赤い灯りが弱々しく点滅する中、私は息を詰めていた。
この古い洋館の地下室で、何か恐ろしいものが待ち構えている気がした。
私は「水道」という単語が、この恐怖の源ではないかと考えていた。

私の名前は真美。
ある日、友人からこの洋館の地下室について聞かされたのだ。
彼女はそこで水道の問題が発生していると話し、私に助けを求めた。
私は彼女の頼みを快く引き受け、この古びた洋館へと足を運んだのだった。

地下室のドアを開けると、湿気と薄暗さが私を包み込んだ。
恐怖が私の背筋を這い上がるような感覚がした。
床には水滴が落ちていて、水音が響いていた。
そして、その音がどこからともなく聞こえてきた。

私は懐中電灯を手に取り、薄暗い地下室の中を進んでいった。
壁には水のしみが広がり、時折、水が滴る音が響き渡る。
この洋館の水道の問題は深刻なようだが、それにしても不気味な雰囲気がたちこめている。

進む先には、水道のメインバルブがあるはず。
友人から地下室の奥にあると聞いていた。
私はしばらく進んでいくと、見慣れない扉を見つけた。
それは古びた木の扉で、湿気で腐っているように見えた。

胸が高鳴る中、私は扉を開けた。
すると、そこには驚くべき光景が広がっていた。
廃墟のような部屋は、水道管が錆びつき、壁には水のしみが広がっていた。
水道の水は濁っており、異臭が漂っている。

私はメインバルブに近づき、回してみた。
すると、ギシギシと音が鳴り響き、水道管から黒い水が噴き出してきた。
私は驚きのあまり、後ずさりしたが、そこで何かに足を引っかけ、転んでしまった。

濁った水が私の身体を覆い尽くし、不気味な音が響き渡る。
私は恐怖に支配され、必死に水の中から這い上がった。
しかし水は止まらず、地下室はますます水に飲み込まれていく。

私は必死に水道のバルブを閉めようとしたが、力及ばず、水に押し流されるようにして地下室は闇に包まれていった。
私の意識は遠のき、最後に感じたのは水の冷たさと、恐怖に震える自分の身体だった。

その後、私の行方は知れない。
友人も私の姿を見つけることはなかった。
地下室の水道問題は解決されたかもしれないが、私が体験した恐怖は忘れられない。

時折、水の音がするとき、私はあの地下室の恐怖を思い出す。そして、もう二度とあの洋館に足を踏み入れることはない。