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第12回 テーマ

 子どもの頃からライトノベル作家になりたくて、そのためにはきちんとした日本語を身につける必要があると思ったので、帰国子女だけれど大学は国文学専攻を選び、中学高校の国語科教員免許も取得し、その後、ライトノベルのコースのある専門学校にも通い、2005年に講談社のホワイトハート新人賞を受賞した私の独断と偏見と経験による『執筆の処方箋』を全22回でお送りします。

テーマ』を辞書で引くと、『主題』と出てきます。
『主題』を辞書で引くと、『芸術作品で、作者の主張の中心となる思想内容』と出てきます。
 つまり、『テーマ』とは、

作者が作品を書く動機・理由・意義

 となるでしょう。
 そして、

テーマは常に作品の根底に存在している

 と言っても過言ではありません。
 だから、テーマがなければどんなに華やかで壮大な設定も虚しいものになりかねないし、最後に主人公が辿り着く答えは作品のテーマであってほしいです。
 小説を書く上で大切なことのひとつに、どれだけ自分の書きたいテーマについて考え抜かれ、また、どんなテーマを選ぶか……があります。
 テーマが鮮明に打ち出され、整理されていないと、感動の落としどころがなくなってしまいます。
 それと、地の文や一人の登場人物で説明してしまっては、全てが台無しです。
 物語もテーマも、説明するのではなく、登場人物たちの言葉(エピソード)を通して描かれるものです。
 そこを意識しながら、『序破急』または『起承転結』を練ると今までとは違った作品に仕上がるかもしれません。

第13回は、『ストーリー』です。


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