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とあるガイドの集まりに参加して

ど平日の昼間に行われた、とあるインバウンドガイドの集まりに参加してきた。

率直にこういう場を設けてくださった方々に感謝と参加できて良かったと思ったので、これを書き留めておきたいと思い、自宅への帰りの深夜バスの暗闇で揺られながら書くことにした。

そこで感じたこと、その1
「とにかくインバウンドガイド足りてないんだろうな…」

いわゆるガイドに対しての仕事の斡旋する側(多くの場合が旅行会社)のこのイベントへの積極的な参加をみるとそれは明らかだった。

それくらいインバウンド業界に今仕事が溢れていることは紛れもない事実だが、その一方で内情を探ると決してそう単純なものでもない気がした。

前提として「需要に対する供給が間に合っていない=ガイド不足」はたしかにあるのだが、ガイドに仕事を斡旋する側が実は頭を悩ませているのは、"売上に貢献度の高い仕事を任せられる"ガイドが足りていないのではないかという勝手な妄想をしてみた。

需要過多で仕事を選べる状況なら、より高売上(あるいは高利益)の仕事を選ぶのは企業として当然であるならば、今回のケースでは売上が高い案件のガイドを優先的に確保したいのだろう。
売上や利益が高い案件というのは、(よく知らないがなんとなく)VIPやGIT(ロンググループツアー)案件なのかと勝手に推測してみる。

そういった案件を担えるガイドが圧倒的に足りていないのではないか。

VIP対応可能なガイドが足りていない理由は、仕事を振る側(旅行会社)と受ける側(ガイド)の双方に難しさがある。
仕事を振る側からガイドに対するある一定の信頼がないと依頼しづらいが、一緒に仕事をしたことがないガイドのクオリティを測ることが容易ではないこと。
ガイドとしては、ゲストがVIPか否かの定義がないので、過去のVIP対応案件が実績として積み上げにくい点がある。同じ発注元からの案件であればある程度明確な案件のVIP度合いや評価基準があるが、それが業界として一定ではないので他で通用するとは限らない。

スルーガイド不足に関しては、、
まず、ガイドとしての能力の前に、スルーガイドとして物理的に家を離れアテンドを数週間できるだけの制約のないかどうかが最初の大きなハードルとしてある。いくら有能なガイドでも家庭の事情として家を空けることが難しければ、その時点でマッチングは不成立となってしまう。
それをクリアしてようやくそのパッケージツアーのブランドとの相性とスキルセットの見極めとなるが、スルーガイドとして求められるスキルがFITのそれと同じというわけにいかないので、結果として担い手不足になってしまっているのではないだろうか。

これに関しては、ロンググループツアーのアテンドを一人のガイドに一任するのがそもそも限界があるのではないのかと思い始めている。
スルーガイドの分業制を導入するなど、より現実的な方向へ仕事のモデル自体を変化させることもしても良いと個人的には思っている。

とにかく、今回のイベントの斡旋する側が扱っている内容で「VIP(富裕層)」や「スルーツアー」といったキーワードが多く聞かれたので、求められていることは間違いないだろう。

感じたこと、その2
「20,30代ガイドはいずこに?笑」

今回のイベントには150名?を超えるインバウンドガイドが集まったようなのだが、20-30代は一体何人いたのだろうか。
詳細は分からないが、20代は見る限りほぼゼロ。30代ももしかすると何人か程度。40代はちらほら。肌感としてはそんなイメージだった。
これは、年配者層をディスったり皮肉を言ってるつもりは一切なく、単純に同世代や自分よりも若い世代がいないことがなんだか寂しくて、その事実に危機感を感じるとともに、自分への不甲斐なさも感じたりもする。

どうしたらインバウンドガイドが若い世代にとって魅力のある仕事でなりたい職業になるのか、自分の今後のガイド人生の永遠のテーマになりつつある。

自分自身が「若い世代」と呼べなくなる前になにかしら目に見える変化をもたらせたらと。

(これを読んでる若手インバウンドガイドがいればぜひコメントでもいただけたらありがたいです)

ガイド(現場)ばかりしてないで…

コロナ禍のことを思うと、訪日外国人旅行客がたくさん来日し、仕事が沢山ある今の状況はありがたく、うれしい限りではあるが、とはいえ目の前の仕事をこなすのにいっぱいいっぱいになってしまうのは少し勿体ないような気もする。

自分の先のスケジュールの営業や自己研鑽、あるいは同業者との交流などもバランスよく入れることで、ガイドとして単価をあげて楽して(稼働日数少なくある程度)稼ぐが実現するのではないかと思ったりしている。

意味するところ、受動的に仕事を受けてしまってはガイドとしての成長は大きくは見込めない、あるいはマンネリ化して刺激的なガイド人生を送れないという危機感。
柄にも「成り上がり」とか「向上心」といったワードとは真逆の仕事への向き合い方をしてきた身として「どの口が言ってるんだ」と突っ込まれそうだが。

ちなみに拠点を三重の片田舎においていると、今回のように都内のイベントに参加したりすると「わざわざ三重からこのイベントに参加するだけのために?」と聞かれたりするが、答えはほぼYes。交通費や移動時間など惜しくもないほど個人的にはこういうイベントは価値があると思っている。
どこからどんな内容の仕事が舞い込んでくるか分からないのがフリーランスの常なので、今回のようなガイドや関係各社の集まりは貴重な場であり、積極的に参加していきたいと思った。

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