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実用レビュー:BardからGeminiに、Google OneからGemini Advancedへ。各社のクラウドストレージ価格をGemini自身に見積もらせてみた

2024年2月9日(日本時間)、Googleが開発した生成 AI「Bard」がリブランドされ「Gemini」に統合されました。またGeminiの最も高性能なAIモデル「Ultra 1.0」はGoogle Driveなどのストレージサービス「Google One」と統合され「Gemini Advanced - Google One AIプレミアムプラン」となりました。
「つくる人をつくる」をポリシーとするAICU mediaでは、実際にAIプレミアムプランを契約し、複雑なクラウドサービスの料金をGemini自身に見積もらせることで、その価値を庶民的な視点で算出していきたいと思います。


Geminiは無料で利用できる

まずGmailアカウントがあれば、無料版をGeminiはこちらから利用できます。

https://gemini.google.com

基本的な使用方法はChatGPTに似ています。
特に生成される作文の後半のオチの付け方がChatGPTとは異なり、感情に訴えかけるような作文を得意としているようです。
また画像を分析するビジョン機能があり、日本語も読み取れます。

Gemini Advanced を契約してみる

Gemini Advancedを契約すると、Gemini Ultra 1.0 がついてきます。
実際には「Google One AIプレミアムプラン」という扱いのようです。

2024年2月現在は2ヶ月無料で利用できます。この期間のうちに評価をしていきましょう。

念のため、(庶民ユーザ的な視点で)Google One の Google Drive容量としての価格比較をしておきましょう。
https://one.google.com/about/plans?hl=ja

有料プランの最低ラインである「ベーシック100GB」が月額250円で100GBです。ギガあたり単価は2.5円/月となります。これを「プレミアム2TB」にした場合、ギガあたり単価を0.63円/月まで下げることができます。「AIプレミアム2TB」の場合は、2900円/月ですので、1.41円/月となります。
「ベーシック100GB」で手狭になっているユーザであれば、単価を下げることができます。2TBプレミアムプランとの差額1300円の価値があるかどうか、という判断になりますね。

無料版Geminiに「ギガあたり単価を計算して」と聞くと、だいたい近い回答を出してきました。

参考までマイクロソフトOne Driveと比較してみます。
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/onedrive/compare-onedrive-plans?activetab=tab:primaryr1

Microsoft 365 Personal 年額プランが14900円/年で1TBです。月額ギガ単価に直すと1.21円/月。月額プランは表にはなっていませんが、1490円/月です。Familyだと21000円/年で最大6人、6TBまで使えますので月額ギガ単価は0.28円まで下がります。

これをGeminiに訊いてみます。

ちょっと単価が異なりますが、だいたい正しい結果を算出しています。Microsoft 365 Familyが突出して安いですね。これにApple iCloud+の料金比較を加えてみます。

https://support.apple.com/ja-jp/HT201238

Cloud+の料金は各国ごとの掲示になっていて、人間の目で見てもコンテキストが読みづらいです。

50GB: 130円 ギガ単価 2.6円
200GB: 400円 ギガ単価 2円
2TB: 1300円 ギガ単価 0.63円
6TB: 3900円 ギガ単価 0.63円
12TB: 7900円 ギガ単価 0.64円

これにApple iCloud+の料金比較を加えてください

出ました。単価は大体あってますが分かりづらいですね。

ここは徹底的に比較してもらいましょう。

3社のクラウドサービスを最低限度契約しつつ、ギガ単価が最低になるようにするにはどの契約プランを選択すればいい?

単純な単価比較になってしまいました。これはあまり役に立ちません。

質問を変えてみましょう。ギガ単価ではなく、各社のサービスを最低1TBづつ利用する仮定で合計額を見積もってみましょう。

3社のサービスを最低1TBづつ利用する場合の最適なプランと合計額を提案して

さあどうでしょうか。

…ということですが色々間違いがあるので指摘しましょう。

プラン: 2TB 月額料金: 3,000円
これは間違いでは
結果をできるだけ小さい表でまとめて

中々いい感じになりました。

OneDriveをファミリープランにして再度表と合計額を算出して

なお月額4884円で合計10TB、ギガ単価では0.47円/ギガ/月となります。

これに「Google One 2TB」ではなく「AIプレミアムプラン」を契約した場合の表と合計額を算出して

合計6584円、ギガ単価は0.64円です。Google Gemini Advancedを契約する場合には、OneDriveファミリープランもセットで検討したほうが良いという非常に皮肉な結果になりましたが、有意義な計算だったかもしれません。

なお、AIプレミアムには年払いはないようです。
ますますこの2ヶ月で評価しておかねばならなくなりましたね…。

Gemini Advancedの機能・性能比較

さて、Gemini Advancedの機能性能比較です。
左上で、選択できるようになっています。

Geminiには生成結果をGoogle検索によって検証する機能があります。
ハルシネーションを防ぐような効果があります。

Google Gemini自身に乗り換えの価値があるかどうか訊いてみた

Google Oneの100GBプランから AIプレミアムに切り替えたのですが、その価値はありますか?

エビデンスが確認できている箇所は緑で、
誤りがありそうな箇所は茶色でハイライトされます。


URLについてもその内容や存在が確認されるようです。

https://www.beautiful.ai/pricing  は全然関係ないサイトだった

「この回答を書き換える」で短くしたり、長くしたり、シンプルにしたり、カジュアルにしたり、専門的な表現にしたりできます。

「専門的な表現」を選んで書き換えてみました。

今度は https://www.pure-online.com/en/ai-premium  が表示されたがこれも関係ないサイト

相変わらずURLは他社のサイトを紹介しています。
AIプレミアム、という名前が良くないのかもしれないですね。

念のため無料版Geminiで同じ質問をしてみた

ちょっと意地悪な結果になってしまいました。
3回中3回とも誤りだった「AIプレミアム」のURLは無料版Geminiでは「無効なURLを削除しました」となりました。ハイライトもされています。

有料Geminiでないとできないことは?

ここまで実験して、非常に微妙な空気になってしまいましたが、機能面ではGemini Advancedにはこんな共有機能があります。

Google ドキュメントと Gmailに生成結果をそのまま渡すことができます。

どんな使い方をするんでしょうね!
いわゆる「ググレカス」みたいなメールを送る印象がありますが、
文体がGeminiのままだと微妙な雰囲気のメールになりそうです。

もう一度この課題を投げてみましょう。

Google One AIプレミアムプラン、マイクロソフト One Drive、Apple Cloud+をそれぞれ最低1TB契約してギガ単価と合計額を算出して表にしてください。

肝心のGoogle One AIプレミアムプランの料金が異なりますが…。

Googleスプレッドシートに変換する機能があるので使ってみます

最後に「カジュアルな表現」にしてみます。

1TB クラウドストレージサービス比較!どれを選ぶ?
Google One AIプレミアム、OneDrive、Apple Cloud+、どれも1TBプランがあるけど、どれがいいか迷っちゃうよね?
料金、特典、使い勝手をまとめてみたから、一緒に見ていこう!
料金全部月額1,300円前後でほぼ一緒!
特典Google One AIプレミアムは、Google Workspace PremiumやVPN、Googleストア10%還元付き!
OneDriveは、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどのオフィスソフト付き!
Apple Cloud+は、Apple Music、Apple TV+、iCloud プライベートリレー付き!
使い勝手どのサービスもスマホ、パソコン、Webで使える!
ファイル共有やバージョン管理もできる!
まとめGoogle Workspaceをよく使う人はGoogle One AIプレミアム
オフィスソフトをよく使う人はOneDrive
Apple MusicApple TV+を使う人はApple Cloud+
自分にぴったりのサービスを選んで、賢くクラウドストレージを活用しよう!
補足上記の情報は2024年2月9日時点のもの
料金やサービス内容は変更される可能性がある
もっと詳しく知りたい人は、各サービスの公式サイトをチェックしてみてね!Google One AIプレミアム: https://one.google.com/about
OneDrive: https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/onedrive
Apple Cloud+: https://www.apple.com/jp/icloud/
何か質問があれば、気軽に聞いてね!

うーん、感情面はとってもノリがいい感じではありますが、冒頭の価格の誤りさえなければ、というところでなんだか微妙な結果になってしまいましたがいかがでしょうか。
AICU mediaでは使えないな!という判断です。
(そもそも正確でない時点でボツになりますが)

今後の改善に期待!

以下は、最新のリリースノートです。
Gemini Advanced は、今後も継続的に機能を拡充していく予定で、さらにスマホアプリ版などもありますので今後のアップデートに期待したいところではありますね。

AICU編集部からの補足

本原稿をリリースした2月9日時点では、日本語のGeminiはGemini Ultraではない可能性もあります。一方で有料版と無料版で違いがないというわけではなく、むしろURLチェック機能は無料版の方が正確だったというケースもあり、今後のチューニングの進行を期待したいと考えています。

2024.02.08リリースノートより

Bard が Gemini になりました

  • 更新内容: Gemini では、Google AI に直接アクセスすることができます。従来の機能は引き続き利用可能で、今後は Gemini としてさらに使いやすく進化していきます。また、注意をそらす視覚要素を減らし、読みやすさを向上させ、操作をシンプルにするために UI もアップデートしました。

  • 理由: Google では、誰もが Google AI に直接アクセス可能になるよう取り組んでいます。今週から、対象の国と言語のすべてのユーザーに、Google の最も高性能な AI モデルをご利用いただけるようになりました。この取り組みをよりよく反映するために、Bard の名前を Gemini に変更しました。

Gemini Advanced にて、Google の最も高性能な AI モデル Ultra 1.0 をお試しください

  • 更新内容: Gemini Advanced では、Google の最も高性能な AI モデルである Ultra 1.0 にアクセスできます。Google の最新 AI 技術をいち早く試したいという方は、ぜひ Gemini Advanced をご利用ください。 Ultra 1.0 を搭載した Gemini Advanced の特徴は、コーディング、論理的推論、示唆も含む指示への対応、クリエイティブなコラボレーションなど、複雑なタスクをより効率的に行えることです。Gemini Advanced は、今後数か月間にわたって新機能や限定機能を継続的に追加していきます。たとえば、マルチモーダル機能の拡張、コーディング機能のさらなる強化、ファイル、ドキュメント、データをアップロードしてより深く分析する機能などの追加を予定しています。 Gemini Advanced は、150 以上の国と地域新しいウィンドウで開くでご利用いただける有料プランです。Ultra 1.0 モデルを搭載した Gemini Advanced は英語でのみ提供 / 最適化されていますが、対応している限り、他の言語でも回答できます。 詳細新しいウィンドウで開く

  • 理由: Gemini Advanced では、Google の最も高性能な AI モデルである Ultra 1.0 をいち早く試せます。Gemini Advanced は、今後も継続的に機能を拡充していく予定です。この新たな取り組みにぜひご参加ください。

Gemini アプリで創造性を高めましょう

  • 更新内容: スマートフォンで、Google AI を使って新しい感覚で物事を学んだり、お礼メッセージを作成したり、イベントを計画したりすることができます。Gemini は Gmail、Google マップ、YouTube などの Google アプリと統合されているため、スマートフォンで簡単に作業をこなせます。Gemini とはテキスト、音声、または画像を使ってやり取りすることができます。

    1. Android で Gemini を利用するには、Google Play ストアで Gemini アプリをダウンロードします。iOS デバイスの場合は、Google アプリから試せます。

    2. Gemini アプリは、米国で英語にて、一部のデバイスでリリースされる予定です。近日中に、日本語、韓国語、および英語(英国、スイス、欧州経済領域、および関連する国や地域を除く)もサポートされる予定です。今後さらに多くの国と言語に展開していく予定です。

  • 更新理由: Gemini は、世界で最も役立つ AI アシスタントを提供するという Google のビジョンに向けた一歩です。

Gemini がカナダで利用可能に

  • 更新内容: カナダにおいて、英語やフランス語を含むサポートされているすべての言語新しいウィンドウで開くで、Gemini をウェブで利用できるようになりました。Gemini アプリは、近日中にまずは英語からご利用いただけるようになる予定です。

  • 理由: Google は責任を持って Gemini の継続的な開発を進め、利用できる国や地域を拡大しています。

長くなりましたが、以上、Gemini Advancedの実用レビューでした!

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