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第7回 設定

 子どもの頃からライトノベル作家になりたくて、そのためにはきちんとした日本語を身につける必要があると思ったので、帰国子女だけれど大学は国文学専攻を選び、中学高校の国語科教員免許も取得し、その後、ライトノベルのコースのある専門学校にも通い、2005年に講談社のホワイトハート新人賞を受賞した私の独断と偏見と経験による『執筆の処方箋』を全22回でお送りします。

『設定』を辞書で引くと、

1:もとになるものをもうけ定めること

 と書いてあります。
 それに基づき、物語の設定をきちんと組み立て、設定を作りこんだ後に、言い回しや単語を細かく気にし、さらに細かい設定をちょっとずつ織り交ぜていってリアリティーをもたせていくと、読者を自然と作品の世界に惹き込めると思います。
 主人公は、登場人物は、何を考え、何の為に生きて行動しているのか。
 行動原理をしっかりと設定した上で、状況や登場人物の心情描写を丁寧に積み重ねて設定に説得力をだしてみましょう。
 セリフや地の文で設定や世界観を『説明』するのではなく、いくつかの何気ない小さなエピソードでそれとなくにじませることができれば尚良し!といったところでしょうか。
 壮大な設定と、小さな手ざわり。
 その対比、緩急を絶妙なさじ加減にするためには、一語一語を大事にし、設定した登場人物の年齢や見た目や性格などは出だしからあまさず活用し、作り上げたからには使い倒すくらいの意気込みで作品にぶつけましょう。
 しっかりした設定があれば、一から十までがっちがちに説明しなくても伝えたい想いは伝わります。

第8回は、『構成』です。

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