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(1)おいしい定食

定食とは「ごはん」、「みそ汁」、「漬け物」に、「おかず」を基本とする、日本で日常的に食べられている定番の食事である


僕は定食が好きだ。
定食のために生きているといっても過言ではない

そんな僕が、通っている食堂がある
〒279-0022 
千葉県浦安市今川4丁目2−4−101
キッチンカフェほっぷ

これは、
僕の終わり無き戦いの物語である


2023年10月5日

僕は潰瘍性大腸炎を患っており
2ヶ月に1度、病院に行き
1本44万円の注射を両腕に刺す
合計88万円だ。

病院というものは
とにかく待たされる
朝から採血をして、
結果が出るまで1時間待機
その後、診察をして
注射を打つ

この日、病院が終わり
僕は、心も身体も疲れ果てていた
そんな日は、おいしい定食を食べたい

グーグルマップで近隣の定食屋を探す

そこで見つけたのが、この店だった

アパートの一室を改装して作られた外観
建物側面のポップ体の看板が目を引く
軒下には立て看板
客が真っ先に見るであろうそこには
本日の日替わりメニュー
と書かれていて、メニューの文字の
伸ばし棒所が、くるくるっとサンジのマユ毛みたいになっていて、かわいい。

その下には料理のイメージ写真や
定番のメインメニュー
キャッシュレス決済の対応表が
記載されている

今日のメニューは
ナスと豚のバター醤油炒め

なんとも
うまそげじゃあないか

秋ナスをバターで炒める
想像するだけで食欲をそそる
料理においてバターは、絶対だ
バターを使った料理で
まずいものを見たことがない

通常のランチメニューには
焼肉定食
生姜焼き定食
ミックスフライ定食
からあげ唐揚げ定食
焼魚定食
と王道のメニューを一通り揃え
なんとカレーまである

そして、それら全てが1000円しない
なんなんだ、この店は
やっていけるのか?

どうせ量が少ないんだろ?
そうでないと、つじつまが合わない

入店して日替わり定食を注文する
運ばれてきた料理を見て
僕は驚いた
一汁三菜あるじゃねえか

僕の知っている安い定食屋は
おっさんの客におっさんが料理し
おばちゃんが配膳する
ごはん、みそ汁、漬け物に
メインが「どん」と置かれる感じだ

一汁三菜あるじゃねえか

量も
常連らしき女性客が注文し
「ごはんの量半分で」
と言うくらいの量だ

体感だと200gよりは多い気がする
うちの社員食堂のごはんが200gなので
たぶん

副菜の小鉢も凝っている
アスパラがキノコと炒めてある
これもメインを張れるおかずだ

なにより全ての調理が

うまい。

どこか、なつかしくもあり
あたたかい
家庭の味、
いや家庭でこの味が出せるだろうか
少なくとも我が家では出ない

この日、僕は完全にやられた
完膚なきまでに負けた
なんとも充実した敗北だった

この店を知らなかったことを悔やみ
知れたことを喜んだ
そして、リベンジを誓った
たまたまかもしれない
偶然最高のメニューの日だっただけかも
そうさ
バターだもの
明日、もう一度来てみよう

次は
「なんだ、この程度か」
と勝ち誇ってやるんだから。

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