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【MTGレガシー】2023年振り返り〜白スタックスと進め、小さきプレーヤーよ!〜


1.目標と達成度

2023年1月1日に立てた目標はこうでした。

結論から言えば、この中で達成できたのは2つ目だけ。

私はその頃心の中に色々な問題をあり余るほど持っていた。そして始終齷齪しながら何一つ自分を「満足」に近づけるような仕事をしていなかった。

有島武郎「小さき者へ」より

まず、Magic Onlineのレガシーチャレンジについては、そもそも一度も参加することができませんでした。

本国の時間に合わせられたスケジュールで、参加すれば8時間程度拘束されるというのは、家庭と仕事を省みると非常に困難。
今後も参加はかなり難しいと思うので、この目標は封印しようと思っています。

3つ目の動画投稿については、編集時間が取れなかったことや、PCのハード面の問題もありましたが、後述のようにそもそも成績が振るわず、撮れ高がなかったことが最大の要因。

自分の會の動画こそ1本投稿したものの、既に3回分溜まってしまっており、「自分が優勝した時は早かったのに…」と陰口を叩かれる始末。
本当に申し訳ございませんでした。

ただ、その自分の會については、2つ目の目標どおり1年間やり通すことができました。
そこから話を始めましょう。

2.武藏野MTG會について

昨年末に第1回を催し、おおよそ隔月開催で、先月には第7回を数えました。

最初は20人に満たなかった参加者も、常連さんだけでなく新規で飛び込んでくださる方も多数いて、最近では定員ぎりぎりの30人弱に集まっていただいています。
1年間で延べ56人の方々にこの會に関わっていただき、主催として感謝の気持ちでいっぱいです。
この場を借りて、改めて感謝申し上げます。

私は元々ぼっちプレーヤーで、数年前まで対戦相手さえいませんでした。
その上、特定のコミュニティーに長く属することが苦手で(すぐ人間関係を断捨離したくなるタイプ)、そんな人間が會を主催することができるのかと不安ばかりでした。

何事も独りで嚙みしめてみる私の性質として、表面には十人並みな生活を生活していながら、私の心はややともすると突き上げて来る不安にいらいらさせられた。

有島武郎「小さき者へ」より

それでも1年間続けられたのは、毎回楽しみにして来てくださる方々や助けてくれる仲間のお陰です。
この2つ目の目標を達成できただけでも、2023年は充実の1年だったと言っていいと思います。

ちょうど1年やり抜いたことですし、ここで武藏野MTG會のメインイベントである無盡杯の1年目についてまとめておきます。
(以下、敬称略)

①第1回大会

参加者16人(+大会不参加2人)
🥇たび丸 URデルバー
🥈れべっか 緑ポスト
🥉うらの トリコミラクル
トピック:第1回大会

②第2回大会

参加者22人
🥇ハナ RBゴブリン
🥈Nanase7v UBシャドウ
🥉ポッキー ドゥームズデイアグロ
トピック:「無盡杯」命名、優勝杯お披露目

③第3回大会

参加者22人
🥇きよあき ANT
🥈主催 白スタックス
🥉とってもグー エルフ
トピック:レガシー神とバッティング、2次会初成立

④第4回大会

参加者28人
🥇主催 白スタックス
🥈トークン(ヤギ) スニークショー
🥉AHE ドロマーブリンク
トピック:ゆめぱれすでの初開催、2次会公式イベント化、台風によるダイヤ乱れ、決勝カバレージ動画化

⑤第5回大会

参加者24人
🥇ジャン 5cワンニャンコントロール
🥈たつあに 4cリアニメイト
🥉moro GWエンチャントレス
トピック:オーク大流行

⑥第6回大会

参加者26人(+大会不参加2人)
🥇主催 白スタックス
🥈ちたん ボロスイニシアチブ
🥉Nanase7v UBrシャドウ
トピック:第1回MTG研究発表会(登壇者:ジャン)、決勝動画撮影失敗

⑦第7回大会

参加者26人(+大会不参加1人)
🥇Nanase7v UBシャドウ
🥈ネギ氏 バントマーベリック
🥉わんこ 5c豆の木コン
トピック:第2回MTG研究発表会(登壇者:主催)

⑧振り返り

こうして振り返ってみても感謝という言葉しか出てきません。

元々この會は、主催のエゴでできています。
・とにかく試行回数を増やして強くなりたい
・店舗大会だと嫌な思いをすることがあるから楽しく遊びたい
・フリプだと張り合いがないから真剣に遊びたい
・勝っても負けても感想戦がしたい
・勝ったら褒めてほしい etc...

この想い自体は、今も変わっていません。
むしろ、もっと欲張りになっている自分がいます。

今は、
・知り合いと知り合いに繋がってほしい
・みんなで大きい大会に参加したい
・僕自身を含め、参加者に大きい大会で結果を残してほしい
・復帰組や新規参入のプレーヤーにも来てほしい
・會のグッズを作りたい etc...
こんな様々な野望が湧き上がってきています。

実現できないものもあるかもしれません。
でも、僕がこの會を続け、参加者の皆さんが楽しみ続けてくれたなら、夢は終わらず続いていくはずです。

主催業が心情的につらいと思うことはありませんが、体力的・日程的につらいことはあります。
これからもあるでしょう。
いつか隔月開催を守れなくなる時も出てくるかもしれません。

それでも今は、この會をもっと長く永く続けていきたいなと思っています。

そのためには、参加者の皆さんが必要なのです。
来年も何卒何卒よろしくお願いいたします。

⑨おまけ

💮第1〜7回皆勤賞💮
江村、kazu、スギ、たび丸、れべっか(+主催)
88888888👏

3.白スタックスについて

さ、固い話はここまで。
善人主催者ヅラしていても、お前は所詮初動でチャリ1を置く男。
そうさ俺は大いなる犯罪者。

スタックスの話をしよう。

白スタックスは〈守り〉のデッキゆえ、環境に大きく左右される。

まず、今年の環境やカードプールの変遷についてだが、これはMOパンダ大先生がまとめてくださっているので詳しくはそちらをどうぞ。

これに従って、白スタックスとメタの変遷、試行錯誤の足跡を振り返ってみよう。

①年明け〜3/5

正月早々悲劇の絶頂が到来した。

有島武郎「小さき者へ」より

URデルバーと白単イニシアチブ全盛期。
思い出したくもないつらい時期で、特に後者との相性は最悪。
MOでは先手1ターン目に《白羽山の冒険者》を出されるだけでやる気を失い投了したりもした。

とはいえ新年一発目にはレガシー神挑戦者決定戦があり、切羽詰まって持ち込んだのが失敗作「イニシアチブ・スタックス」。

結果は2-5。
自分の学びから学ばず、いいとこ取りしようとした結果の惨敗だった。

同じ頃、keiさんは見事に結果を残している。

クロモ・アネックス型。
本気で前に寄せた勇気の構築。
カッコよすぎるだろ。

僕の方もここから学びを得て、デルバーに強い《永久のドラゴン》を増量。
1年を通して心強い戦力となっていった。

②3/6〜6/22

3/6、《表現の反復》《白羽山の冒険者》BAN。
ようやく悪夢の時は過ぎ去り、平和なレガシーが帰ってきた。

遅ればせながら《偉大なる統一者、アトラクサ》が本領を発揮し始めたものの、白スタックス的には中身見せてくれるだけ《グリセルブランド》よりマシ、《Karakas》効くだけ《残虐の執政官》よりマシ、滅殺がないだけ《引き裂かれし永劫、エムラクール》よりマシ、という感じ。
いやそらつらいけどね?

この時期は正直白スタックス的にはチャンスだった。
コンボの速度はかなり速かったが、多ければ多いなりの戦い方ができる。

ただ、禁止改定は同時に群雄割拠の時代を呼び、様々な形のイニシアチブ、3色目を取り入れたデルバー、ハムスターを投げ飛ばす輩などが登場し、なかなか的を絞らせてくれなかった。

また、惜しむらくは僕自身が忙しすぎて、この時期にあまりデッキを回せなかったこと。
今年は仕事に振り回された1年でもあった。

ちょっとずつ改良。

そして、

2023年の数少ない好結果。
育てて食べる、ならぬ、主催して優勝する。
光源氏から続く日本の御家芸。

その勢いのまま、初めて参加したPC千葉の日本レガシー選手権。

正確には次の環境に入っていたが、まだ新しいカードは最適化されておらず、すごくチャンスだった。
デッキも出来上がっていた。
それだけに、プレミからずるずると3連敗してしまったのが今でも悔しい。

ただ、ここでネット上だけの繋がりだった方々と対面できたのは本当に嬉しかった。
モチベーションを保ち続けられたのもそのお陰。

③6/23〜晩夏

目が覚めたら世界が変わっていた。
そんな、安いラノベじゃあるまいし。

『指輪物語』。
ガッチガチ骨太オブ骨太の世界三大ファンタジー。
トールキン先生ェ…

《一つの指輪》。
スタックスには入らなかった。
他のデッキにはたくさん入った。

するとどうなる?
知らんのか。
《大いなる創造者、カーン》と《時を解す者、テフェリー》が増える。

《オークの弓使い》。
デルバーの復権。
苦手な2マナ域で、横並び、瞬速。
控え目に言って地獄。

《進め、エオルの家の子よ!》。
ボロスイニシアチブ最後のピースにして、多色コン最後のピース。
速 攻 は や め て く れ 。

本当に、全く、勝てなくなった。
カードパワーはもちろんだが、メタの混沌が大きな要因。

《オークの弓使い》の構え合いはメタの変遷を生み続け、1マナサイクリングの強さが発見されるとスキャム系も登場。
正直、今に至るまでこのメタのイタチごっこは収まっていない感がある。

幾度弾丸を受け、刀創を受け、倒れ、起き上り、又倒れたろう。(中略)死が総てを圧倒した。そして死が総てを救った。

有島武郎「小さき者へ」より

9月頭、遂に《大いなる創造者、カーン》と訣別した。
《オークの弓使い》が強すぎて《一つの指輪》なんて見かけやしない。

徐々に精度が高まっていくのを感じる。
そして。

遅れてきた指輪物語のスーパーエース、《塔の長官、ボロミア》参上。
直前に環境入りした《鏡に願いを》系のコンボを睨みつつ、《魂の洞窟》を添えて青を殺し、ボロスイニシアチブのマナファクトや各種インカーネーションまで抑え込む。

手前味噌ながら、最高の調整ができた結果だったと思う。

私は自分の弱さに力を感じ始めた。私は仕事の出来ない所に仕事を見出した。大胆になれない所に大胆を見出した。鋭敏でない所に鋭敏を見出した。言葉を換えていえば、私は鋭敏に自分の魯鈍を見抜き、大胆に自分の小心を認め、労役して自分の無能力を体験した。私はこの力を以て己を鞭ち他を生きることが出来るように思う

有島武郎「小さき者へ」より

④秋

最高の時は長くは続かない。
《鏡に願いを》は当初の予想ほど暴れることはなかったが、予想外のカードがレガシーを席巻していった。

《豆の木をのぼれ》をアド源にしたコントロールが成立。
何よりも一緒に使われる《力線の束縛》は白スタックスにとっての癌。
入っているカード全部がきつく、リストを見るだけで吐き気を催すレベル。

何にでも瞬速つけるんじゃねーよバーカバーカ

あまりのコントロール性能の高さはプレーヤーたちを対策に駆り立て、コンボとストンピィが相対的に立ち位置を良くし、特に眠っていた赤プリズンが目を覚ましたのは大誤算。
煽りを喰らって《ウルザの物語》抜きのターボ構築も試すなど。

赤プリズンのお陰で豆コンが主流になりきらなかったのは不幸中の幸いだった(が、ここで時折見かけるようになったゴブリンストンピィに後々苦しめられることになる)。
ただ、EWEとなったPC名古屋の頃は、よりにもよって最も豆コンが多かった時期だった印象。

結局《ウルザの物語》を戻して豆コンに挑むも撃沈。
ここから仕事に見切りを付け、毎週レガシー漬けとなっていく。

⑤《舷側砲の砲撃手》以降

2023年最後に投下された爆弾。

最初はボロスイニシアチブや赤プリズンで試されていたと思ったら、ついでにMOでステッカーを得たゴブリンが研究され、ゴブリンストンピィが成立。
イニシアチブのリストには残らなかった感があるが、赤プリズンにはもちろん搭載され、これらがストンピィ3大巨頭に。

思わずクソゲーと叫びそうになる。

コンボとストンピィしかいないんだが。

メタが偏ることによって皮肉にも戦績は安定してきたが、あと一歩が届かず心折れそうになる。
そんな時も、遠く同志の健闘が勇気になる。

僕もやるぞ。

2023年、白スタックスでの戦績は、
・紙の勝率57.8%(55-40-2)

・MOの勝率48.9%(116-121)
となった。

昨年が出来すぎだっただけに、今年の結果には満足行っていない。
ただ、たくさんの形を試し、負けても負けてもやめなかった。

仕事は益々忙しくなる。
立場が僕を締め付ける。
しかし、予想を裏切るように、母数は昨年より増やせた。

今年の借りは来年へ。

前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。
行け。勇んで。小さき者よ。

有島武郎「小さき者へ」より

白スタックスとの旅路はまだまだ続く。

(了)