日本に煌めくロシアの世界~雑貨店「マリンカ」へようこそ(2)

西武池袋線・椎名町の駅から、トコトコ歩いた住宅街の中にあるロシア雑貨店「マリンカ」。

 お店の扉を開くと、広がるのは、かわいらしくて、ちょっと控えめで、欧米ともアジアとも違う煌めくロシアの世界。

 ロシア雑貨店「マリンカ」オーナー・鈴木真理子さんにロシア雑貨やロシアへの思いを語っていただく短期集中連載・第二回目です。

ロシア雑貨店「マリンカ」オーナー 鈴木真理子さん

東洋でも西洋でもない、ロシア独特の魅力がある

 ロシア工芸品の魅力は、一言でいうのは難しいんですが、一つあげるならば、東洋でも西洋でもない、ロシア独特の絵柄や色合いです。

 
作り手の愛情とプライドを感じるものが多く、たとえば、「ジョストボ」というモスクワ郊外のジョストボ村で作られている花や実を描いたお盆やお皿があるんですが、ジョストボに描かれている植物は存在しないものなんです。幻想的な花や実のイマジネーションの世界を作り出す職人さんがいて、その技術が受け継がれていくのがすごく感動的でしたね。


おすすめ雑貨は、ロシアの台所に置かれている「ベレスタ」

私のお気に入りのロシア雑貨に、白樺で作られた「ベレスタ」があります。これは、すごく細工が細かくてケーキのようなかわいらしさで、色はすべて自然の白樺の色なんです。職人さんが色を見ながら配色したり設計したりして作っているんですが、小物入れとして使えるし、飾っていてきれいだし、触ったときの肌触りも温かい。プラスチックの入れ物と違って安っぽさがないし、白樺の皮は防菌、防虫など効果がたくさんあるんです。

ロシアは白樺の林が多く、白樺がよくとれるんですが、中でもトムスクという街の白樺が一番上質だといわれていて、お店にもトムスクの白樺を使って作られたものを置いています。工芸品は派手な色使いのものも多いので、そんな中でほっとするのがこのベレスタで、むしろ、こちらのほうがマトリョーシカよりもロシアでは生活に根ざしていると思います。ロシアはハチミツ専門店が多いんですが、ベレスタを量り売りの入れ物に使うんです。中を洗って使い回しがきくし、はちみつがもれない。また、私自身もベレスタをプライベートでお菓子入れに使っているのですが、ロシアではパンを入れたりしているようです。白樺の樹皮にはいろいろな効果があり、入れておくとパンがカビない、防湿の効果などもあるんだそうです。あとは、茶葉を入れたりして、いずれにしても台所においてあることがとても多い工芸品ですね。

ロシア人はチョコレートが大好き

お店でも、いくつか取り扱っているのですが、ロシア人が大好きなお菓子の一つがチョコレートです。サンクトペテルブルクの人は地元愛が強いので、地元で作っているチョコが大好きで、スーパーに行っても地元産のものが幅をきかせていますし、モスクワはモスクワで、自慢のモスクワのチョコがあります。また、最近は極東のほうでもメーカーが出てきて、チョコレートの種類はすごいです。

以前は、ロシアのチョコは、むきだしで箱にゴロゴロ入っているような感じだったんですが、味も包装も研究して、最近はかなり洗練されてきています。

  ロシアでは、昔から独特の包み方があるんです。包みの両端を折り込まないやり方で、私も最初に見たときにびっくりしたんですけれど、これがソ連時代からずっと続いているんです。デザイン的には、動物の熊やリスをモチーフにするものも多いです。森の多い国なので、動物は農地を荒らす被害もありますが、熊、ハリネズミ、リスなどは、ロシア人にとって、仲間のように感じるところがあるようです。有名な「アリョンカ」チョコのように子供の絵が描かれているものもあるし、包み方も独特で面白い。高級感というよりは、垢抜けない感じのところが、他の国と違うロシアの個性的なところだと思います。

ロシアのチョコレートで特に有名な「アリョンカ」は、デザインのインパクトが強いので、観光客がおみやげに買っていくチョコとしてはダントツの人気ですね。最近は、「アリョンカ」という専門店がオープンしています。お店の中では、同じメーカーの他のチョコも取り扱っているんですが、とにかく印象的なだけに、看板もこのアリョンカちゃんを使っています。また、店内をカフェのようにして、紅茶やコーヒーと一緒にチョコレートが食べられるようなお店もでき始めています。

ロシアで受け継がれるティータイムとお茶の文化

チョコレートにかぎらず、ロシアの人は甘いものが大好きです。それは、お茶をする文化があるからでしょうか。紅茶の消費量は、一部の説ではイギリスよりロシアのほうが多いと言われています。

単純にお茶を飲むというだけでなく、ロシアでは、サモワールという湯沸かし器を囲んで延々とおしゃべりするティータイムがあり、それは彼らにとっての楽しみの時間。そして、ティータイムには、甘いお茶うけのチョコレートやビスケットなどが必ず置いてあります。

ただ、ロシアはイギリスなどとお茶の入れ方が決定的に違います。昔は、ポットに茶葉をたくさん入れて濃い原液を作り、それをカップに少し注いで、サモワールからお湯を注いで自分の好みの濃さにするという方法で紅茶を淹れていました。イギリスの場合は、ポットに茶葉を入れてジャンピングさせて香りを十分だしてからカップに注ぎますが、そこからお湯で薄めません。淹れ方が根本的に違うんですね。ロシアの小説にも必ずお茶が出てくるし、マトリョーシカの絵柄にもティータイムをモチーフにしたものがよく描かれています。ロシアの文化というのは、実はお茶なしには語れないんです。
(続く)

ロシア雑貨店「マリンカ」
住所:東京都豊島区目白4-27-7
電話:03-3565-3205
FAX:03-3565-3779
http://www.marinka-zakka.com/

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日本に煌めくロシアの世界~雑貨店「マリンカ」へようこそ(2)

田下愛(サブアカ)文学フリマ東京 5月6日カ-23〜24

100円

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