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The Beatles アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』歌詞の訳





1.「 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 」


ちょうどはたとせ前のこの日でごじゃります、 
屁破軍曹がこれなる連に管を手解いたのでごじゃります、
爾来、これなる連は管に夢中、熱心に励んでおるのでごじゃります、 
さはあれ、皆様方に笑みを浮かべて頂けるは請け合いでごじゃります、 
さてさて、御披露目申す! 皆様既にご存知おりの演目にごじゃります! 
屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団!! 

「われらは、屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団、
皆様がわれらの芸をあ楽しみ遊ばされば、と一同思っております。 
われらは、屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団、 
御足を崩してお気楽に宵をお過ごしください、 
屁破軍曹、屁破軍曹、 
屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団でございます、われらは。」 

「こちらに居て、なんと楽しいのでしょう、 
喜びで震えます。 
皆様方は、なんとまあ、素晴らしい聴き手なので御座いましょう。 
一同、皆様を拙宅にお連れもうさればと思います、 
皆様を拙宅にお連れ出来ればなんと光栄でしょう。」 

私奴も、舞台を止めとうはごじゃりませぬ、 
然は然り乍ら、思うのでごじゃります、皆様方、 
彼の歌手が歌うのかどうかご心配ではないか知ら、 
実は、彼の歌手、皆様方がご唱和下さるのを希望してごじゃります、 
さてさて、御披露目申す! 
余人に代えられぬこの人、大剪刀の幣子!  



2. 「 With a Little Help from My Friends 」 



ビリー・シアーズが登場、口上を述べる。
「ご来場の皆様方、
わたくしめが調子を外して歌いましたなら、どうなさるでしょう、
席を立って、わたくしめをお見限りになるでしょうか? 
わたくしめ、調子を外さず歌いますように、相務めます。
どうか、ご静聴下さいませ。 」 

ビリー・シアーズ、舞台袖で独り言ちる。
「ああ、バンドの仲間たちがちょっと後押ししてくれるから、なんとか遣り果せるさ。
うん、バンドの仲間たちがちょっと後押ししてくれるから、高い声も出るさ。
うん、バンドの仲間たちが後押ししてくれるから、頑張ってみるさ。 」 

エレクトリック・ギターが朗々とファンファーレを奏でて、歌が始まる。
ビリー・シアーズ演じる主人公の少年のソロと、
バンドの仲間たち演じる友人たちの合唱。
主人公「恋人が行っちゃたら、ぼく、どうしよう。」 
合唱「ひとりになるかもって、気がかりなの?」
主人公「一日がおわると、どんな気分になるかなあ。」 
合唱「孤立無援だから、悲しいのかい?」

合唱「だれかにいて欲しいのかい?」
主人公「大切に思える人がいて欲しいんだ。」 
合唱「だれでもいいのかい?」
主人公「いや、大好きなあのひとにいて欲しいんだ。」 

合唱「もしかして、ひとめぼれを信じてるんだ?」
主人公「そうさ、絶対さ、いつもそうなるよ。」 
合唱「明りが消えたら、どうなるの?」
主人公「どうなんだろう、でも、ひとめぼれって、打ち上げ花火のようだからね。」 

ビリー・シアーズ、舞台袖で独り言ちる。
「ああ、バンドの仲間たちがちょっと後押ししてくれたから、なんとか遣り果せたね。」  



3. Norwegian wood/And your bird can sing/Lucy in the sky with diamonds  



「僕は可愛いのを捕まえたことがある、 
ああ、いや、 
可愛いのが僕を捕まえたのだった。」 

 アナタは言うのね、「望むものはなんでも手に入れた、 
 アナタの鳥は歌う」って。 
 でも、ワタシを捕まえてないわ、 
 捕まえないのね。 

「可愛いのは部屋を見せてくれた、 
中々の、 
ノルウェイから来た木造りの…、」 

 アナタは言うのね、「七つの不思議はすべてもう見た、 
 アナタの鳥は緑」って。 
 でも、ワタシを見ないのね、 
 見ようとしないのね。 

小舟に乗った自画像を君は描く、何所だろう、柑橘の樹々が沿っている 
川だ、それにマーマレード色の空。 
誰かが君を呼んでいるのだろう、君はとてもゆっくりと振り返る、 
と、万華鏡の目をした少女が。 

「可愛いのは僕に止どまって欲しいと言った、 
どこにでも留れると言った、 
そう言われて、僕は見回した、 
一脚の椅子もなかった。」 

 捕獲した宝物の数々が 
 アナタを圧しつぶし始めたら、 
 ワタシの方を見てね、 
 その辺にいるわ、すぐその辺よ。 

黄色や緑色のセロファンの花々が 
君の頭を越えて聳え立っている。 
驚いたことに、あの少女の目には太陽が入っている、忽ち、少女は行ってしまった。

「僕は絨毯に腰を降ろし、 
大人しく、 
可愛いのが出したワインを飲んだ。」 

 アナタの鳥が声変わりしたら、 
 がっかりするかしら? 
 気が付くかもね、 
 ワタシはその辺にいるつもり、すぐその辺。 

「僕たちはずっと話してた、 
そして、二時になると言った、 
「ベッドの時間。」と。」 

 アナタは言うのね、「この世の音楽はもうすべてを聴いた、 
 アナタの鳥は歌う」って。 
 でも、ワタシを聴こうとはしないわ。 
 ワタシの声は聴こえないのね。 

「朝になると、可愛いのは自分は仕事があると告げた、 
そして、笑い出した、 
僕は仕事がないと、可愛いのに言ってから、 
這って行って、風呂で寝た。」 

ルーシーは、ダイアモンドをまとい、空にいる。 

彼女について、泉のたもとの橋に降りると、 
そこでは、揺り馬人間がマシュマロのパイを食べている。 
どの馬もどの人も微笑んで迎えてくれるから、君は、 
花々の前を漂い上がる、信じられない程に高い花を越えて。 

河岸に新聞紙製のタクシーが何台も見えて来た、 
君を連れ去ろうと待機してる。 
後部座席に乗り込むと、君の頭は雲の中、忽ち、君は行ってしまった。 

ルーシーは、ダイアモンドをまとい、空にいる。 

列車に乗った自画像を君は描く、何所の駅だろう、列車は止まっている 
その駅には、プラスチシンで出来たポーターがいて、枕木は姿見だ。 
突然、回転式出札口に誰かが現れる、 
あの万華鏡の目をした少女だ。 

「目が覚めると、 
一人だった、 
鳥は飛んで行ってしまっていた。 
それだから、僕は火を点けた、 
中々の、 
ノルウェイから来た木造りの…、」 



4. 「 Getting Better 」  



たぶん、良くなっていくんだ。

僕は、ずっと、学校に恨みを抱いていたんだ、
僕を教えた教師たちは詰まらない連中だったから。 
でも、そんな僕を、君は落ち着かせてくれた、
考えを変えてくれたんだ、 
君のルールは僕を満足させてくれるんだ。 

良くなっていくのだろうと、僕だって、認める他ないさ。 
ほんの少しずつだけど、いつも前より良くなっているんだ。 
良くなっていくのだろうと、確かに、僕も思うんだ。 
君が僕の恋人になったのだから、良くなっていくんだ。 

僕は、ずっと、世間知らずの不満家だった、 
頭だけ砂に隠す駝鳥そのものだったんだ。 
でも、そんな僕に、君は言葉を掛けてくれた、 
ちゃんとわかったよ、
君は僕がわかる様に、最善を尽くしているんだね。 

僕は、ずっと、恋人に意地悪だったんだ、 
殴りつけるし、彼女が大切にしてるものを遠くにやったりしたんだ。
それが男だと思ってた、
卑劣な人間だったんだ。でも、住む世界を、僕は変えた。 
僕が出来る最善を尽くすことにしたんだ。 

良くなっていくのだろうと、僕だって、認める他ないさ。 
ほんの少しずつだけど、いつも前より良くなっているんだ。 
良くなっていくのだろうと、確かに、僕も思うんだ。 
君が僕の恋人になったのだから、良くなっていくんだ。  



5. Fixing a Hole    


私は穴を見定めている。道のそこに。雨が注ぎ込んでいる。
穴は、雨がどこに流れて行くのか、私に
心配させないでくれる。

私は割れ目を詰めている。割れ目。戸口を通り抜けている。
戸は、割れ目がどこに行っているのか、私に
考えさせないでくれる。

だけど、私が間違っているのか、正しいのか、
あまり問題ではない。
家の中では、私は安心。
家の中にいれば。

多勢が外に立っていて、
私の家には入れないと言うことに、
承服せず、納得しない。

私は壁を塗っている。私の部屋。極彩色に。
そして、私は思いをどこまでも馳せさせる、
そこに私は向かうだろう。

愚昧な人たちが走り回り、私を煩わせるけれど、
私が彼らに私の戸口を通さないわけを
私に聞きはしない。

私は係う。数々のこと。それに手間がかかる。
昨日までは、どうでもよかったことに。
それでも、私は進む。  


6. 「 She's leaving home 」  


週も半ば、すい曜日、朝の5時に、その日が始まる。 
しずかに寝室のドアを閉めると、 
思いがまるまま伝わればいいのにと思いながら、置き手紙を書いて、…  

ハンカチを握りしめた少女は階段を下りて台所へ入った。そして、 
勝手口の鍵を音を立てない様に回す、そして、 
外へ踏み出すその時、少女は軛を離れていた。 
少女は、 
家を、 
離れて行く… 
何年も恋人から離れて過ごし、とうとう、家を出て行く。 

「私たちは人生のほとんどをあの娘に割いた。私たちは人生のほとんどをあの娘に捧げた。私たちは金で購えるものは何でもあの娘に与えた。」 
「お別れ…」 

父が鼾をかいて妻が目を覚まし部屋着を羽織った。そして、 
廊下に出ると階段の最上段に手紙が伏せてあり、そして、 
ひとり立ったままそれを拾い上げる、そして、 
その場に泣き崩れて、夫に叫んだ。「貴方、私たちの娘が出て行ったわ。」 
「どうして、あの子は私たちをそんなに考えなしだと思うのかしら?」 
「どうやって、私にこんなことをして見せたのかしら?」 

少女は、 
家を、 
離れて行く… 
何年も恋人から離れて過ごし、とうとう、家を出て行く。 

「私たちは自分たちのことを考えたことはない。自分たちのことなど唯の一度も考えたことはない。爪に灯を点す様にしてどうにか暮らして来た。」 
「お別れ…」 

週も終わり、きん曜日、朝の9時に、少女は夢見る目付き。 
待ち続けている、自動車の売り買いをしていた男と 
交わした会う約束を信じ切っていたから。 

少女は、 
喜びを、 
今抱えている、 
何年も断って来た特別な喜びを心の内に抱えている、 
少女は家を離れて行く…  

「私たちがした何が間違っていたのか? 私たちがしたことが間違いだなんて分かりもしなかった。金では購えない唯一の物、それが喜びだ。」 
「お別れ…」   




7. Being for the Benefit of Mr. Kite!   



カイト氏の引退記念興行で御座いまするん。
トランポリン・ショーをご覧あれん。
最近パブロ・ファンキュ座に出ておりましたヘンダーソン一家も登上しまするん。
見物ですぞい!
スカートにフープを着けた女子やシャツの腕にガータを着けた男子が、人や馬の上を飛びますぞい。
しまいには、大樽の油の火の上をくぐり抜けるでそゆ! 
いつものように、カイト氏は己の技を世に問うのでありまそゆ! 
著名なカイト氏、
ビショップゲイトに於いて、この土曜、公演を致しまするん。 
カイト氏が輪形劇場を飛んでおりまする間、
ヘンダーソン一家は、歌って踊りまするん。遅れますなん。
K氏とH氏は請け合いまするん。 
出し物は、何にも劣りません。 
言うまでもありません、馬のヘンリーがワルツを踊りますんる。 
バンドは、六時十分前に始めまするん。 
カイト氏が演技する時は、バンドは演奏しませないです。
それから、H氏は、固い地面で、
十回もとんぼを切るでそゆ! 
何日も、練習してまいりましたですん。 
皆々様に、素晴らしい時間を請け合いでするん。 
さて、今夜のオオトリは、カイト氏でございまするん。




8. 「 Within You Without You 」  


あの時、ぼくたちは語り合って時を過ごしていたんだ、 
ぼくたちみなの隔たりのこととか、それに、真実なんかこれっぽちも含んでない 
まるで壁の様な幻想に人々が隠れるとか、でも、隠れたって遅すぎる、 
死んじゃうんだもの。 

あの時、ぼくたちは語り合って時を過ごしていたんだ、  
ぼくたちはだれでもが愛を分有している筈だとか、それで、愛を 
見つけたらしっかりと掴んでないといけないって、それは、愛が 
あれば、世界は保たれるんだもの、、、みんながそうだと分かっていれば。 

みんな、頑張って、愛はその丸ごとが自分の中にあるって、それで、 
自分を変えるのは自分だけだって、気付こうよ、 
それに、自分はほんとうに小さいって、気付こうよ、 
生命は、君の中にも注がれているし、君の外にも注がれているんだ。 

あの時、ぼくたちは語り合って時を過ごしていたんだ、 
愛が今の時代に合わなくなっているんじゃないかって、それに、今の世に 
名を馳せた人たちは心を失っているんじゃないかって、それで、 
みんなはそれを分かってない、見ようとしないんんだ、、、君も? 

自分の向こうをよくよく観察してきたなら、 
悟りを見つけるかもしれない、それで、その暁には、 
ぼくたち生き物はみんなで一つだって分かるんだ、そうだろう、 
生命は、君の中にも注がれているし、君の外にも注がれているんだ。 


 


9.  「 When I'm Sixty Four 」  


僕が年とって、髪がなくなって、 
ずっと先だよ、でもそうなっても、 
やっぱり、君は、ヴァレンタインと 
誕生日に、カードとワインを贈ってくれる気持があるかな? 

僕が後十五分で三時と言う時刻まで外出してたら、 
君は戸に鍵を掛けてしまうかな? 
僕が六十四歳になっても、君は、 
僕を必要としてくれる? 掻き立ててくれる? ふふ 

君も年を取るよ、 
ああ、約束してくれるなら、 
僕は、絶対、君と一緒にいるよ。 

君の部屋の電燈が消えちゃっても、 
僕は、上手に、ヒューズを替えられるよ、たぶんね。 
君は、たいてい炉辺でセーターを編む毎日だろうね、 
日曜の朝には、それで、遠乗り。 

庭を造って、草抜きして、 
こんなに頼める人いるかな? 
僕が六十四歳になっても、君は、 
僕を必要としてくれる? 掻き立ててくれる? 

毎年夏には、別荘を借りるのが好いね、 
ワイト島がね、高くなければだけど。 
倹約して貯めとかなければね、僕たち。 
君の膝には孫たちが載ってるんだ、 
ヴェラ、チャックにデイブだよ。 

絵葉書を送ってよね、 
一行添えてね、見解をはっきりと。 
思うことをはっきり書いてね。 
敬具、老い耄れより。年々老いる僕より。 

回答を下さい、下の空欄にチェックを入れてね、 
僕の永遠の恋人さんへ。 
僕が六十四歳になっても、君は、
僕を必要とする (  )
僕の気持を掻き立てる (     )   



10. 「 Lovely Rita 」  


( 道化の語り ) 
ほがらかリタ、メタ・メイド。 
私たちの間には、何も起こりそうにないですね、 
暗くなりましたら、「本官」はあなたの「ハート」をレッカー移動しましょう。 

( ある男の語り ) 
僕がリタを一瞥したのは、 
彼女がパーキング・メーターの側に立っている時だった、 
彼女専用の白い官製用紙に違反切符を書込む最中だった。 

制帽を被っていたので、ずっと大人っぽく見えた。 
肩から斜に掛けた鞄は、 
彼女の外見を少々軍人風にしていた。 

( 道化の語り ) 
ほがらかリタ、メタ・メイド。 
慇懃に私が伺いを立てたらどうでしょうね、 
「空いたお時間がありましたら、私とお茶でも如何かです?」って。

( ある男の語り ) 
ハートを射止めようと、僕は、彼女を呼び出した。 
ディナーの間中、朗らかに過ごせた。そして、 
どうしてもまた会いたいと、僕は、彼女に言った。 

勘定を取り上げて、リタが、支払った。 
自動車に乗せて、僕は、彼女を連れ帰った。そうしたら、 
僕の妹と一緒にソファーに座って、下の妹も加わって、…。

( 道化の語り ) 
ああ、ほがらかリタ、メタ・メイド。 
あなたがいないと、私はどこに「駐車」すればいいのか分かりませんよ、 
お空で地上の私たちに点滅して見せて下さいね、そうすれば、 
私はあなたを思い出します。   



11. 「Doctor Robert / Good morning /Happiness is a warm Gun 」


その少女は、細かな事には捉われない子だ、 
どんどん、どんどん、どんどん。 
それに、触って来る掌はベルベットの様、 
窓ガラスの蜥蜴の様だと、有名だ。 
雑踏の中のあの男、ブーツの鋲には極彩色の 
反射が見える。 
目では欺きながら、手は、何かをしようと 
忙しなく動かしている。 
男の妻の跡が残っている石鹸が一つある、 
その妻は、男が食べた後ナショナルトラストに寄贈してしまっている。 


コケコッコー 
「彼を生き返らせる術はない、夫人を呼び寄せさせよう。 
夫人に掛ける言葉もない、ただ、お子さんは如何、としか、 
それに、貴女が責任負ってすることも何もない、としか。 
私には掛ける言葉もない、でも、それで十分だ。」 
聞こえて来る: 
「おはよう、おはよう、おはようさん、さん」 


「電話しなよ、カレシ、ロバート先生に電話しなって言ってんの
昼でも夜でも、いつでもいるよ、 
ロバート先生はね。 

ロバート先生ならね、アンタはね、 
新しい人間だって、他より良い人間だってわからせてくれるよ。 
なんでもしてくれるよ、ロバート先生はね。」   

留がないと僕はずり落ちる。 
落ちてバラバラだ、それで、山の手を出たんだ。 
留がないと僕は転がり落ちる。  

ニャーオ 
「仕事に行く途中、気分が塞いでしまうのは嫌だからと、 
家の方に向いてしまう、それからぶらぶら歩いて、結局町に出てしまうだろう。 
町ではすることは何もない、と言うのは分かり切っている。 
何処も閉まっている、まるで廃墟だ。 
会う人は皆んな、半睡状態なのだから。 
だから、一人ぼっち、通りに一人で立っていると言うことになる。」  

「アンタが具合悪ければ、よくしてくれるよ、 
特別のカップで飲み物をくれるんだよ、ローバート先生はね。 
アンタが信じて良いたったひとりの人だよ、ロバート先生って。 
求めている人誰でも助けるんだけど、 
ロバーット先生ほどうまくやっている人はいないよ。」 

「ほら、ほら、ぼら、気分が晴れて来たろ、 
アンタを良くしてくれるって、ロバート先生はね。」  

女子修道院長はドンより早く、
女子修道院長はドンより早く、 
女子修道院長は飛び出した、 
女子修道院長は飛び出した。  


ワンワン 
「暫くすると、微笑みが戻る、気分が冴えてくる。 
それで、古い学校に沿って少し歩こうかと思う様になる。 
何も変わってない、学校はそのままだ。 
私は言うべき言葉もない、それで十分だ。」 
聞こえてくる: 
「おはよう、おはよう、おはようさん、さん」  


「満ち足りた心は温かい銃にある。 
満ち足り心は温かい銃にある。」 

僕が相手を両手で取り押さえた時、 
僕の指は、相手の銃の引き金を感じ取るのだ。
僕は知っている、僕を傷付けようとしない者などいないのだ。 
何故と言うのに、心の安らぎは温かい銃にあるのだから。 
満ち足りた心は温かい銃にあるのだ。 
そうなのだ。   

ヒヒーン 
「皆んなが走り回っている、すると、もう五時なのだ。 
町の中は何処も暗くなり始める。 
会う人は皆んな元気一杯だ。 
お茶と『ミートザワイフ』の時間なのだ。」   

「カレシ、国民保険サービスが効くんだよ、 
ロバート先生のとこはね、 
お金は要らないの、一人で会うだけでいいんだよ、 
ロバート先生のとこはね。 

ロバート先生ならね、アンタはね、 
新しい人間だって、他より良い人間だってわからせてくれるよ。 
なんでもしてくれるよ、ロバート先生はね。」   

ガオー 
「時間を知りたがっている人たちは、ここに私がいて喜んでいる。 
郊外を観察していると、そわそわしだす、もう、調子が良くなっているのだ。
ショーに出掛けよう、彼女も来てると良いけれどと思う。 
私は言うべき言葉もない、それで十分だ。」 
聞こえてくる: 
「おはよう、おはよう、おはようさん、さん」  


ほら、ほら、ほら、気分が晴れてくる、 
おはよう、おはよう、おはよう、 
満ち足りた心は温かい銃。   


12. 「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band. Reprise」 


「われらは、屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団、
皆様がわれらの芸をあ楽しみ遊ばされば、と一同思っております。 
一同、残念に存じますがお時間で御座います、 
屁破軍曹、屁破軍曹、 
屁破軍曹、屁破軍曹、 
屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団でございます。 
皆様方に、再度御礼申し上げまする、 
われらは、屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団、 
次第次第に終わりに近づいておりまする、 
屁破軍曹、屁破軍曹、 
屁破軍曹直伝花嫁募集連中楽団でございます。」    



13.  「 A Day in the Life 」 


僕はあの新聞記事を読んだよ、今日ね。 
待望の地位に就いたひとりの幸運な男のね。 
けれども、記事はそうではなくて、哀しいもの。 
なのにね、笑うほかなかった、 
写真を見てしまった僕はね。  

彼は知覚が消えてたんだ、車の中でね。 
認知しなかったんだよ、信号が変わっているのをね。 
随分の人が立ち止まって見ていたよ。 
皆んな彼の顔を見たことがあったんだ、前にね。 
なのにね、彼が貴族院の名士かどうかはっきりと分かる人は誰もいなかったね。 

僕は何かの映画を見たよ、今日ね。 
イギリス軍がちょうど戦争に勝った場面のね。 
随分の人が気がない素振り。 
けれども、気になってしょうがなかった、 
あの本を読んでいて僕はね。 

僕はうずうずしているよ、君を次へ連れて行きたくて、次へ、次へ、 
次へ、次へ、次へ、、、 

起きる、ベッドから落ちる、 
頭に一直線に櫛を梳く、 
階段を下りてコップに一杯飲む、 
見上げる、と、遅れていると気付く。 

コートを見つけ帽子を攫む、 
あと一秒ちょうどでバスに間に合う、 
階段を上がって一本吸う、 
某氏が喋っている、と、夢の中に。 

そう、今日、あの新聞記事を読んだよ、僕はね。 
ランカシャー州のブラックバーンの道に四千の穴があると言うのね。 
もちろん、穴は小さいに決まっているけれど、 
町の人は全部を数える必要があったのだよね。 
アルバート・ホールと同じ大きさになるのに、
その穴が何個分だか割り出していたからね。   

僕はうずうずしているよ、君を次へ連れて行きたくて、次へ、次へ、 
次へ、次へ、次へ、、、   





付: 

「 Strawberry Fields Forever 」  


おや、あたしに案内( あない )させてくださいな、 
まあ、あたしもちょうど、匍匐卿館の庭に行くところなのですよ、 
ほんと、あんなところはないですよ、 
滅相もない、お待たせすることなんか、ありゃしません、 
匍匐卿館の庭はいつでも開いているのです。 

お目を閉じて暮らされた方が良かありません、旦那さん、 
ご覧になるもの、なあにもかも、お間違えになるんですからねえ、 
きょうび、一廉の者になるのは、ますます難しくなって居りますねえ、 
でも、そんなことは解決済みってもんです、
なんたって、あたしには関わりのないことですからね。 

あたしの樹があるんですがね、きっと、誰も登っていませんよ、 
そりゃあね、他のやつには高すぎるか低すぎるかなんです、 
おや、あたしの言うことがお判り出来ない、そうですか、 
旦那さん、まあ、それでも良いでしょう、 
まあ、そういうことです。そんなに気になさることもないですよ。 

ずっと分かり切ってるのに、自分だっけ?って思う時、
ね、旦那さん、何でしょう。 はは、夢ですよ。 
あたしはね、「こりゃちがう」って判るんですよ、 
でも、「これでいいや」って思うんです、 
合わないですねえ、でも、
そういうもんです、旦那さん、ちぐはぐなんですよ。 

おや、あたしに案内( あない )させてくださいな、 
まあ、あたしもちょうど、匍匐卿館の庭に行くところなのですよ、 
ほんと、あんなところはないですよ、 
滅相もない、お待たせすることなんか、ありゃしません、 
匍匐卿館の庭はいつでも開いているのです。   



「 Penny Lane 」  


ひらけ、銅座屋横丁、見えてくる 

ほら、白衣の理髪師がひとり立っているよ、 
これまでにしたことがある「ご希望」の頭の写真を見せてるんだ、 
往き交う人は誰もが、 
立ち止まって、この理髪師に挨拶するよ。 

ほら、角には銀行家が高級スポーツカーに乗って止まっているよ、 
子供たちが彼のオープンカーの後ろで嘲っている、 
この銀行家は黄色のマッキントッシュを絶対に着ないのだもの、 
冬を呼ぶ驟雨にでも、どういうわけだろう、分からない。 

ぼくの眼にぼくの耳にある銅座屋横丁はいつも 
いつも、初夏の青い郊外独特の空の下に拡がる、 
ぼくは座るんだ。さて、ところで話しはもどって… 

ひらけ、銅座屋横丁、見えてくる  

ほら、黄色ヘルメットの消防士がひとり腰括れのコルセットを当てているよ、 
それに、ポケットには女王の肖像写真が入っている、 
この消防士は自分の消火ポンプをいつもきれいにしたがっている、 
とってもきれいなポンプなんだ。 

ぼくの眼にぼくの耳にある銅座屋横丁はいつも 
いつも夏なんだ。それで、安売りで四ペニーの 
四角のフィッシュ・フィンガー。さて、ところで話しはもどって…  

うしろだよ、ほら、バスの転回広場の真ん中の待合所、 
可愛い白衣の看護婦が11月11日のための赤いポピーをお盆に載せて売っているよ、 
彼女は劇中人物のひとりになりきったつもりなんだね、ナイチンゲールかな? 
でもやっぱり、彼女なんだ。 

ひらけ、銅座屋横丁、見えてくる   

理髪師がまた別のお客の顔を当たっているよ、 
ぼくたちお見知りの銀行家は座って調髪を待っている、 
そうしている内に、驟雨を押して 
消防士が突入してくる、なんて、どういうわけだろう、分からない。 




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