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凸凹事件簿「単純でシンプルなことだけど、とっても難解で複雑なんだよ」の巻

小学1年生になった。

ひとクラス6人の小規模校に入学し、念の為個別級にも籍を置くことにした。

入学3日目の話。


今週まで行き帰りは、送り迎えが必要で学校まで迎えに行った。

向こうの方に姿は見えているが、昇降口で寝そべっている。一向にこっちに来る気配がない。

個別級の先生(I先生)が、今のムスコの状況を教えてくれた。


今日は6年生に歓迎会をしてもらい、「しっぽとり」と「ドッチボール」をしたそうだ。

「しっぽとり」で早々しっぽを取られ、メンタルがダダ落ちし、『ドッチボールじゃなくて、バレーボールがいいよ!』と強く主張していたらしい。

ペアになった6年生が、1人バレーボールに付き合ってくれたとのこと。


あぁ、ワガママと特性のハイブリッドが出たよ。

「負けたくない」もあるし、自分が面白いと思っていることに共感して欲しい欲(認めてほしいんだと思う)が混じり合って、ただごねてる人になってしまった。


しゃーねー、と近くまで迎えに行くとパニック寸前のべそかき状態だった。

特に「ドッチボール」は楽しくないんだよね、すぐ当てられるから…

「家までおんぶ…」と要求される。

体力的にもおんぶはきつく、メンタル持ち直してから家に帰りたかった。

I先生と教頭先生は、あれこれ励ましてくれるが、一向に受け入れる様子もなく、逆に悪化してる。


とりあえず、校門までおんぶして、そこでクールダウンして帰ろうと思った。

校門まで来たら、寝そべりだし、「どうしよっかなぁ~」状態だった。

その時、I先生が「ハルくんは、嫌なことがあっても誰かを叩いたりしなかったし、周りのみんなも笑うことなかったよ」と言ってくれた。

ムスコの難しさを伝えていけば行くほど、ワガママなだけかも…とか、自分達の器が小さいだけかも…と思うことが多々ある。

少しでも良かった部分を口にしてもらった瞬間、涙がポタポタ落ちてきて、「がんばって歩いて帰ろ」「ハルならできる」と頭を撫でた。


親は、ムスコが立ち直れることを知っている。

でも気持ちを切り替えるキッカケは本人次第だし、時間もかかる。

今おんぶして帰ったら、引っ越しまでしてここに来た意味がなくなる。

ポタポタ溢れる涙を拭わず(先生達も気づいていたと思うけど)にいたら、ムスコは母の異変に気づいたのか、少し気持ちが動いた。

『ゲーム30分してもいいなら、歩く』と言い出した。


I先生はムスコの難しさは分かってくれていると感じる。

他の先生は、表面だけしか分からないだろうなぁと思う。

仕方がない、まだ始まったばかりなのだ。

クラスの担任の先生も加わり、4人の大人に囲まれムスコはグネグネしながら道を歩いた。

この時はもう、気持ちは切り替わって、ごねていた自分の恥ずかしさをごまかすため、ふざけていたように思う。


ずるい方法だけど、涙が1番伝わるな。

言葉でどんだけ伝えても、心に届くとは限らない。

ムスコもバレーボールしたいなら、全校生徒に「やりたい人〜」て声かけてこい!仲間あつめてこい!

「ドッチボール」くらいできんでも、死ぬことないから!へこたれんな!!!

#凸凹事件簿
#涙に勝るものなし

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