ABEJAを辞めて独立しました!

2019年6月に株式会社ABEJAを退職して、起業しました。

退職後に最初に書くnoteはこれにしようと決めていましたが、起業準備などの色々な手続きや契約などでもう3ヶ月が経ってしまいました。諸々落ち着いてきたのでこの期にnoteの更新を再開しようと思います。ちなみに「ABEJAを退職して起業します!」だと某先輩の記事とタイトルが丸かぶりするので、こういうタイトルにしました笑

ABEJAとは?

ABEJAは所謂AIベンチャーです。会社内にLabsチームと呼ばれるDeep Learning技術の研究開発グループを設置しており、組織構成そのものからDeep Learning技術を中心に置いて研究開発から社会実装を行なっている会社です。

ABEJAは「ゆたかな世界を、実装する。」というタグラインを掲げ、TechnologistとEntrepreneurの両方のマインド「Technopreneurship」を持った人になることを目指して、TechnologyだけでなくLiberal Artsも重要視する文化を持っています。

僕が新卒でABEJAに入社を決意した理由は、まさにこのビジョンの部分に強い共感を抱いたからです。

ABEJAでやっていたこと

入社から1年ほどはLabsチームに入れていただき、論文サーベイからモデルの実装・改善などを、日本有数の優秀な研究者たちから指導いただいたり、相談させていただきながら行なっていました。また、途中からは多国籍のデータサイエンティストチームに所属し、世界から集まった優秀なデータサイエンティストたちと共に、慣れない英語でコミュニケーションやディスカッションを行いながら、Deep Learning技術の社会実装に向けたPoCの開発などに携わらせていただきました。実際のお客様とのミーティングにも同席させてもらうこともあり、テクノロジーだけでなくビジネスがどういったものかということを肌で感じることができました。

なぜABEJAを辞めたのか

ABEJAに入社させていただいてから、ビジョンに沿ってテクノロジーだけでなくビジネスについても興味を持つようになりました。もともと心理学が好きだったので、組織づくりなどの話や、スタートアップの顧客との関わり方などを様々な書籍を読むようになっていきました。次第に自分で実践してみたくなりました。

やはり起業家マインドを持った技術者である「Technopreneur」になるには、本で読んだだけの知識よりも経験が必要だし、知識だけ持って実際に経験を経ていない自分に歯がゆさを感じ始めていました。会社メンバーにも過去に事業経験を積んでいる人たちが多い中、事業戦略に意見を持っていく際にいつも自分の中で「これは単に本から学んだだけの教科書のような知識だ」という後ろめたさを持っていました。

しかし、ABEJAは創業7期目で勢いに乗っているAIベンチャー企業です。メンバーも入社時より2倍近くになっており、ゼロイチをやるというよりも今後いかに1から10、10から100に成長していくかが重要になってくるフェイズに来ていました。どうしてもゼロイチを経験してみたいと思った僕は、退職することを決意して起業することにしました。起業することは本当に怖かったんですが、今怖いなら多分数年後はもっと怖いなと思って、思い切って外の世界に飛び出すことにしました。

ABEJAを退職してから

新卒でABEJAに入社できたのは本当に幸運でしたし、本当にいい経験をさせていただきました。ある役員からメンタリングをしていただいて自分の想いを整理することができましたし、また別の役員から辞めると伝えた時に引き留められながらも、最後には「応援してます」って言っていただけました。また、退社後も交流してくれるメンバーも多く、起業祝いにwashlistからたくさんの書籍をいただけました笑

もうABEJAを正式に退職してから早3ヶ月以上経っています。事実上会社の従業員ではないので僕はもうABEJAのメンバーではありませんが、今でもABEJAが掲げるビジョンやマインドには共感しています。その意味で僕はABEJAのメンバーは同じ世界を目指す仲間と思っています。

退職してからもABEJAの記事をたまに目にすることがありますが、AI時代の必須スキル「思い込む力」ABEJA岡田社長という記事をみて、やっぱり実現したい世界観は近いのかなと思っています。これからは科学的に正しいこと、実証されたことよりも、ワクワクする気持ちや面白いと言った感情がもっと重要視される未来が待っていると思います。

起業した会社で目指すこと

会社のビジョンは「魔法世界を実現する」ことです。

たびたびnoteで取り上げたことではありますが、物質的豊かさを追い求めて蔑ろにされていた精神的豊かさを求めていくようなものを作っていきたいと思っています。僕はもともとコンピュータが好きでまさに技術屋を追い求めていきました。しかし、その原点はテレビゲームでした。テクノロジーによって人々が幸せになる体験がすごく好きだったんです。いつしか僕も人をテクノロジーで幸せにできる、テクノロジーで人々の感情を動かせる人間になろうと決めていました。

中学時代の僕はテレビゲームからプログラミングを始めたので、ゲームプログラマーになるのが夢でした。しかし、大人の意見は残酷でした。「現実は甘くない」、「ゲーム開発なんかでは食っていけないよ。」だとか「好きなことを仕事にするのは辛いよ。」だとか、「仕事は苦しいものだからお金がもらえるんだよ。」と嘯くような人たちだらけでした。大人に近づくにつれ、世の中は灰色に見えて、毎日死んだ目をして電車に乗る人たちを見ているような毎日でした。今思えばあの時の心はズンと重く、未来を悲観していました。そんな中でも少しでもその”現実”に抗おうと、そう言った意見を否定するような情報をかき集めていたと思います。

ABEJAに入社した時もまだその呪いにはかかっていました。だからこそ、人工知能技術の社会実装として、僕が好きな人工知能という技術を使って、人々の役に立つものを作ろう。テクノロジーで世の中が便利になるものを作ろう。そうして感情を動かすものは趣味として細々と作っていければいいと思っていました。

そして、今やその呪いは解けつつあります。合理性だけを追い求めて閉塞してしまったこの世界は、次の世界に移行しつつあります。まさに”近代を超克して”、”世界に再び魔法がかかろう”としています。僕はそんな世界で魔法をかける一人(=魔法使い)になりたいと思いました。実は僕がABEJAのインターンシップの最終日で自分の将来の夢をプレゼンしたのが、まさにそのまま「僕がなりたいのは魔法使いです。」でした。当時は深く考えてはおらず、単に自分が心躍るワードを使っていただけでした。

ABEJAを退職して、僕は半ば諦めていたテクノロジーで人々の感情に動かすことを本気で取り組むことを決めました。巡り合わせとは不思議なもので、活動資金を稼ぐためにシステム開発を請けようとしていたところ、決まったところがなんとエンタメ施設の案件でした!こうして少しずつテクノロジーで人々の感情を動かすというミッションに向かって歩みを始めました。そうしていつか人々が物質的豊かさだけでなく精神的豊かさを得られる「魔法世界」をテクノロジーで実現していこうと思っています。

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