはLong Term Support)など長期サポート対象のOSを採用することが望ましいです。

  • Edge コンピュータでのAI 処理
    Edgeコンピュータ上で画像・動画を扱う場合、AI処理を行う場合、OpenVINO™ ツールキットとAIアクセラレーターである「インテル® Movidius™ Myriad™ X VPU」を搭載可能なEdgeコンピュータを選択することが望ましいです。

いかがでしたでしょうか。
今回はデータの収集に関わる"IoT"についてご紹介しました。

次回は収集したデータをエッジ側で処理する"エッジコンピューティング"についてご紹介予定です!

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