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療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.46

6月のバオバヴカフェも、「ポリヴェーガル理論」について。
自分の状態を客観的に見る指標として、「赤、青、緑」という色を使うことはわかりやすい、と参加者同士で一致する。(詳細は、以下、花沙さんが、まとめてくださっています)
特性の強い子供達にとって、周囲の人間の関わり方で、こうも違った風になるのかという状況は、放課後デイという現場で、本当に数多く見てきたし、日々目にしている。例えばADHDタイプのアクティブな子への、火に油を注ぐような関わりをする大人をたまに目にするのだが、大人の側の何がそうさせるのか、が気になって仕方がない。「厳しく指導しておかないと」「将来困る」「舐められる」と言った、こちらとしてはよくわからない曖昧なものが多く、その子が本当に困っていることに目が向けられていないように感じることが多い。この理論は、そんな大人の体への何かのヒントになるだろうか。「ニューロセプション」(造語)という概念(察する力のようなもの、としておきましょう)も含め、身体表現に関わる皆さんとのカフェは、毎回、こんな「感じとる」力の拡がりが大きく、あっという間の2時間。
次回は7/3。療育にまつわる「からだ」へのまなざし、に関心のある方、お待ちしております。

(以下、文責:花沙)
 引き続き、伊藤二三郎氏「ポリヴェーガル理論で実践する子ども支援」(遠見書房,2022)の内容をシェアしました。自律神経系が作用し、人間は3つの心身状況 ①激しい闘争モード、②恐慌状態の逃避モード、③穏やかなモード、を有しています。本書では、これを①赤、②青、③緑、と色で表現しています。

2章のコンテンツをいくつか紹介すると、
・数字による評価は青:背中側モードに追い込む。
・子どもたちの「社会的つながり」―緑:腹側モードを育てるのは教師の仕事
・「素敵な先生」とは「緑:腹側」優位な先生
・赤:交換モードになって子どもを青:背中モードにしない

例えば、子どもたち同士で喧嘩をしているときに、先生(大人)が赤モード怒りながら制止したりすると、子どもたちは、青モードになってその場では大人しくなるけれど、怒りを抑圧したに過ぎず、またどこかで爆発してしまう可能性が高かったり、先生の前だけ仲良くするふりをしたり。
先生(大人)が自律神経系をコントロールして、緑モードに戻ることが大切だと繰り返し説かれています。ごもっともと思いつつ・・・けっこう難しいなとも感じます。そもそもなぜ、大人も緑モードに戻りにくいのかな?ということに一番興味があるとわかりました。(最近小学校では、緑モードを飛び越えて、真っ青になって退職する先生も多い感じがします。。)


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