日本に煌めくロシアの世界~雑貨店「マリンカ」へようこそ(1)

※こちらの記事は有料設定ですが、無料で最後まで読むことができます。

 西武池袋線・椎名町の駅から、トコトコ歩いた住宅街の中にあるロシア雑貨店「マリンカ」。

 お店の扉を開くと広がるのは、かわいらしくて、ちょっと控えめで、欧米ともアジアとも違う煌めくロシアの世界。

 ロシア雑貨店「マリンカ」オーナー・鈴木真理子さんにロシア雑貨やロシアへの思いを語っていただく短期集中連載・第一回目です。

「マリンカ」オーナー 鈴木真理子さん

航空会社で働きながら、ロシアと出会う

 ロシア雑貨店「マリンカ」がオープンしたのは2000年8月1日。今年、18年目を迎えます。

 このお店を始める前、私はアエロフロート・ロシア航空の発券代理店に14年間つとめていました。語学を活かせる仕事がしたくて就職したのですが、ロシアと深い関係があるこの会社につとめたことによって、それまでまったく縁のなかったロシアによく出張することになりました。ただ、当時はロシア語を勉強したことはなかったので、やりとりはすべて英語で行っていましたね。

 そして、仕事を続けていく中で、「あまりにもロシアのことが日本で知られていないな」とひしひし感じたんです。私自身、ロシアを訪れるたびにいろいろなものを見て刺激を受けていただけに、なにかもったいないなと思うようになっていきました。

 やがて、会社のほうは体力的な限界を感じて退職しました。その段階では今の仕事をするとはまったく思っていなかったのですが、やめて1ヶ月位したときに、せっかく14年間つとめて、ロシアのことを色々知って人脈もできたのだからと、「日本でまだまだ知られていないロシアのかわいらしいものを紹介しよう」と思いたち、インターネットショップを立ち上げたのがマリンカの始まりです。

ロシアに「行ってみたい」人が増えてほしくてはじめたお店

 当時は、「販売したい」というより「紹介していきたい」というノリで始めたネットショップ。なので、最初のうちは扱う商品も非常に限られて少なかったのですが、だんだんニーズが増えてきて、どんどん商品を揃えないといけなくなっていきました。

 私自身、前職のときに、ロシア大使館の人たちから「なぜ、日本からのロシアへの観光客が増えないんだ」とよくいわれていました。今も決して渡航率が高いわけではないですが、当時は今よりもさらに渡航率が低かったんです。

 もちろん、その理由はプロモーション不足という面があります。私の職場でも旅行業の人たちを集めての宣伝企画などを行ってはいたんですが、そもそもの情報が不足しているわけで、そうした中で旅行業の人たちがどんなに「いいですよ」とアピールしたところで、みんな行くわけではなく、旅行業からの視点で渡航者を増やすのは限界があるなと思いました。

 そうした前職での経験があっただけに、私が実際に知っているロシアのものを紹介していく中で、興味を持ってくださる方が増えたら、その発展として「行ってみよう」みたいな人が増えるかなというのは、どこかに常にありますね。

ロシアの美しいショールや陶器を販売したいと思った

 ロシア雑貨を売るお店をやっていこうと思った最初のきっかけは、オレンブルグという村で手作りされているプラトーク(ショール)です。

 編み込んだカシミヤのショールで、輸入している人と知り合ったんですが、あまりにもそのショールがきれいなので、「これはすごい。まずこれを販売してみたい」と思いました。

 そして、売りたいと思ったもう一つは陶器ですね、前の職場を退職するとき、ロシア人の仕事上のパートナーの方がロシアのティーセットを餞別としてくださったのですが、それがとても素敵だったんです。

 旅行業者の視点で見ていたときは、あまりそういうことに目を配っていなくて、マトリョーシカがおみやげの代表くらいにしか思っていなかったのですが、ショールを使ったり陶器を使っていくうちに、とても使いやすいしきれいだし、これを販売しようかなと考えました。

お店を始めて気がついた、マトリョーシカの魅力

 お店を始めた18年前は、今ほどインターネットは普及しておらず、ホームページを持っている企業のほうが少なかった時代。だから、私が立ち上げたお店がほんとにネットショップの走りですね。もちろん、最初からそんなにたくさんの反応があるわけではなかったのですが、一年くらいたったときに「マトリョーシカの取扱はないですか?」と問い合わせをいただくようになりました。

 実は、お店を始めたばかりの頃は、私自身あまり興味がなかったこともあり、マトリョーシカは取り扱っていなかったんです。前の会社でロシア人のパートナーがロシアから来日する際におみやげとして持ってくるマトリョーシカがあまり上質でなく、全然好きになれず、当時はマトリョーシカってみんなそういうものだと思いこんでいたところがありました。

 けれど、お客様からのそういう要望を聞くようになって、やはり研究しないといけないなと思いたち、マトリョーシカを探しにその工場や工房をたずねるようになったんです。そこで、マトリョーシカはいろいろなものがあり、作家さんたちがさまざまに作っていて、それぞれ違う個性があるという魅力を知りました。マトリョーシカについては、お店を始めてから理解が深まっていった感じです。

マトリョーシカは日本人に愛されているおみやげ

 ロシア国内におけるマトリョーシカは、皆さんが知っている代表的な民芸品ではあるけれど、どちらかというとおみやげ品という感じが強く、マトリョーシカ自体一般の家庭にかならず置いてあるというものではないです。

 ロシアの工芸品・民芸品にはもっと歴史の古いものがあり、マトリョーシカはまだ新しいものなんです。その歴史としては100年程。しかもルーツが日本だと言う説があるんです。元になったのは箱根の入れ子細工で、日本に来たロシア人の宣教師が入れ子細工を見て「このアイデアが面白い」と持ち帰り、農家の家族をイメージして作ったという説が有力ですね。

 そうしたこともあって、歴史が短いし、ルーツが日本かもということを考えると、やっぱり何百年も続いている本当にロシアで発生した工芸品のほうが、ロシア人にとって思い入れは強いと思います。マトリョーシカはわかりやすいので、ロシアのアイコン的なおみやげになっていますけれど、ロシア人の生活に密着しているかというとそうではないかもしれないです。

 ただ、元々のルーツから日本人に何か感じるものがあるのか、日本でのニーズは高い気はしますね。以前、韓国の雑貨店がうちから仕入れたいとわざわざメールしてきたことがあったんです。そのときに、韓国の事情をきいたら、日本のほうがマトリョーシカ人気は高いんだなあと感じました。マトリョーシカの作家さんと話していても、定期的に買いに来てくれるのは日本人で、他の国の人達は来ても一、二回くらいだそうで、日本人がロシア以外では一番マトリョーシカ好きな国民なのかなという気はしますね。

ロシア雑貨店「マリンカ」
住所:東京都豊島区目白4-27-7
電話:03-3565-3205
FAX:03-3565-3779
http://www.marinka-zakka.com/

この続きをみるには

この続き:0文字

日本に煌めくロシアの世界~雑貨店「マリンカ」へようこそ(1)

田下愛(サブアカ)文学フリマ東京 5月6日カ-23〜24

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。