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■水着撮影会直前中止事件には、パニックを起こすための扇動戦略が組み込まれているのでは?

○はじめに

 お疲れ様です。あいなです。
 引き続き埼玉県で起きた『水着撮影会直前中止事件(仮)』の話をさせていただきます。

 今回は、事件以降に公式やメディアで報じられた内容の中で、行政関係についての気になった記述があるものを、時系列順にピックアップしてご紹介したいと思います。

 また、今回は『パニック』という言葉が頻出していますが、その意味は全てにおいて、『個人や集団において突発した不安や恐怖(ストレス)による混乱した心理状態、またはそれに伴う錯乱した行動(恐慌とも言う)』(Wikipedia引用)を指しています。

※検索除けのため一部の名詞等をアルファベットに変更しています。

○2023年6月8日付 K党埼玉県議会議員団公式HP

 2023年6月8日付のK党埼玉県議会議員団公式HPの記事です。
 リンク先の公式HP記事では、申し入れたときの県側のコメントも併せて記載しているので、そこを一部引用してご紹介いたします。

応対したY都市整備部長は「2日前(※引用注:6月6日と推測)にこの問題を把握した」「第一義的には、指定管理者が基準に基づいて許可する」「今、指定管理者である公園緑地協会が問題点を整理している。その状況をみて、協会と連携して検討していきたい」と話しました。

2023年6月8日付のK党埼玉県議会議員団公式HPの記事より引用

 このK党の申し入れに対応している都市整備部というのは、公園整備を担当する公園スタジアム課が置かれている部署です。
 また、公園だけではなく、県営住宅や土地区画整理事業などの土木関係を担当している部署のようです。

 そして、S公園を含むプールのある3公園等を管理している公益財団法人埼玉県公園緑地協会は、ざっくりと言えば都市整備部の管理下にある地方公営の団体です。

 個人的には、この都市整備部の動向が、今回のパニックを引き起こしたポイントのような気がしています。

○2023年6月9日付 ENCOUNT記事

 こちらはネットニュースサイトの記事で、協会側のコメントが詳しく載っているものになります。
 以下、一部引用いたします。

(略)埼玉県公園緑地協会の担当者は「水着撮影会が開催されるようになったきっかけは分からないが、水着とプールということで利用目的が合致し、夏季以外の施設の利活用という面でも妥当性があった。許可条件としては公序良俗に反しないことを定めておりました」とし、今回中止に至った経緯として「K党県議団の申し入れ以前の5月末に一般県民の方からメールで『モデルの中に18歳未満や中学生がいる』『過激なポーズを取っている』という問い合わせがあり、参加者の方の特定をしておりました。その中で、モデル本人のSNS投稿から中学生ということが判明し、撮影許可に抵触していること、主催者側にもコントロールが難しいということから、中止を検討しておりました」と明かした。

リンク先引用

 SNSを見ていると、この記事の中の『主催者側のコントロール』という言葉に引っかりを感じる人が多かったように思います。

 この『コントロール』に関しては、過激なポーズや未成年者の参加だけではなく事務所側の出演者の選定や金銭を支払って参加している側などもぜんぶ包含しての『コントロール』だと思うのですが、もう少し『コントロール』の内容をほぐしたほうが良いような気がしています。

 中止要請をした時点で、公園緑地協会の中止理由コメントの中に『主催者側のコントロール不能』が挙げられているということが、この事件の問題が複雑化している要因だと思っています。

○2023年6月9日付 よろず~記事

 ネットニュースサイトの記事です。
 S公園ではない別の公園の担当者やとばっちりを食らった水着撮影会主催者にも取材を行っています。
経緯が分かりやすい記事です。

 気になった箇所を引用させていただきます。

「F撮影会」主催社関係者は9日、よろず~ニュースの取材に対応。8日午前に公園側から電話で要請を受けたとし、「交渉を続けることもできたとは思いますが、出演者のスケジュールを保留にし続けるよりも、早々に決断をするべきと考え、承諾しました」と経緯を明かした。

(中略)

K公園も、よろず~ニュースの取材に回答。「県民からのご指摘ご意見を受けまして、総合的に判断しました。発端としましては、埼玉県緑地公園協会が管理している『S公園』でのイベントで、18歳未満のモデルを出演させているとか、成人であっても過激なポーズの撮影がされているという指摘を受けまして、それを踏まえて、SNS等出ている撮影会の様子を確認すると、やはり許可の条件としていた『公序良俗』に反する、過激なポーズや水着といった抵触するものがあったと確認できたので、総合的に勘案して決定しました」と説明した。

リンク先引用

 K公園は8日午前に電話をしていることから、K党が都市整備部に貸出禁止を申し入れした直後のタイミングだと思われます。

 コメント中の『総合的に判断』という言葉によって、『誰が誰から指示を受けたか』がぼやけているのが分かりますでしょうか?

 こういったふうに、公園と公園緑地協会と都市整備部のコメントの中には、責任の所在が明確ではない話し方がちょいちょい登場しています。
 個人的に注目している所です。

 K党が貸出禁止申し入れをした都市整備部は、さいたま市にある県庁の中にあり、川越市にあるK公園とは別の場所にあります。
 K公園の担当者が、8日午前にF撮影会主催者へ中止要請をするためには、都市整備部からの(わりと強い)指示があったと考えるのが妥当です。

 K公園で開催予定だった水着撮影会の主催者は、次の記事でも取材に応じています。
 もう少し詳しい様子が載っていますので、そちらもご紹介します。

○2023年6月9日付 デイリー新潮記事

 この事件を最初から注視し、SNSで中止を批判していた徳重龍徳氏の記事です。
 出演者側との距離が近い立場かなという印象があります。
 徳重氏は埼玉県公園緑地協会への取材も行っており、問題が分かりやすい丁寧な記事を書かれています。
 以下、気になった所を一部引用します。

ではK党埼玉県議会議員団の見解はどうなのか。デイリー新潮の取材に同団体の事務局長が答えた。

 事務局長は申し入れの経緯について「6月に入り県民から連絡を受け、こうしたイベントが県営公園で行われることを把握した」と明かす。水着撮影会が中止となったことについては「具体的にどのイベントが中止になったのか把握していない」という。

 ネット上で問題視もされている都市公園法の解釈については主催者が公開している過去の開催動画を検討させていただき、非常にわいせつなポーズやわいせつなしぐさが多数含まれていた、と判断せざるをえない。加えて未成年が参加しているという情報の2つ。都市公園法第1条の『公園の健全な発達』『公共の福祉』にもとるのではという判断をした」という。

(中略)

 一方、埼玉県公園緑地協会は、水着撮影会へのプール貸し出しを禁止した理由について次のように語った。

「6月24、25日に行われる〇〇〇〇水着祭において、6月頭に県民からメールで指摘があり、主催者の告知やネット上の過去の開催の画像を確認したところ、18歳未満の女性を出演させたことが確認できたほか、成人女性であっても過激な衣装やポーズが見受けられた。公序良俗に反するものと判断し、施設の使用を許可しないとした。ルールを守っている水着撮影会もあったが、個々での判断ではなく、水着撮影は一律お断りするとなった」

 つまり(1)成人女性であっても過激な衣装や過激なポーズをしていたこと、(2)未成年の出演が確認できたことの2点のルールを守らない水着撮影会があり、十把一絡げで全体の水着撮影会を中止にしたことになる。

 ただ埼玉県公園緑地協会の担当者に話を聞くと、(1)の過激な衣装やポーズを禁止するルールは今年1月に決まり、(2)の未成年の出演にいたっては、それまでの利用規約に禁止する項目がなく、県民からのメールを受け、6月頭に急遽決まったものだという。

 〇〇〇〇水着祭が①に抵触すると思われる画像はネット上で見つかる一方で、〇〇〇〇水着祭は6月頭には開催されていない。つまり〇〇〇〇水着祭が過去に未成年を出演させていたとしても、その時点ではルールを破ってはおらず、そこを問題視するのは後出しじゃんけん、ゴールポストを動かしていることになる。

(中略)

(6月10日にK公園で水着撮影会を開催予定だった主催者側U氏のコメント)
「同社では今年に入って追加された衣装やポーズ、未成年の出演不可のルールをきちんと順守してきた。撮影会の会場となるプールは外からは中の様子がほぼ見えず、ゾーニングもしっかりしているが「周りから見えないようにしてくれと依頼があれば、ブルーシートを張り、見えないようにしていた」という。
 
そんなUさんのもとに会場のK公園から中止の要請があったのは、水着撮影会の開催を2日後に控えた8日朝だった。

「突然、電話で中止してくれないかと連絡があり『簡単には受け入れられない。損害額を補償してくれるのか』と返しました。そこで会場側が『いったん確認します』となり、再び会場の責任者から中止要請があり、10日の撮影会の中止を決めました」

(後略)

リンク先引用

 8日朝にK公園担当者からF撮影会主催者に中止要請があり、その時は主催者側は損害賠償請求をチラつかせています。
 その時に、K公園担当者は『いったん確認します』と交渉を一時停止しています。

 K公園担当者はいったい誰に確認するのでしょうね?

○2023年6月14日付 スポニチ記事

 この記事に載っている水着撮影会は、6月6日付K党の貸出禁止申し入れSNS記事にリンクの張られていたものです。
 そのため、このイベントの中止の可否に関してはSNSにおいて注目が集まっていたと記憶しています。

 告知文の中では、『ルールに関しまして、一部の出演者のポーズについての条件及び禁止区域での撮影条件について適正でなかった事は事実であります。また、未成年者の出演に関しましては法的な問題は然り、世論を軽視して出演許可した事実に関しましての責任は重く、深く反省しております』と綴っており、ルール違反や中止措置理由に関しては事実と認めて謝罪し、中止の申し入れを受け入れるコメントを出しています。

 記事の中で気になったところを一部引用いたします。

開催会場のS公園撮影会開催ルール、許可条件に関しましてはモデルの服装、ポーズについて、撮影場所、園内でのルールが記載されており、直近では本年2月に公園管理事務所より提示されておりました。

(中略)

その他ルールに関しましては開催ごとに現地会場にて事前に公園担当者様と話し合い、運営等に関しましても協議の上進めて参りました。しかしながら本年4月29日・30日に開催された『〇〇〇〇水着祭2023』及び過去の開催においてそのルールが徹底されておらず、報道にもある通り、6月24日・25日に開催予定だったイベントにつきまして、6月8日に『S公園』側から会場使用の不可が通達された次第です

リンク先引用

 ここでも他の記事でも、主催者側からの証言では、公園担当者との関係は悪くはなかったようですので、公園側と主催者は、会場を貸す側&借りる側として友好的で適切な関係を築いていたのだと思います。

 ですが、公園側は主催者側に中止要請をしました…

 以下、この事件における個人的な疑問点を提示します。

○中止要請は誰が出したの?

 まず、『都市整備部の指示のもとで各公園は中止要請をしたよね?』という点です。

 8日午前にK党が都市整備部に貸出禁止を申し入れて、
 8日午前に各公園の担当者がイベント主催者に中止要請をしています。

 8日の午前中に、都市整備部の方針は既に決定していたということです。

 少なくともK公園は『いったん確認をする』と中止要請を中断させたタイミングで、『S公園の話はウチと関係なくないですか?』と、公園緑地協会や都市整備部へ抗議できたはずです。

 『いったん確認をする』とは、どこからどこまでの話なのでしょうか?

 8日の時点で、都市整備部と公園緑地協会の理事会は、この話をどこまで詳しく認識していたのでしょうか?

 もし公園側が、中止の指示に無抵抗に従ってしまったのならそれは問題ですし、公園側の抗議に対して誰も聞く耳を持たなかったのなら…それもまた問題だと思うのです。

 しかし素人の私の目から見ても明らかに心理的動揺を誘って自分たちの要求をのませようとしていると思えるのに、行政側では、そういうのを全く警戒していないのかな?少なくとも『3日後の無関係なイベントを急に中止させる』といったコンプライアンスに抵触するような動きを牽制する指摘などは無かったのかな?などと批判的に感じています。

○どの辺がパニック扇動だと思ってるの?

 この事件では、千葉県警の時にも同様に感じた『行政団体のパニック』が起こっていたのではないかと思っています。

 これは私が千葉県警&千葉県庁のクレーム対応部署の情報開示で感じた事ですが、悲しいことにどんな市民から届いた意見でも、全てを部長クラスが真剣に目を通すわけではないんですよね。当たり前かもしれませんが。

 まず市民からのお手紙や電話がぽつぽつ届いてそれを担当部署で共有して返答はいちばん末端の担当者から…というのが最初で、某議員連盟からの公開質問状が届き大っぴらに回答を要求されると、突然各部署がマジの雰囲気で書類を回付し始めて返答する役目を擦り付け合った後に、制作には無関係の動画チャンネルを担当している部署が書面での指示もなくノンブレーキで削除する…という集団パニックのような行動を起こしています。

 そしてそのような行動を誘発したのは『市民からのクレーム』と『政治団体からの申し入れ』であると想像しています。

(そういった『戦略?』が常態化しているのでは?という予想です。)
(ならば行政側でも対策できるのでは…?とも思います)

 整理しなければならないポイントは、『何の書類がどこに届いて、どのように共有されたのか』です。

 K党の申し入れ書だけではなく、市民からのクレームなどもそうです。

 例えば、市民からの意見を受け付けている部署は、埼玉県では『県民生活部 県民広聴課』というところのようです。

 一方で、公園緑地協会も問い合わせフォームを持っています。

 そして、都市整備部は各課の住所&電話番号を公開しています。

 また、情報や書類の他部署への共有には、上司の決裁が必要になりますので、どうしても少し時間がかかってしまいます。

 ここで、K党が事前に県に申し入れした(※電話でしょうか?)日が6月6日だったとしても、その電話を受理した部署によっては、都市整備部の部長Y氏がその情報を受け取るのは、当日の午後だったり夕方だったりする可能性もあるわけです。

 そして、K党が都市整備部に申し入れ書を提出した日は記事によると6月8日ということですが、始業時間直後の8時や9時だったりすれば、情報取集する時間は6月7日のほぼ1日のみということになってしまいます。

 Y氏の『2日前に知った』というコメントからは、少なくとも6月6日の朝イチに何もかもを全て理解していたというわけではない、そしてまる2日間ずっと対策していたという事を示してはいない…という事は想像しておきたいところなんですよね。

 不遜ながらこのY氏の立場になって一連の時系列を考えてみました。

 5月末(29-31?)に県民から県民広聴課宛に投稿(多分複数&議員関係者からもあったと思う)があって、その内容が五月雨式に週の終わりごろ(6/1-2)にかけて公園スタジアム課に回ってきて、公園担当者が週明け(6/5)目途に協会へ事実確認を求めた後に、各人に回答して問い合わせの処理が終わったその翌日(6/6)に、都市整備部宛に政治団体から申し入れが来たって流れでしょうか。

 「えっ?なにこれ?あっ前に公園宛にCCで来てたやつ?だって昨日回答して終わったやつだよね?こんな大問題になることだったの?なんでうまくやってないの?」っていうお気持ちなのではないかな…?と感じました。
 ある意味同情してしまうほどに、びっくりしたのではないでしょうか…。

 また、埼玉県知事選挙直前の県議会が開催される直前での中止申し入れは、政治的判断の少しのミスが行政への大きな批判を生むことになるでしょう。

 都市整備部や公園管理部のひとたちはパニックを起こしながらも事態の収拾に向けて動かざるを得なかった状況です。

 ヒトというものはパニックを起こすと問題からいち早く逃れようとする行動を取りがちです。
 その回避行為が強引になり過ぎて暴力的になってしまうこともあります。

 そんな行動を行政が行うのは良い事でしょうか?

 そしてその心理的な作用を読んで、クレームを入れる時期を決めるのは…
 果たして、罪なのでしょうか?

(個人的には、『参考になるなぁ』と思いました。)

○中止理由:主催者側のコントロール不能…ってどういうこと?

 これは私の個人的な印象ですが、6月10日以前のニュース記事を見ていると、都市整備部や公園緑地協会はもうなんか色々と面倒臭くなったんじゃないかと思えるような書き方だったんですよね。

 実際は『主催者側と各公園側は事前に運営に関して協議して決めていた』という証言が主催者から出ています。
 K公園とF撮影会主催者U氏とのやりとりを見ても、金銭的な補償を要求しているところから、一方的な中止要請に対してはしっかりと抵抗している様子が伺えます。

 ところが、ニュース記事を読んだ感じでは、都市整備部や公園側の言動は、イベント会場を貸し出す側としての責任ある振る舞いではなくて、良く言えば上と下で板挟みの中間管理職、悪く言えば小心者の下手な後始末だなというイメージなんです。

 『主催者側にもコントロールが難しい』というコメントは、相手との話し合いを重ねたうえで出た結論とは思えません。

 例えばですが、『できますか?』という質問に対して、『できません』という答えがあったときに、『じゃあ中止します』と結論するということは、
 結論ありきの質問であるという印象がぬぐえません。

 中止についての話し合いが、公園側と主催者側との間で不足していたことは、その後のSNSでの紛糾を見るに明らかです。

 この後始末の下手さも、問題の複雑化の原因の一つだと思っています。

○おわりに

 いかがでしょうか?
 都市整備部のパニック、それに引き摺られた公園緑地協会のパニック、それに巻き込まれた撮影会主催者たち…という構図が、なんとなくお分かりになりましたでしょうか?

 個人的には、水着がどうとか、未成年者の参加がどうとか、K党のイデオロギーがどうとかは、あまり盛り上がって欲しくはありません。

 ですが、なんでか知らないけどそっちの話題の方がSNSでは盛り上がりがちなのが、悲しい所です。

 引き続き、埼玉県の行政団体の取った行動がパニックによるものだったというところを、メディア記事や県公報記事から読み解いていきたいと思っています。

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