見出し画像

通訳ガイドにライドシェアの特例許可を!

コロナ終焉と共に国内旅行需要とインバウンド需要の回復が重なったことで、2023年春の繁忙期は国内の観光地はどこもタクシー不足が深刻な問題としてニュースに度々取り上げられていた。

特に、インバウンド業界で働く者として、タクシー不足が原因でインバウンド需要の取りこぼしや観光地で旅行客がタクシーを多用してしまうことでの地元民からの反感があることには危機感を感じている。
たしかに、都内や京都の観光主要都市ももちろんタクシー不足による影響は多方面にあると思うが、一方で地方に目を向けるとこの問題を対策し効果的に活用することで、逆にチャンスとして地方活性化に繋げる可能性を秘めているように思う。

とにかく政府が「観光立国」や「外貨を稼ごう」などというのなら、この問題に早急にかつ真剣に向き合って具体的な策をと切に願う。

というわけで、僕が今回訴えたい願いは以下のとおり。
もちろん、都内の問題や、観光向けではなく地域住民の足とか、言い出せばきりがないので、今回はインバウンド業界でガイドとしての立場からの主張で、ある一つの見方に過ぎないことは予めご理解いただきたい。

通訳ガイドに対して、自家用車でのガイドを許可してほしい!

タクシー会社や現役のタクシードライバーに対する不平等などは、別の議論として一旦置いておいて、現状観光客のタクシー需要に対して供給が間に合っていないことに対する具体的なアクションとして捉えてほしい。

この規制緩和をするに伴いもちろんいくつかの条件を設けることは必須である。

条件①
運転二種免許+ガイド資格

当然、タクシーと同等のサービスを提供するのであれば、自動車の二種免許、いわゆるタクシーになるために必要な免許を取ることは絶対条件となるだろう。この免許を保持することで、現役タクシードライバーと同等の運転技術や安全に対する知識を持っているということはある程度証明できる。
それに加えて、プロとして食べているガイドであることを何かしらで証明することも必要。
そこは分かりやすく、全国通訳案内士や地域限定通訳案内士などのガイド資格を持ち合わせていることも必要な条件とするべきだろう。
これは、ガイドがアテンドを目的にお客を自家用車に乗せて運転しているということを明確にする目的がある。
誰でもできてしまうという状況はさすがにリスクなのであり、安全性と信頼性を担保することがこの条件の目的である。

条件②
あくまでもツアーとしてガイドする時のみ

この特例措置が仮に認められたとき、条件①に該当する人であれば、どんなときでも使えてしまうとそれは問題である。
あくまでも業務としてのみ使用が許されているという制限をかけることで職権乱用を防ぐのはやるべきだろう。
いつ、どのガイドが、どこでツアーを行っていることはある程度把握されている状態が望ましい。

条件③
・・・あれ、3つ目すらないかも

ということで、今ぱっと思いつくとこんなものくらいしか考えつかなかった。逆に言えば、それくらいで可能だということなのかもしれない。

ここからは、今の状況にどんな問題があるのか少し書きたいと思う。

個人タクシーへ独立まで10年は妥当なのか?

観光中の足の問題を考えると、ガイドとして「自分の車でお客様を乗せて案内できたら」と考えることはよくある。
とはいえ、現行の法律では白タク行為が認められていない以上、ガイドがタクシードライバーになれば?と考えるのが自然の流れ。
ただ、そこにも非現実的なハードルがある。
タクシードライバーは必ず雇われからはじまり、10年の勤務をした後ようやく個人タクシーの開業機会が得られる。
観光目的のお客さんのアテンドするためにはある程度の自由度をもってドライブできる必要がある。ガイドがそれを得るために10年間をタクシー会社に就職して会社員として勤務するのは割に合わない。


そもそも「個人タクシーまでに10年も本当に必要なの?」というのが個人的な意見としてある。

法律で規制されている以上、違法行為はさすができないので自らが自家用車を運転してガイドすることは現状諦めるとなると、いっそのことタクシードライバーとして働きながら同時にガイドもすればと考えてみたが、そこには別の問題がある。

タクシーの運転手として働く場合、タクシー会社に雇用されることが唯一の方法で、最低でも10年働かないと個人タクシーとして独立できない決まりがあるということ。「10年とは長すぎやしないか?」そう思ってしまうのは自分だけだろうか?
寿司職人の「飯炊き3年握り8年」のノリに近しいものなのだろうが、時代錯誤も甚だしい。
個人タクシー開業までの期間が10年必要である理由があるならリアルに教えてほしい。
あまりに気になったので、先日タクシーに乗る機会があったので、実際にドライバーにリアルを聞いてみた。
「独立までに10年も掛かるのは妥当なんですか?」に対して返ってきた答えは「そうですね。道覚えるにそれぐらいは掛かってしまうものだからではないでしょうか」と。
いやいや、待てよ。
道を覚えるための10年なら、貴方のその運転席の目の前にある無数の画面は一体何を表示しているんだ!
確かに、スマホはおろかインターネットがない時代のタクシードライバーであれば、地域の道や名称など覚えていることは必須だったに違いない。
だが、令和の今はたしてその時とは同じ状況でないことは誰が見ても明白である。
いや、逆にもうひと踏ん張り頑張ってタクシードライバー側を擁護してみよう。
街の道を完璧に覚え、何も見ずに目的地へ最短距離で連れていけるスキルがタクシードライバーの優位性であり、どれだけGoogle Mapの精度が上がろうがそのスキルはタクシードライバーとしての存在意義という主張があるなら、たしかに一理ある。
…だが、それも違う。
結局、タクシードライバーはGoogle Mapをバリバリ使っているではないか。これでは弁解の余地もない。

地方へのインバウンド招致の鍵はライドシェア

すでにインバウンド業界で広く認知されているごく限られた地域(例えば、飛騨高山)以外で、インバウンドガイドとして地方で食べていくには十分な仕事がない。
そうなると、自分でツアーを作っていくようなことが求められる。
そこでネックになるのが、(主要な観光地のように観光スポットが程よい距離感にない)地方の点在する観光スポットを繋ぐ移動の問題。ガイドが運転する車にお客様を乗せて案内することができれば、地方の魅力を海外の人に知ってもらう機会は確実に増える。結果、インバウンドビジネスにより地域経済が活性化するに違いない。
地方にはまだまだ光の当たっていない魅力的な観光スポットが数多く眠っている。主要な観光地の一極集中的な観光に嫌気が差しているお客さんにとっては確実に求められているニーズだろう。
ただ、それができない。今の日本では白タク行為は認められていないからだ。

その問題とは一体何なのか?

ChatGPTに聞いて返ってきた答えを紹介しよう

日本では白タク(違法タクシー)が認められていない理由はいくつかあります。まず、合法的なタクシー業界を保護するために、特定の規制と基準を満たした車両と運転手による公共交通サービスが提供されています。白タクはこれらの規制を逃れるために登場し、公正な競争を阻害する可能性があります。また、白タクによるサービスでは安全性や品質の保証がなく、乗客の安全が脅かされる可能性があるため、法的に禁止されています。

ChatGPTより

「公正な競争を阻害する可能性」とあるが、競争が起きないくらい需要と供給のバランスが著しく崩れている現状でも同じことが言えるのだろうか?

「安全性や品質の保証がなく、乗客の安全が脅かされる可能性」とあるが、車を運転していて事故が起こる可能性で言えば、普通免許でも二種免許でも変わらないわけです。
この理屈では、自家用車で家族を乗せているときとタクシーでお客さんを載せて運転している時で事故が起きる可能性が変わると言っているようなものです。
品質の保証については、二種免許を必須条件とすれば解決する話。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?