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NYに行ってきた。


今年のGWに、ニューヨーク(以下NY)に行ってきた。
かねてから行きたいな、好きだな、憧れるな、と思っていた街で、でも英語が心もとないのと、台湾以外の海外に行ったことがないのと、そのため3時間を超えるフライトを経験したことがないのと、食が合わないかもしれないのと……と、行かない理由にできる要素がたくさんあって、なかなか踏ん切りがつかなかった。
が、この度激務に疲れ果てた夫が「どこかに行きたい……NYとか……」と言い出したのをいいことに、NY旅行を実現させるにいたった。

日程は5/4~8の5日間。
予算と仕事の都合で、実質の滞在は5/4の10時~5/7の18時までという、わりと短期間の旅程になった。GWのNYをなめてはいけない。あまり安さにこだわらず、ホテルのグレードを高めにしてもらったこともあるけど、これだけで2人で40万だった。旅費は2年間コツコツ貯めた夫婦の貯金から。
わたしたちは新婚旅行に行っていない。だからいいよね、とお互いを納得させあいながら軽く震える手で40万円を引き出した。

夫は昔、LAに留学していたこともあって英語は普通に喋れる(いっこうに話すところを見ないので不安に思っていたのだけど、4月に彼がアメリカで出会ったという友人が来日してくれたときには流暢に会話していて安心した。夫はホラ吹きではなかった)。
一方わたしは“発音だけはいいタイプ”で、5月までの3ヶ月間は英会話のレッスンに足しげく通い、またニュースなんかでトランプ大統領の演説や大坂なおみのインタビューやその他英語が聞こえたらとにかくリスニングに集中するなどして(もちろん大好きな海外ドラマも見た)、あとはNYのガイドブックを読み漁った。

↑旅行予約前に書き出した「行きたいところリスト」。バカっぽくて気に入っている。

タイムズスクエアとか、ハイラインとか、ガゴシアンギャラリーとか、ハドソンヤードとか、メトロポリタン美術館とか、グッゲンハイム美術館とか、メットブロイヤーとか、ロックフェラーとか、セントラルパークとか、ブルックリンとか、グラウンドゼロとか、公共図書館とか、リトルイタリーとかチャイナタウンとかイーストヴィレッジとかLOVEとかHOPEとか、
いろんなところに行った。(総歩数は10万歩を超えた)

感じたのは、圧倒的なパワーというか、“世界の中心はここである”という確固たる空気とか、熱気みたいなもの。

結果だけいうと、わたしの英語は通じなかった。正確には、「通じるけど、それに対する相手の言葉や質問に即返事をしないと会話が終わる」。
果たしてわたしは夫の横で「This」と言ってほしいパンを指したり、「Thank you!」とニコニコしているだけの静かな人になった。

そして初めて、自分が少数派であるという状況に置かれていることに気づいた。
NYの人種別構成比は白人が一番多く、その次に黒人、そしてヒスパニック系。アジア人は5%だという。何が人種のるつぼだ。

楽しそうに会話をしているニューヨーカーたちを眺めていて感じたのは、多くの人がわたしと同じ「外から来た人」だろうということ。
たぶん、マンハッタン島の出身の人はとても少なくて、みんなそれ以外の街や州、国で育ったり、そこにルーツがあったりするんじゃないか、と思った。

それは東京にも似ていて、東京にも純粋な東京出身者は少ないという(なんか、けっこう会うけど)。
NYで楽しそうに同僚と話しながら歩いている彼も彼女も、自分がよそから来た人であるという十字架のようなものを背負って、もしかしたら最初は心細かったんじゃないだろうか。

「みんな一生懸命生きてるって感じがするね」

そうつぶやいたら、夫が「きみが『早く帰りたい』って言いださなくてよかった」とつぶやいた。

3泊5日の旅はあっという間に終わって、わたしたちは蒸し暑い日本の東京の羽田空港の到着ロビーに降り立った。
京急から山手線に乗り換え、既にGWが終わった憂鬱な空気に触れて、わたしも日常へと戻ってきた。

また行きたいな。

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