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あなたを信じていく強さが欲しい


「分からなくなった」

そう彼は言った。

仕事が終わるとすぐに会いに行く、会えない日には電話で繋がる。1人の時間は寂しくてしょうがない。私は今まで付き合ってきた人にもそうしてきた。多くの時間を共有することで愛は大きくなっていくと錯覚していた。そんな私と正反対の彼は毎日の接触を重荷に感じていた。そんな時に言われた言葉だった。

「好きかどうかわからなくなった。」

後頭部を鈍器で殴られたような衝撃が走る。好きだからこそいつも触れていたかったのに、距離を縮めたかったのに。私の思いとは裏腹に彼の心は離れてしまった。

「別に毎日繋がらなくてもいいんじゃない?
正直めんどくさいよ。」

いつもだ。私の気持ちは好きな分重くなっていく。

そうじゃない、伝えたいのはもっと別の思い。上手く届けられないもどかしさと焦りで事態は最悪に。

「付き合うってこういう事だった?長く続けていける気がしない」

頭の中で別れの文字がちらつく。付き合って数日、こんな事で無くしたくない。
次の日から耐える日々が続く。携帯電話を取って彼の電話番号の画面を見つめる。通話のボタンを前に伸ばしたり引っ込めたりする人差し指。

今までのLINEのやり取りを見ては、もらった言葉を思い出し束の間の幸せに浸る。

私はスキをもらうことばかり考えていた。今までそういう恋愛しかしてこなかった。だから長続きしなかった。男と女の間でも信じる思いが大切なんだって。

"私のこと好き?"

"好きなら毎日会うのが普通"

どこかで彼の気持ちを信じてない私がいるからこそ、そんな言葉が出てくるんだ。

怖かった

同じ思いじゃなかったら

好きじゃなかったら


守りたい心を持っていると、弱くなってしまう。そして常に用意している、傷つくように。

愛がもらえないかもしれない、だったら愛を与えよう。



足りなかったのは、私の思い、彼の気持ちを信じ抜く強いもの。どんな結果になっても最後まで信じたい。


会いたい衝動をどうにか抑えていた日々。LINEに文字を熾そうと携帯電話を取ると彼からのメッセージ。
私も今伝えようと思った言葉が画面にあった。

"やっぱり同じ思いだった"


会えない時間は寂しい、好きな人であればなおさら。

でも


1人の時間が愛を育んでいく

想いが熟成されていく


こんな気持ちはじめて

離れていてもあなたを近くに感じられる


信じる強さをあなたからもらった

もう大丈夫



最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!