【岩手県・遠野市を訪ねる】お雛様と語り部と雪と空

※この記事は投げ銭方式です。購入せずとも最後まで読むことができます。

ウェブマガジン「MIZUTAMA」編集長の愛です。

女性3人で、面白いコンテンツを詰め込んで作ろうと企画、創刊した「MIZUTAMA」。

これから、どんどん発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、第1号の特集は、「岩手県・遠野市を訪ねる」です。

2017年の、2月末~3月初め、「MIZUTAMA」編集部の3人で遠野を訪れました。

お雛様の歴史と物語を遠野の“語り部”が伝える「遠野町家のひなまつり」

岩手県遠野市では、この時期に各家庭にまつわる古いお雛様を飾る、「遠野町家のひなまつり」が開催されます。

駅前の商店街では、お雛様を飾っているお家がたくさん。

それも、真新しい人形ではなく、古い昔に作られたお雛さまたちです。

遠野の街中を歩きながら、お雛様を飾っているお店のいくつかを訪ねました。

遠野駅前の商店街の中にある銘菓店「まつだ松林堂

こちらのお店では、2階に上っていくと、部屋いっぱいにお雛様たちが飾られていました。

そして、「まつだ松林堂」で何より面白いのが、女将さんによるお雛様にまつわる“語り”

お雛様といっても、いわゆるお内裏様とお雛様の7段飾りだけでなく、お侍さんや踊りを踊る人や、いろいろなお人形さんが並べられている広間で、女将さんが人形にまつわるお話をいろいろとしてくれます。

遠野では「語り部1000人プロジェクト」という、市民を語り部に認定する試みが行われており、「まつだ松林堂」さんでは、ご家族の方が何人もこの語り部の資格を所持しているそうですが、女将さんのトークはとにかく見事!

ただ単純にお話をするだけではない。声がのびやかで柔らかくとても耳心地がいい。その声でテンポよくお話が展開する。文化的、歴史的なお話を聞かせてくれて…と思いきや、「こちらのお人形、あのタレントさんに似ています」など、思わぬところで笑いで落とす。お話の押したり引いたり落としたりがとても上手で、とても楽しく気持ちよくお話を聞かせていただきました。

「まつだ松林堂」の名物「明けがらす」。

ごまやクルミを使ったお菓子ですが、お菓子の表面を明け方の空に見立てて、クルミの部分がカラスのように見えることから、明ガラスと名付けられたそうです。

編集部が訪れたときは、お雛祭りということで、ふちをピンクにした限定商品がありました。

また、「まつだ松林堂」さん以外に、臼井金物店さんでも、語り部の女将さんが、ひな人形とお家の歴史のお話をいろいろと聞かせてくださいました。

人に歴史あり、ものに歴史あり。

「遠野町家のひなまつり」に飾られていたお雛様たちは、いわゆるきれいなそれではなく、古くに作られて、まだ残っている人形たち。

だから、古くなっていたり、少しくたびれていたりしていていて、ただ、そこに新品にはない味がある。

人が歴史を重ねていき、家族が代を重ねていく中で、家に飾られるお雛様たちも年を、時代を重ねていった。そんな年を重ねた少しくたびれた人形たちに、「ああ、ここまでよく生きてきたね」と、なんともいえない共感のようなものを覚えました。

古いお人形を見るだけでなく、語り部さんが語る物語を聞いて、お雛様ができて飾られて家族の歴史を見て…という時代の流れに思いを馳せる、「遠野町家のひなまつり」には、そんな風情がありました。

極寒の遠野で見たのは、澄んだ空

旅に向かう直前に、現地の方から極寒だという話を聞いて震え上がった編集部員たち。あわてて、セーターや靴下など、防寒具をさらにプラスしました。

重装備で実際に訪れた遠野は…確かにとても寒く、外へ出かけるときは、セーターを二枚重ね着、準備の良い編集部員・ツッチーはカイロも用意していました。

私たちが訪れる前の時期、雪が降ったらしき遠野。街中の通りは除雪車で雪かきされているのですが、なにせ温度が低いので、雪がとけきらず、道のはじのほうに雪がこんもりと残っていました。

雪がとけきらない極寒は、確かにとても寒くて。

ただ、寒い中で、いいこともありました。

極寒の中で見上げる遠野の空はとてもきれいでした。

雪が降ったあと、それは空が浄化されたあと。

雪によって、空の中にあったゴミがみなお掃除されて、とても澄みきった空が広がっていた。

雪が残る土地に立って、白くて寒くて、でも、その分清んでいるような空気の中、遠野の山々を見上げたとき、心があらわれました。

この山を、雪を、空を見ることができただけでも、遠野に来てよかったと思います。

遠野といえば、「遠野物語」が有名であるように、妖怪の出現する里として知られています。

さまざまな妖怪伝説は、この澄んだ空気や雪の中で生まれたものなのかもしれません。

澄みきった空の写し鏡となった池や川に河童らしきものが見えたのか。

たくさん降り積もった雪が一向にとけないのは、雪女の仕業なのか。

寒くて凍った道、何もないところで転んでしまったのは座敷わらしのいたずらなのか。

豊かな自然の恵まれた遠野の里の、極寒の冬の戯れこそが、妖怪たちの出現につながったのかもしれません。

今回の遠野取材でこんなものもゲットしましたよ。

次は河童の捕獲も狙ってみるか?

遠野の妖怪アイコンフェスティバル!

昨年、「MIZUTAMA」代表の田下啓子と遠野在住の漫画家・奥友志津子さんが遠野市内の「ちょボラ」で開催した「遠野の妖怪アイコンフェスティバル」。

市内の小学生さんたちを中心に、遠野の妖怪のアイコンを描いていただいたイラストを多数展示しました。

昨年、集まったイラストたちが、「MIZUTAMA編集部」が訪れた際、「遠野ショッピングセンターとぴあ」に飾っていただいてありました。

「遠野の妖怪アイコンフェスティバル」は、今年も開催を予定して準備を進めています。

遠野の妖怪アイコンフェスティバルFacebookページ

詳細はこの「MIZUTAMA」でも伝えていきたいと思いますので、どうぞ、ぜひご期待ください!

この続きをみるには

この続き:0文字
この記事が含まれているマガジンを購入する
または、記事単体で購入する

【岩手県・遠野市を訪ねる】お雛様と語り部と雪と空

田下愛(サブアカ)文学フリマ東京 5月6日カ-23〜24

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

12
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。