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【MTGレガシー】日本レガシー選手権(夏)'23参加レポ~白スタックスと歩んだシュガータイム~

6月25日(日)、幕張にて開催されたプレイヤーズ・コンベンション(以下PC)に行ってまいりました。
運良く日本レガシー選手権(夏)'23にも参加することができましたので、そのレポをば。

1.平日真昼の0回戦

正午にスマホに触れる仕事ばかりじゃないんです。(キレ

などと文句を垂れつつ、キャンセルが出ることを祈って毎日昼休みに大会サイトを巡回…。
そんな日々が2週間近く続いていました。

無駄。惰性。堂々巡り。

それでもオレはあきらめの悪い男。
今日も今日とてサイトを開いたその時、それは青天の霹靂。

遅ればせながらの0回戦突破。
そしてこれは僕にとっての初めてのPC参加。
(GP時代やMF時代を含めて。)

前回の横浜は誘い合わせていたものの、体調不良のため不戦敗でした。
今回も仲間に誘ってもらい、レガシー選手権に出られなくてもPCには顔を出そうとは思っていましたが、やはりレガシーができるのとできないのでは全く違うのです。胸の高鳴りが。

ずっと時間がたってから思い出す時、あまりにも愛しくて泣いてしまいそうになるような、そんな大切な春の予感がよぎったのだった。

小川洋子『シュガータイム』より

ここからは毎日が楽しくて仕方ありませんでした。
仕事はいつも以上に忙しく、練習する時間はほとんどありません。
それでも、眠い目を擦って、疲れた体に鞭打って、MOを起動する。一人回しをする。

だって僕は、ついにPCに参加するんだ…!

2.当日早朝の0.5回戦

当日はこれまた初めての幕張メッセ。
海浜幕張自体、交流戦のロッテ戦以来かな?(当方鯉党

ご近所のとってもグーさんと誘い合わせて、朝6時過ぎにうちを出発。
電車ではひと眠りしようかなんて思っていたけれど、心地よい電車の揺れはいつしか僕の鼓動と重なっていく。高まっていく。

舞浜で恋人たちや若人たちを見送り、僕らは僕らの戦場へ。

着いた!これがPCだ…!

語彙力(

3.直前まで悩んでいたこと

やっと構築面のお話。
今回はPC直前に指輪物語が追加となり、話題の中心はやっぱり《オークの弓使い》。
この登場で強化されたグリクシスデルバーを中心にメタを読んでいきました。

ボロミアを○ったことは許してないぞ。(ショーン・ビーンガチ勢

個人的には、《オークの弓使い》を無視できるストンピィ系とコンボの増加を予想。
一方、土地単はいきなり使うには色々とハードルが高いので、そこまで増えないだろうと考えていました。

直前まで悩んでいたのは、やはり《濁浪の執政》対策。
きよあきさんにも相談に乗ってもらい、墓地対策の他に、《罠の橋》増量から《悪斬の天使》採用といった非現実的なものまで検討。
最後まで悩んだのは《難題の予見者》の再雇用でした。

こうすればよかったんだ!(手札破壊

しかし、十分な練習時間が取れなかったことと、一人回しの結果、《選定された平和の番人》に代えて《難題の予見者》を採用することで白いカードが減り《孤独》がピッチで撃てない場面があったことで、今回はサイドへの採用を見送りました。
幸い《濁浪の執政》は3枚積みが増えているため、「各3枚の《孤独》と《精霊界との接触》の使い所を間違えないように」と戒めて、プレイングでカバーしようと考えていました。

他には《煙突》と《大いなる創造者、カーン》の枚数も微調整して各3枚にし、25枚を標準にしていた土地の枚数を数年ぶりに見直して24枚に。
こちらはほとんどぶっつけ本番でしたが、結果から言えば成功でした。
やはり先入観はよくない。そして《両替機》と《永久のドラゴン》は偉いのです。

そんなこんなで組み上げたリストがこちら。

自分の会で望外の結果を収めたリストから変更する怖さもありましたが、環境が変化しているのだからこちらも変わらなければ。
え?全部同じじゃないか?
これだからしろうとはダメだ。

4.本戦

待ちに待った本戦。
胸の高鳴りを抑えつつ、いざ。

Round1 vs ジャンド 

初っ端から予想外のデッキとの邂逅。
思い返せば、昨年末のエタパもそうでした。
大きい大会になれば様々な乗り手がいて、それぞれに信念を持って臨んでいます。
何より白スタックスこそがメタ外なわけですから、心理的にはイーブン以上のはず。
もちつけ(古

▼Game1 先手 こちらワンマリ
こちらの《探検の地図》スタートに対して、お相手は《下賤の教主》。
遅ればせながら《虚空の杯》X=1を置くも、《鏡割りの寓話》→《ウィンドグレイスの魂》とアドアドしい動きでマウントを取られる。
《大いなる創造者、カーン》から《罠の橋》でなんとか引き篭もったものの、当然ジャンドカラーで割れないわけもなく《耐え抜くもの、母聖樹》でGG。

墓地から《不毛の大地》とか反則では?(どの口が

▼Game2 先手 お相手ダブマリ
初動の《ウルザの物語》を《不毛の大地》され、もういっちょ《ウルザの物語》。
その対処に手札を使ってもらって、最後は《孤独》ビート。

▼Game3 後手 お相手ワンマリ
《ウルザの物語》と《選定された平和の番人》でマウントを取り、お相手は《森の知恵》で全力で解答を探すもなかなか見つからず、最後は虎の子の《ウィンドグレイスの魂》を《探検の地図》→《Karakas》でバウンス。

2-1

ジャンドはアドバンテージを取るカードが多く、白スタックスにとってはきついマッチアップです。
《ウィンドグレイスの魂》も、レガシー環境でも定着しさえすれば圧倒的なアドを稼ぎます。
少し前の僕なら泡吹いて倒れていたかもしれません。

しかし今の僕は、ウィンドグレイス卿をこよなく愛する男とのマッチアップで、このカードを既に体験していました。ありがとう、らいく兄貴!
経験は最高の盾。

Round2 vs URデルバー

開始直後にいきなりジャッジを呼ぶことになる展開。
お相手がシャッフル後に一番下のカードを落として裏返してしまったのでした。
もちろん故意ではないのですが、競技レベルということで警告に。
初めてのことで僕の方がびっくりしてしまったのですが、冷静に自らジャッジを呼んでくださったお相手に感謝。

▼Game1 後手 こちらワンマリ
《秘密を掘り下げる者》スタートから置物を全部カウンターされ、最後は《濁浪の執政》まで。

▼Game2 先手
《三なる宝球》→《虚空の杯》X=1→《エメリアのアルコン》→《世界のるつぼ》で《不毛の大地》ぐるぐる。
《溶融》X=1を食らうも、お陰で《影槍》が出せてしまう噛み合いもあり、クロックが早まって押し切り。

▼Game3 後手
《ドラゴンの怒りの媒介者》スタートに対して《虚空の杯》X=1着地。
《ドラゴンの怒りの媒介者》は《皇国の地、永岩城》で安全に処理し、《ウルザの物語》から《影槍》で盤面を取る。
何度も直面してきた展開。残る脅威は《濁浪の執政》のみ。
案の定ブロッカーとして出されたところを、温存していた《精霊界との接触》の魂力で安全に処理してリーサル。

2ー1

ほんと練習って裏切らないから好き。

と、ここで後ろから声を掛けられる。
長引いたゲームだったので、ベガ立ちされているのは薄々感じていたのですが….

声を掛けてくれたのは、名古屋で白スタックスを回してくださっているkeiさん。
今回のPCで何が何でもお会いしたい方のひとりでした。
まさか向こうから来て見つけてくださるとは😭

いま悩んでいること、試しているカード…
生まれて初めて誰かと交わす〈白スタックス談義〉。胸が熱くなる瞬間。

手垢にまみれた、いわゆる恋愛関係とか肉体的な関係のことを言っているのではありません。何と言ったらいいのだろう。僕たちはお互いに、含まれあっているのです。

小川洋子『シュガータイム』より

本当に少しの時間ではありましたが、永遠に感じられた一瞬。
最高の時間に勇気づけられました。ありがとうございました!

Round3 vs BGデプス(サイド後ヘルムヴォイド)

またまた予想外の出来事が。
シャッフルが終わったところでジャッジに声を掛けられる。
「これからデッキチェックを行うので、デッキをそのままデッキケースにしまって提出してください。」
おいおいおい、こんなこともあるのか。

結果はデッキには問題はなく、効果の説明用にデッキケースに入れていた日本語版の《煙突》(もちろん別スリーブ)を、「別のところに仕舞っておいてください」とのご忠告をいただきました。
なるほど、そういうのもあるのか。またひとつPC童貞・競技童貞は勉強です。

▼Game1 先手
T1《三なる宝球》→T2《大いなる創造者、カーン》で《液鋼の塗膜》。完。

▼Game2 後手 こちらワンマリ
《虚空の杯》X=1スタートするも、T2の《ダウスィーの虚空歩き》に走られ、ようやく処理したところでマリット・レイジ降臨。

▼Game3 先手
お相手《虚空の力線》スタート。
《三なる宝球》で固めて、《大いなる創造者、カーン》。
《吸血鬼の呪詛術師》でこれは処理されるも、引っ張った《罠の橋》と、《真髄の針》で《演劇の舞台》を止めて籠城へ。
お互いグダった末に、まずフルタップで《Helm of Obedience》を出されてリーチをかけられ、一度は処理するも、間もなく2枚目を引かれてGG。

大好きなカード。このBrian Snoddy氏のイラストアドよ。

1ー2

この試合は3ゲーム目は、実は致命的なミスがありました。

①自分で気付いたミス
1枚目の《Helm of Obedience》を《精霊界との接触》通常キャストで追放したのですが、引き直される可能性を考えれば、自分の《真髄の針》をブリンクして戻し《Helm of Obedience》を指定し直すことで回避できていました。あゝ。

②指摘されて気付いたミス
同じ場面、こちらの場には構築物2体と《エメリアのアルコン》がいました。
お相手の場には《ダウスィーの虚空歩き》と《吸血鬼の呪詛術師》。
ここで《罠の橋》をブリンクしていれば、残る手札の《冥途灯りの行進》で《吸血鬼の呪詛術師》を除去してリーサルだったのでは、というお話。
記憶とメモが正しければ、お相手のライフが16で構築物は7/7。
ただ、《罠の橋》をブリンクすると6/6なので、わずかに届かなかったような気もするのですが…

ここにはさらに色々なミスが絡んでいて、まずそもそも僕は《ダウスィーの虚空歩き》のシャドーを忘れていました。(え
そのため、かなり早い段階で《罠の橋》ブリンクルートを捨てていました。
しかも、構築物トークンのサイズも《罠の橋》で閉じ籠ったあたりからきちんと管理できていた自信がなく、ご指摘のとおりリーサルだった可能性も。嗚呼。

せっかく2ー0という最高のスタートをしていただけに本当に悔しいですが、下手は下手なりに失敗から学ぶしかありません。
本レポは戒めとして。

Round4 vs スニークショー

▼Game1 後手
ひととおりの応酬の後、メイン採用の《オルサンクのパランティール》で圧をかけられ、そのまま押し切られ死。

占術で「上」って言われるとドローさせるしかないんだが。

▼Game2 先手 こちらワンマリガン
《虚空の杯》X=1とX=0でロケットスタートし、構築物トークンと《エメリアのアルコン》で押し切り。

▼Game3 後手
《虚空の杯》X=1スタート。
《選定された平和の番人》と《ヴェズーヴァの漂う者》が睨み合っている間に《オルサンクのパランティール》を引かれ、《残虐の執政官》を切削(8点)された上に、《騙し討ち》からも《残虐の執政官》が吹っ飛んできてライフを吸い尽くされ。

1ー2

何の因果か周りにスニショ使いが多いため、自信を持って臨むマッチアップでした。
気負いと言えば気負いですが、絶望感とともにやるよりは絶対にプラスになっていたと思います。

予想外であり、初対面の《オルサンクのパランティール》に計算を狂わされた部分もありましたが、何かを大きく間違えたということもなく、負けも《騙し討ち》→《残虐の執政官》という明確な負け筋で納得。

途中でフォロワーのyafaさんだと気付き(マスク無しで初めてお会いしたので最初は気付けず)、とても和やかに対戦できました。
ちなみに、途中《エメリアのアルコン》の常在忘れで警告1。すんませんでした!

Round5 vs 土地単

上位の目は無くなりましたが、勝ち越しを目指すために大事な1戦で、白スタックスにとっては相性最悪のマッチアップ。
やはりいました土地単。しかもフルfoil。紛れもない手練れである。

▼Game1 先手
T2《エメリアのアルコン》を目論む手札だったものの、後手T1にしっかり《踏査》を置かれる。
予定どおりの《エメリアのアルコン》のスタックで、《輪作》からの《不毛の大地》。
さらに手札からも《不毛の大地》で土地をズタズタにされ、とどめの《壌土からの生命》。キミはダメなの。

キミはダメなの。(大事なので2回言う

▼Game2 先手
《ウルザの物語》スタートで押し切りを狙うも、丁寧に処理された上で《踏査》と《壌土からの生命》が揃ってどうしようもなく。

0-2

上の内容だけを見れば順当な負けですが、Game2は対土地単でもう少し現実的なキープをしなければいけなかったなと反省。
《ウルザの物語》だけで勝てるマッチでは決してない。わかっていたはずなのに。

Round6 vs ANT

3連敗で2-3となってしまい、気持ちを切り替えたい6戦目。
白スタックスはゲームレンジが長いため、Round1~4はあまり休憩が取れませんでしたが、ここで初めて外の空気を吸いに出られて少しだけ気分転換。

▼Game1 後手
《Underground Sea》を《不毛の大地》して様子を窺い、ANTと判断して《虚空の杯》X=0と《エメリアのアルコン》で二重にロック。
《大いなる創造者、カーン》まで出したところで、お相手が《激しい叱責》からラストチャンスの《むかつき》。
まさかメインから《激しい叱責》が入っているとは思わず死を覚悟しましたが、ライフを7まで詰めていたためアド死を誘えて安堵。

メインからとは。紙一重。

▼Game2 後手
《三なる宝球》下で《大いなる創造者、カーン》→《液鋼の塗膜》と《探検の地図》→《不毛の大地》でハメ切って。

2ー0

相性差も大きいですが、対ANTは幾度となく練習してきたマッチアップ。
今度はキープ基準を間違えずにプレイできました◎。休憩だいじ。

Round7 vs レインボーデプス

▼Game1
《三なる宝球》と《煙突》でのボードコントロールに入り、スス・カウンターを2つまで増量。
盤面を掃除した上で、お相手の第2メイン終わりに《精霊界との接触》の魂力でブリンク。
新鮮な《煙突》が戻ってきてマナロック完成。この日、最高の上振れムーヴ。

▼Game2
《魔術遠眼鏡》で手札を検閲し、《活性の力》を確認。
その後《活性の力》を2回撃たれ、消耗戦の末の地上戦でライフ2まで詰められるも、《孤独》素キャストでダメージレースをひっくり返して走り抜け。

2ー0

あまり対戦経験のないマッチアップでしたが、ダークデプス兄貴の解説と、真珠亭さんに一度やられた苦い経験を総動員。
《この世界にあらず》と《エルフの指導霊》からの突然死をケアしながら、うまく立ち回れたと思います。
経験は(ry

Round8 vs グリクシスデルバー

勝ち越しをかけた最後のマッチ。
そして、よりによって一番当たりたくなかったマッチアップ。

▼Game1 後手
《秘密を掘り下げる者》vs《ウルザの物語》のクロック対決でスタート。
1/1の構築物トークンを出したところに《オークの弓使い》を当てられてペースを乱され、2枚目の《ウルザの物語》には《不毛の大地》、《虚空の杯》には《意志の力》で捌かれて最終局面へ。
こちらの《孤独》が着地し、魂絆で耐えきったか、というところでディスティニードロー《稲妻》。思わず拍手。

▼Game2 先手
今ひとたびの《ウルザの物語》vs《秘密を掘り下げる者》。
構築物トークンで駆け抜けようとするも、《溶融》で全てを失ってGG。いつもの。

0ー2

5.最終結果と振り返り

結果は4ー4。
85位(226人中)。

今回は直前で参戦が決まり、指輪物語の影響で環境が動いている最中、練習時間がほとんど取れないという準備不足がまずありました。
それでも、自分の中で最低目標としていた勝ち越しにさえ届かず、非常に悔しい結果と言わざるを得ません。

何より、自分のミスで負けているということは、デッキのポテンシャルはもっと高かった可能性もあるわけです。
帰り道は情け無さでちょっと泣きました。

また、後半は乗り手もヘロヘロに。
Round5とRound8の0ー2は、粘りの白スタックスにしては淡白な負け方で、キープ基準やサイドボーディングのミスがあったかもしれません。
単純な体力不足もそうですし、慣れない大舞台での緊張もあったように思います。

朝ごはんはしっかり食べよう!

一方で、上にも書いてきたように、多くのマッチアップで今までの経験や助言を活かすことができ、練習と仲間の大切さを再認識できました。
これからもMTGを続けていくモチベーションにもなったので、参加して本当によかったと思っています。

6.戦いのあと、祭りのあと

8回戦の後は、フリプしたり、ようやくショップを見て回ったり、知り合いを探して挨拶をしたり。
特に、郡山のスタックス使いの13さんに張り込んでご挨拶できたのは嬉しかった。
13さんとこみねんさんはスタックス界の神なため。(

他には、八十岡さんを数回見かけて、毎回サインねだられている場面だったので大変そうだな~と眺めていたり、普段インフルエンサーさんは追っていないのですが、常盤ゆいさんが想像の倍ぐらい小柄なことを発見したり。
会場にいるからこそ楽しめる部分も存分に味わうことができました。
そりゃみんなお金出してでも遠征するわけだ。

——会場の熱気はいつまでも名残惜しくはありましたが、仲間の待つホームグラウンド「朝霞」へ舞い戻って打ち上げ。🍻
応援してくれた仲間の労いにまた泣きかけましたが、ここは全力で耐え。
多くは語らないけれど、対戦中もみんなが後ろにいてくれて心強かったぜ。

楽しい宴も果て、結局丸1日お付き合いいただいたとってもグーさんと最寄りまでご一緒に。
ほんと遅くまでお疲れさまでした&ありがとうございました。

帰りの電車でも話していたのですが、7月は、8日(土)が彼の地きずな杯15日(土)がレガシー神29日(土)が武藏野MTG會と大忙しです。
逆に言えば、反省を踏まえて工夫すれば、それを試す機会はたくさんあるということ。

よし、次はメイン《罠の橋》型を試そう!
《難題の予見者》も試さなければ!
keiさんの試しているカードも試してみるぞ!
早くデッキ回したい!

そんなことを考えながら速足で帰っていたら、道で盛大にコケました。(恥

背中のデッキを守るべくコンクリート道でヘッスラしてしまいましたが、地べたに這いつくばるのもこの日の僕に相応しい結末だったのかもしれません。

ちょいと名誉の傷を負うことになりましたが、これもまた忘れられない1日の勲章です。
いや、「勲章」と呼べるかどうかはこれからの自分次第。

長い一日だった。今日あった出来事を朝から順番に思い出していくと、それらが全部一日のうちに収まっているとはとても信じられなかった。(中略)いろいろな場面が次から次から追い掛けてきて、わたしを眠らせなかった。

小川洋子『シュガータイム』より

「いつかお金を貯めてGPに参加してみたいなあ」なんて漠然と思っていた少年時代から二十余年。
その間に、MTGを離れたこともあったし、様々な人生の分岐点を通り過ぎてきました。

いつの日か、僕にもMTGを永遠に離れるその時が来るのかもしれない。

「誰も終わりがあるなんてことに気付いていなかった。というより、気付いていないふりをするのがとっても上手だったの」

「こんなふうにして、いろいろなことが終わっていくのね」

「わたしたちのシュガータイムにも、終わりがあるっていうことね」

「砂糖菓子みたいにもろいから余計にいとおしくて、でも、独り占めしすぎると胸が苦しくなるの。わたしたちが一緒に過ごした時間ってそういう種類のものじゃないかなあ」

小川洋子『シュガータイム』より

その時はいつか来てしまうのかもしれないけれど、この傷を見る度に僕は、PC千葉'23の景色を思い出すことでしょう。
今もありありと残る、胸の高鳴りとともに。

(了)