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レザークラフト人生第2作目。あのイタリア伝統技法に挑んだ結果

レザークラフト人生第1作目に作ったスエードの名刺入れを自分では喜んで使っていたんですが、使っていくうちに想定外の変化をしていることに気が付きました。
名刺入れですので、スーツの内ポケットに入れておくことが多かったのですが、使っていくうちにせっかくのスエードの起毛がつぶれてツルツルになっていってしまったのです。
しかも名刺の角が当たる部分は少し白っぽくなっていたりで、味が出るというよりちょっと残念な状態になってしまいました。

スエードの革小物自体なかなかお目に掛かれないからこそ、自分で作ってみようと思ったのですが、スエードというのは革小物にはあまり向かない素材なんだな、と思いました。

そこで次はもっといい名刺入れを作ろうと、第2作目への意欲が湧いてきていました。
休みの日にはユザワヤに行ってなにか閃くものはないか、ウロウロしていたと思います。
「レザークラフト入門セット」みたいなのを買ったのもこの頃なんじゃないかと思います。ついでに使いもしない金具やら工具やらも色々買いまくってた気が・・・

マネできるようないい感じの名刺入れがないか、毎日のようにネットでさがしまくってたある時、とうとう見つけました!

「これだ!これでしょ。」

見た瞬間にコレを作ろうと決めたものとは、

「イントレチャート」

イントレチャートとは短冊切りの革を編み込む、イタリアの伝統技法です。
そう、あの有名なボッテガのアレです。
2005~6年位の話なので、ボッテガはまだ日本では有名になってなかったかと思います。当時イントレチャートについてネットで検索しまくりましたがボッテガなんて出て来ませんでしたからね。

当時ネットで得られた情報はごくわずかで、
・テープ状にカットされた革を編んで作る。
・そのため革は2枚分の厚みになる。
せいぜいこの程度でした。

しかし、これだけの情報でも怯むことなく、「じゃ、薄い革を探せばいいんだな」てな感じでそれっぽい薄い革を買ってきて、制作に取り掛かります。

ベースになる革に切込みを入れて、そこにテープ状の革を編みこんでいくのが正しい作り方なんでしょうけど、当時そんな情報は調べても出てこなかったので、「テープ状にカットされた」っていう情報を信じてひたすら革を1cm刻みに切りまくり、それを十字に重ねていく、という手法で延々と縦に横に~を繰り返していました。

ところが、
いざ編み始めてみるとすぐに問題が発生します。

買ってきた革だと硬いんです。薄いものを買ってきたつもりだったんですが、全然ダメでしたね。
もっと薄くて柔らかい革じゃないと作れないということが判明しました。

が、しかし。
イントレチャート名刺入れへの思いはこの程度ではビクともしません!

当時はさいたま市に住んでいたので、皮革の聖地(?)浅草辺りまで足を伸ばして探しまくり、ついに「これならイケるんじゃね?」という、薄くて柔らかい革を手に入れることに成功しました。(たぶんラム革かと思います。)

前回と同じように1cm幅に革を切りまくり編み込んでみると、なんかイケそうな気がしてきました。
相変わらず縦に横にと1本ずつ編み込んでいきましたが、柔らかい革が編み込んでいく程ゆがんでしまうので、それを均等に整えていく作業のほうが編むよりずっと大変でした。

その他、ヘリ返しなんかもなかなか苦労しましたが、長い時間をかけて遂にイントレチャート名刺入れが完成します!

人生第1作目のスエード名刺入れは、見つからなくて申し訳なかったですが、人生第2作目、イントレチャートの名刺入れはめでたく(?)見つかりましたので、恥ずかしながら全世界に晒してしまおうと思います。

こちらです。

どうですか、このアングルだとそんなにポンコツじゃないですよねw
だって、一度だけですがボッテガに間違われたことあるんですよwww
隠してごまかしましたけど。

開いたらこんな感じ。なんでこんな風にしたのかは不明です。
茶色いのはスエードなんですが、ポケットに使ってるのは前回の時に余った黒いスエードなのかと思いきや、表革に使ってる革を裏返してるだけでした・・・。スエードへの思いが捨てきれなかったんでしょうか??

今回もこだわった通しマチ。そしてヘリ返し。

歪んでいるように見えますが、本当に歪んでいますwww
ヘリ返しも非常に苦労した部分で、ヘリ返しに使うには薄いラム革でも、そのままだとまだ厚いんですよね。

ペディでしたっけこれ。
これで必死にヘリ返しに使う革を漉いてた記憶があります。
数回ですぐに刃がだめになるんですが、裏返すとまだ結構使えるんです。
押し付けて使うので刃の先端が曲がっていくんでしょうね、たぶん。

そんなこんなで、人生第2作目にイントレチャートに挑戦するという、かなりの勇者だった自分。
これは3~4年使ったんじゃないかと思いますが、意外にも経年による劣化などどあまり見られないですね。
はい、完成当時からこんな感じですからwww

そしてこの先、レザークラフトに更にハマってゆき、あらゆる持ち物を自分で作っていくことになります。

今回はここまでにしておきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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