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直線を縫う

ウールのコートにタートルのニット、毛布みたいにあったかいスカート、スウェードの編み上げブーツと艶のある靴下。好きな服ばかりの季節がやってきて、クローゼットも一年で1番かわいくなる。布が好きだ。

でも、困ったのがバッグ。今よく持ち歩くものたちが入るサイズの秋冬っぽいバッグを持っておらぶ、9月くらいから探していたのだけど、これだ!という子に出会えなくてもぞもぞしていた。

この前の土曜日。次の仕事までの空き時間にふらりと寄ったユザワヤで、これだ!を見つけた。ワゴンのなかでくるりと白い木綿のリボンに巻かれた、こっくりとした色と不思議な柄のジャガードの生地だった。

得意じゃないけど刺繍が好きで、針も好きな色ばかりの糸も、裏地に使えそうな布もリボンやタッセルのパーツも家にたくさんある。迷わずレジに持っていって、家に帰ってすぐにハサミをいれた。

バッグが欲しかったこともあるけれど、久しぶりになにかを縫える!という喜びが先走って、型紙もなにも書かずに切って縫って無心に縫ってその日の夜にひとつバッグができた。

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肌寒くなるととたんに恋しくなって集めてしまうベロアの太いリボンと、なにに使うかなにも考えずにかわいいから買ったブレードのタッセルが、日常的に使えるものになったとたん息を吹き返す。まっすぐまっすぐ手で縫っただけの簡単で雑な作りだから、たぶん今シーズン限りなんだけど大満足だ。

縫い物はわたしにとって癒しのひとつで、だけど多くは縫うことが目的なので、作ったものを使えるなにかにするのを考えるのがおっくうでなかなか縫えていなかったから、大変に癒されました。

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裏地は艶っとしたワイン色のサテン生地にした。

財布にがま口にポーチに手帳、iPadに文庫本がジャストで入るわたし仕様。バッグを買おうと探してた時は、内側にポケットが欲しいとか、ショルダーにもなって四角くてマチのあるやつ…といろんな条件があったのに、それらをほぼクリアしてないバッグが今一番お気に入りだ。

2Mで980円と激安だったので、まだまだ生地はあるし、気分と相談してもっと大きいトートと、小さなポーチ、巾着なんかもつくりたい。

いい買い物でした。


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