ロシア料理レストラン「ロゴスキー」を訪ねて(1)~ロゴスキーのロシア料理

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 欧米諸国よりも日本に近い、しかし、どこか遠く感じる国、ロシア。この国のお料理って、いったいどんなものなんだろう?

 ロシアもっと知りたい!という思いから、「MIZUTAMA」編集部は、地下鉄銀座駅から少し歩いたビルの中にあるロシア料理レストラン「ロゴスキー」を訪ねました。

ロゴスキー店内の様子

 銀座の「イグジットメルサ」、7Fにあるロシア料理レストラン「ロゴスキー」。

 創業したのは1951年。創業主でもとは軍人であったという長屋緑さんは、現地の食料研究をすることを仕事にしており、自身も食べることが大好きだったので、中国のハルビン市のロシア人街などを訪れて、ロシア料理を食べ歩いていたそうです。

 戦後、日本を戻ってきた長屋緑さんは、妻の美代さんとともにロシア料理店を開店。ハルピンで訪れた店「ロゴジンスキー」の名を短くした「ロゴスキー」の名をお店につけました。

 その後、「ロゴスキー」は、1965年には渋谷の東急プラザに移り、49年間営業を続け、2015年の東急プラザ閉館後、銀座に移転し、現在まで続いています。

手に入らない食材に苦労しながら「ロゴスキー」オリジナルの料理を開拓

 長屋ご夫妻の孫であり、現在の「ロゴスキー」の取締役副社長である横地美香さんにお話をお聞きしました。

「ロゴスキー」副社長の横地美香さん

 ロシア料理店を経営していくにあたり、同店で苦労してきたのは、料理に必要なロシアの食材が手に入りにくかったこと。

 たとえば、ロシア料理の代表格であるボルシチ。「ロゴスキー」では「ロゴスキーオリジナルボルシチ -いなか風-」と「ロシア本場のボルシチ -ウクライナ風-」の2種類があります。

ロゴスキーの名物料理「ロシア本場のボルシチ -ウクライナ風-」

 創業当時はボルシチに欠かせないビーツが手に入らず、代わりにトマトを使って調理したオリジナルボルシチが誕生。

 時代が移り変わる中、やがて、ビーツも手に入るようになり、本格的なボルシチが作れるようになりましたが、そのときすでにオリジナルボルシチが人気を集め、店の看板メニューになっていて、はずすことができず、2種類のボルシチを揃えるようになりました。

 「ロシア固有のもの、日本にないものがありましたから、それを何で代用するかというところで苦労がありました。創業時は、ビーフストロガノフに入れるマッシュルームも手に入らず、代わりにしいたけや松茸を使っていたんです」(横地さん)

 その他にも、ディルなどの香草も手に入れづらく、本来料理に必要な様々な食材がないところでいかにロシア料理を作っていくかという苦労があったという「ロゴスキー」。しかし、そうした試行錯誤を重ねていく中で、前述したオリジナルボルシチや春雨が入ったピロシキなど、ロシア本国のそれとはまた一味違う「ロゴスキー」独自のロシア料理が生まれていきました。

「本場の味をそのままもってきても、お客様がおいしいと思うかどうかはわからず、自分たちが食べておいしいと思うというところに照準を合わせて、少しずつ工夫を入れていったことがいろいろな料理にありますね」(横地さん)

 現在、日本で「ロシア紅茶(ロシアンティー)」と呼ばれるジャムを入れた紅茶。実は、ロシア本国では、紅茶の隣にジャムを添えてお茶受けにいただいていたものから、ロゴスキーの創業時代に「そうやっても、そういうふうには飲まれないから、はじめから口の中でこの味になるものを作り上げよう」と独自に提案された、ロゴスキー発祥の飲み物。また、春雨を入れたピロシキも本国にはないロゴスキーのオリジナル。

 創業主が食べ歩いたロシア料理をベースに苦労してきたことで、「ロゴスキー」独自のここでしか食べることのできない極上のロシア料理が出来上がっていったのです。

ロゴスキーの食卓(イラスト:海山かのん)

ロゴスキーの食卓(イラスト:海山かのん)

(続く)

「ロゴスキー」
アクセス:東京都中央区銀座5-7-10 EXITMELSA 7F(イグジットメルサ)
公式サイト:http://www.rogovski.co.jp/

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ロシア料理レストラン「ロゴスキー」を訪ねて(1)~ロゴスキーのロシア料理

田下愛(サブアカ)文学フリマ東京 5月6日カ-23〜24

100円

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