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本当に大切なことは忘れていても解るんだなと思った話

Tomokiです.突然気温がグッと下がって冷え込む季節がやってきた.ついこの間までは汗ばんだりしていたのに,今はガタガタと震えて上着を着込む季節だ.寒くなると起きるのも苦手になるのが僕の特性みたいで,朝は起きづらくなってしまった.春眠ならぬ秋眠暁を覚えずといったところだろうか.

最近色々と自分がやってみたいことを整理する期間に入ってきている気がする.もちろん純粋にやりたいってだけで手を出すことも多いけれど,中にはやりたいけれどやる必要があるのかだとか,具体的に何をしようか悩むこともあったりしていることもあって,明確じゃないうちは大して重要なことじゃないだろうと保留にしてきたことが多かった.

しかし,直観は理知的な考えよりも優れているようで,結局1周したり2周したりして同じ地点に帰ってくることをとても実感している.魂が望む方へ体が引っ張られているようだ.非常に心身二元論的な考えを想起をせざるを得ないくらいに世界は面白い.今日はそんな話.

魔法に憧れた科学少年

僕のルーツはどこだっただろう.きっと幼少期に父親から聞いた化学の話だ.この世は原子で全て構成されていて,元素の組み合わせで全ての物体ができているんだと聞いて,なんでもできるような感覚を覚えた気がする.

なんだって作れることがワクワクしたし,楽しかった.色んなものを作ってみたかった.その気持ちは今でも一緒だ.でも,やっぱり物理的なものを作るには施設だったり,道具だったり,材料だったり,それらを集めるための資金だったりが必要だったから,僕はプログラムにハマったんだ.

プログラムならば,コンピュータの中だけは,原資をなにひとつ必要とせずに作り出すことができる.お家も作れるし,車も作れる.街を作れるし,世界を創り出せる.そういったことに興味を持って,熱中するような子供だったような気がする.

それは魔法のようだった.異世界の言葉で書いた呪文の書がスクリーンの向こう側で自由自在に操れる.それが僕にとってのプログラムだった.そうやって世界を創りあげて,誰かを楽しませることが好きだったから,最初はきっとゲームプログラマーになろうと決めたんだった気がする.

でもどうやら画面の中だけでは物足りなかったみたいで,やっぱり現実をもっと拡張していきたいと思ったのは化学を最初に学んだからだろうか.不思議な現象を見たり作ったり体験したりさせたりすることが,僕が望んでいることなんだと思う.

結局のところ僕は子供の頃の僕を楽しませたいみたいだ

昔から自分が楽しいと思ったことは楽しませる側に回りたい性格だったような気がする.ゲームをプレイするのが面白いからゲームを作りたいと思うのは自然な発想だったし,音楽を聴くのが好きだから音楽を弾きたい・奏でたいと思ったのも自然な発想だったけれど,どうやら享受するのは好きでも供給することに興味ない人もそう少なくないのが僕にとっては意外だった.

僕は僕が嬉しかった,助かったこと,嬉しかったこと,感動したことは,自分も供給する立場になって,また他の誰かにバトンを繋いでいきたいと思う性質なのかもしれない.それは社会性とか倫理とか以前に,僕が心から純粋な気持ちでそう思ってしまうからだ.

結局のところ僕は幼い僕を楽しませるようなことをするのが,きっと僕の中で一番幸せなんだと思う.今の僕が今の僕を楽しませるわけじゃない.今この時の僕が,昔の僕を楽しませたいんだ.結局メディアアートにかえってきたり,ゲーム開発への興味を忘れられなかったり,音楽を続けようとしてしまうのも,幼い頃に聴いて心を支えられた言葉や歌を自分も作りたいと思うのも,きっと僕は幼い頃の自分のような存在を救いたいし,幸せにしてやりたいと思うからなんだと思う.

教育に興味があるのは子供の自分に対峙したいからだ

今まで僕が書いてきた「やりたいこと」と少し違った位置づけで僕は「教育」に興味を持っているのもそのせいだ.僕は社会のためだとか倫理だとかや,あるいは将来の自分に対する利のためではなく,子供の頃の自分を救ったり楽しませたいから教育に関心があるんだと気づいた.

それは手段だ.僕の本当の目的は教育ではなくて幼い自分を幸せにしてやることそれ自体だから,教育はひとつの手段に過ぎないんだ.躓いて膝に傷を負ってしまう石ころをそっと退けることはすることで,幼い頃の自分へ手を差し伸ばせるような気がするのかもしれない.あの時悩んでいた自分や,傷ついていた自分にそっと頭を撫でてあげることを僕は時を超えてしたいと願って,誰かの手助けになることに何か特別な気持ちがあるような気がしてきた.

そしてそれは過去の自分への花向けであるとともに,過去の自分を応援してくれた人,今の僕がしようとしているように,手を差し伸べてくれた人への恩返しでもあるのだと思う.僕が今こうしていられるのは,あの時幼い自分に差し伸べてくれた優しい手がいくつもあったおかげだ.その恩返しをしながら,あの時の自分に差し伸べられた優しい手の一員に自分自身がなるために,僕はこれから旅立つ誰かへの花向けをしてあげたいと思っているようだ.

やりたいことに必ず返ってくる

僕が色んな知識を知りたいのは,幼い自分に色んな知識を教えてワクワクさせたいからだ.色んなものを創れるようになりたいのは,色んなものを見せて目を輝かしてあげたいからだ.音楽を届けたいのは,あの日の僕が色んな音楽に心を支えられていたから,その一員に自分がなりたいからだ.理屈や論理では決してない,心がそう願ってしまったから,色んな論理や理屈を捏ねくり回したって,賢い生き方をしようとしたって,ここに返ってくるのは僕の心がきっと強いからだ.時空を超えてでも伝えたい想いがあるからだ.

きっと子供の頃の僕はそれをずっと待っているし,今の僕はそれができる自分にずっと期待しているんだろう.だから,僕は幼い自分に手を差し伸べるような活動をずっと続けていくことになるのだろう.

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