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ツンデレ童話(5)みにくいツンデレの娘

 むかし、ある村にツンデレ語がみにくいと悪評が高いジュリアという美少女がいました。彼女はあまりにも美しかったので、その #ツンデレ な性格と #ギャップ萌え の魅力が村人たちから理解されず『高飛車で嫌な女子じゃ』といじめや嘲笑の対象にされていました。

 ジュリアは村の果物屋で美味しそうなリンゴを見つけても、『ふん、そんな見掛けだけ美味しそうなリンゴに限って不味いのよ! まぁ、売れ残っていて仕方がないなら買ってあげなくもないけど…。確かに昨日買ったリンゴは美味しかったけど、今日も美味しいとは限らないわ! でも、もうちょっと安かったら買っても良いかも』とツンデレ語で買い物をしていました。こんな日々だったので、ついに頑固者の果物屋のオヤジから『ジュリアに売るリンゴはねぇ!』と怒鳴られ、八百屋や魚屋、豆腐屋でも同じような扱いを受けるようになってしまいました。

 ジュリアの内面には、誰もが知らない優しさと愛情が秘められていました。しかし、ジュリアの村ではツンデレの魅力が誰からも理解されず、彼女はいつも孤独を感じて悲しんでいました。ある日、ジュリアの孤独と悲しみを見かねたダンデレ魔法使いが現れ『魔法の癒し系リンゴを食べると、誰でも心が癒されて、穏やかなツンデレ語を話せるようになるよ』と言いました。

『ふん、胡散臭い話ね! あんたみたいなダンデレ魔法使いに興味はないわ! 私が興味あるのはダンデレ王子だけよ! でも、ダンデレ魔法使いもちょっとロマンチックかも♡ だ、だからって魔法使いが好きなわけじゃないからな!』と、ジュリアの口からツンデレ語が出てきました。

『ツンデレは、極東の島国にある #秋葉原 村では人気があるけど、ダンデレ魔法使いが住んでいるような田舎の村では、ツンデレの魅力を理解する人は少ないんだ。でも、 #癒し系ツンデレ が嫌いな人は世界中どこにもいないから、ここはボクを信じて、癒し系リンゴを食べてごらん。完全無農薬の有機栽培で、ちゃんと有機JASマークがついた本当に最高の癒し系リンゴなんだ。確かにボクは魔法使いだから胡散臭く感じるのは当たり前だけど、ボクはダンデレ王子に変装して君を騙すこともできるのに、魔法使いの姿でキミに会いに来たのは、本当のボクを知ってもらいたかったからだよ』とダンデレ魔法使いが言いました。

 ジュリアは確かに『胡散臭そうなダンデレ魔法使いの格好で、一人暮らしのツンデレ娘の部屋に突然出没する変態はあんただけよ(怒)』と思いましたが、『その癒し系リンゴって一体どこにあるの? 美味しそうだったら、味見くらいしてあげてもいいかもね』とツンデレ語で尋ねました。

『ボクは魔法使いだから、この魔法の杖を振ってイヤシマシマシ・ツンスクナメ・デレオオメ・ユウキムノウヤクリンゴと呪文を唱えると、魔法の癒し系リンゴが出てくるんだ』と呪文を唱えると、奇術師のように突然掌の上にリンゴが現れました。

 ジュリアは #隠れジロリアン だったので、この呪文にウケましたが、ツンデレの尊厳をかけて笑いを堪えて『あんた如何にも♬インチキおじさん登場〜って感じだから、あなたの言っていることを信じたわけじゃないからね! 不味そうだけど、少し呪文が面白かったから、一口だけ食べてあげてもいいかも♡』と、そのリンゴを食べました。

少し呪文が面白かったから、一口だけ食べてあげてもいいかも♡

 白雪姫を知っている読者は、『それは毒リンゴで、どうせ後から王子様が…みたいな話でしょ?』と思っているかも知れませんが、『俺がそんな陳腐な話を書く分けねえだろう!』と、筆者の俺は一人ボケツッコミをしながら、この作品を書いていました。

 すると不思議なことに、ジュリアの言葉使いが変わり始め、ツンデレながらもどこか温かみと優しさを感じさせる言葉が自然と口から溢れるようになりました。

まぁ、美味しそうなリンゴたち@癒し系

 いつもの果物屋を訪ねたジュリアは、癒し系ツンデレ語で『まぁ、美味しそうなリンゴたち。このリンゴを育てた農家の努力の結晶だわ。こんな良いリンゴを仕入れられるなんて、果物屋さんも凄いのね♡』と癒しの言葉を掛けました。それを聞いた果物屋のオヤジは、『ジュリアちゃんはリンゴを見る目があるね。良し! ここはジュリアちゃんだけ特別に半値にしておくよ』と言い、他の市場のオヤジたちもジュリアには優しくしてくれるようになりました。

 市場のオヤジ以外の村人たちも、次第にジュリアの変化に気づき始め、彼女のことを新たな目で見るようになりました。彼女の癒し系ツンデレ語は人々の心を和ませ、やがてジュリアはみんなから愛されるようになりました。

 そんなある日、ダンデレ王子が村を訪れ、ジュリアの噂を聞きつけました。王子は彼女のユニークな魅力に惹かれ、やがて二人は恋に落ち、互いのツンデレとダンデレなところを愛し合うようになりました。

 彼らが仲良く果物を食べているところをパパラッチに撮影され、写真週刊誌でスキャンダル扱いされたため、村人たちにとって新たな語り草となり、ツンデレとダンデレの美しい恋物語は、長い間語り継がれることとなりました。

【ツンデレとツンドラを間違えてドジっ子アピールする癒し系ツンデレ広報のつぶやき】

つづく…

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