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Vol.28 お呼びだし②

息子は受験勉強をがんばり
見事志望校に合格した。

少し背伸びをして選んだ高校だったので
合格はとても嬉かった。

息子は性格は小心者だけど
付き合う友達は真面目な子ではなく
少しはみ出しそうな感じの楽しい子を選んでいた。

新しい環境に慣れた頃の1年生の2月。

学校から電話がきた。
先生からの内容は

息子たちが立ち入り禁止と書かれている部屋を
開けてしまった。
息子は部屋に入っていないが、
一緒にいた子が中に入ってしまった。


息子に直接聞くと、
「自分はをスマホを見ながら後ろを歩いていて、前にいた子がふざけて開けて入ってしまった。」

一緒にいたら一緒にやったと思われるだろう。

明日の朝8時に学校の校長室に来させてください。
と言われ、指示にしたがった。

校長先生から直接きつくご指導うけたらしい。

この事はこれで終わったのだか、

それから2週間もたたないうちに
また学校から電話がきた。

今度はなんと、息子がカンニングをしたというのだ。

テストが終わったあと、生徒同士で交換して丸つけをして提出するというやり方だったので、
息子から友達に、
「答えを書き換えて出そう」
と誘い、友達は断りきれなくて受けてしまった。

そして提出が遅く、ふたりとも点数が同じだったのでバレたらしい。

これはかなりショックだった。
カンニングなんて!
しかも友達を巻き込むなんて!

ショックを受けている私に
次の先生の言葉が私の心に刺さった。
「最近、いろいろ言われていますよね」


息子はスケートボードをやっている。
小学4年生から始めて
今でも毎日練習している。

入学時に提出する用紙にその事を書いたら

先生方から
「スケボーやってるなんて、何か問題を起こすんじゃないか」
と思われて、実際に息子が先生に言われた言葉だった。

スケボーやっている=問題児

というレッテルを貼られて見られていた。

確かに、立ち入り禁止の件からまもなくカンニング。

息子が悪いのは間違いないけれど。
いろいろという言葉がひっかかる。

「最近いろいろとは、なんですか?」
私は聞いた。

先生は驚いて
「お母さん、立ち入り禁止の件は知ってますよね?」

「それは知っています。いろいろって、他にも何かあるのですか?」
と聞くと、先生は急に焦り出して

「それは…  他の先生にも確認してみないといけないので、今、急には答えられません」
しどろもどろに答えた。

そのしどろもどろに答える様子に
問題児というレッテル貼って見ている先生を想像してしまった。

「息子が勉強についていけていないのはわかっています。でも、性格が悪いとは思ってません!」

感情的になって怒ってしまった。

性格は良くても、
カンニングは悪すぎるのに。

一度電話は切れたが、
しばらくしてまたかかってきた。

「お母さん。明日の朝8時に息子さんと学校に来てください。息子さんの進退がかかってますから」

有無を言わさず、一方的に言われた。

進退ということは、停学か退学?

と想像した。

この件はすでに息子からラインで報告あり
ごめんなさい
と謝っていた。

帰ってきた息子には
カンニングも悪いけど
友達を巻き込んだのは重大な罪だ!!
これからどういう風に生きるのか、考えろ!!!

と怒鳴りつけて怒った。

高校の勉強は難しく
恐らくギリギリのラインで入ったであろう息子は
勉強についていけなかった。

中学の時と同じ感覚で勉強しても
点数は全然取れない。
提出物の評価も厳しい。

義務教育ではない高校は、留年の可能性もある。

小心者の息子は焦ったのだろう。

考えが甘くて未熟な息子に注意するべきだった。
自分の監督不行き届きに反省した。

スケボーの練習ばかりで
勉強していなかったのを
注意をしてこなかったから。


次の日、息子とふたりで学校に行った。

学校に着くと、先生方は慌ただしくしている。

私が電話口で怒ってしまった先生がいたので
「感情的になってしまって、すいません」
と謝った。

そして部屋に通され
校長先生始め生活指導、担任、男性教師5人に囲まれた。
そこで1時間半、ひたすら怒られ続けた。


先生方は
「お前(息子)からカンニング誘われたら断れないよ!」
と言う。


息子は普段は先生に逆らわないし
黙って言うこと聞いていると言う。

なのに、なんでこんなに問題児扱いされてんの?

そして言われた言葉。
「みんなを守るためにはひとりを排除します」

腐ったみかんだ。
金八先生を知っている世代の方ならわかる笑

私は、進退がかかっていると言われた時点で
退学かもしれないなぁと腹をくくっていたので
動揺しなかった。

むしろ、母親と未成年の未熟な息子に対し、
男性5人で対応してくる学校に
違和感というか、不信感というか
複雑な思いだった。

学校やめてもいいや

そう思ってしまった。

ただ、カンニングを誘ってしまった同級生には
本当に申し訳ない気持ちで一杯だった。

バレた時点で息子はすぐに謝り
帰ってからもラインで謝ったとのこと。

それを聞いて少し救われた。

私からも謝罪しますと申し出たけれど、
学校側から
相手のご両親に謝罪の意向があることは伝えます。
と言われた。

そして大きな騒動になった結果、
処分は

反省文の提出

えっ、それだけ?

私まで呼びつけられて、あんなに怒られまくって
進退がかかっていると言われ
結果は反省文。

学校の温情?

しかし私は、学校に対してはしっくりこない
複雑な感情のままだった。


私たち親子は
スケボーを優先して学業は2番目で良いと思っている。

その考えは当然学校には理解されない。

学校選びを間違えた。

息子には、どうしても合わなかったら
学校やめてもいいと伝えたが、
今も通っている。

それからは学校からの連絡はない。

母親の目が行き届かなくなる高校生。
うちの子に限ってはない。
油断大敵です。













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