通訳ガイドは稼げるのか?

フリーランスの「通訳ガイド」としての待遇や働き方の理想とは一体どんなものなのか?
現役でガイドとして現場に出ている身として考えてみたので、これからガイドを目指す人の参考になればと思う。

結論から言うと、通訳ガイドとしての自分なりの理想の働き方や報酬はこれくらいな気がしている。

ガイド料日当10万円 × 稼働日数年間100日
= 年収(年商)1000万円

日当について

通訳ガイドはフリーランスなので、基本的には業務委託料としてクライアントから報酬を受け取ることになる。
その中身は、日当の場合もあれば、時給、あるいはプロジェクトや複数日程でまとめていくらといった報酬もあるだろう。
どちらせよ、日当に換算し直すことで、自分が「一日働くといくら稼げるのか」分かりやすいので、今回の単位として日当を用いることにした。

ガイドとして一日の仕事にいくらのオファーなら自分は受ける価値があるのか、それを考えて算出した金額が日当10万円。
果たしてこの金額は高いのか安いのか。意見は別れるかもしれないが、個人的には理想と言える額かと思う。

日当10万円で会社員やバイトなら一体いくら?

少し分かりやすくするために見せ方を変えてみる。

月間で休みを除き20日働く会社員がいたとして、日当10万円をもらえば、月給は200万円であり、年収にすれば2400万円ということになる。かなりの高待遇だろう。
ついでに日当10万円を時給にも換算してみよう。仮に労働時間は一日8時間だとすると、時給は1万2500円。一般的なバイトの時給ではありえない金額になる。
もちろん、業務内容や責任の重さなど単純な金額の比較だけでは表せられないものもあるので、あくまでも一つの見方として捉えてほしい。

とはいえ一般的に考えてみても、普通の仕事の求人で月給200万円や時給1万2500円などほとんど聞いたこともない金額なので、金額だけを考えると日当10万円の比較対象は、お水の仕事やちょっと怪しげなコンサル、あるいは最近流行りのYouTuberの報酬の方がしっくりくる。

ここで伝えたいのは、通訳ガイドという仕事にはそれくらい夢があるものだということ。
もし、ガイドと聞いて稼げないイメージを持ってしまっているならこれを機に考え直してみてほしい。
とは言っても、これがどれくらい現実的な報酬目標なのか分からないと思うので、それにも後で触れることにする。
とにかく「たかが通訳ガイド、されど通訳ガイド」ということだけは伝えておく。

日当10万円のガイドは実際いるのか?

同業者(しかもフリーランス)の報酬など、あまりシェアしたりするものではないので、詳しくないので、憶測の域は出ないが、ほとんどいないはずだ。いたとしても、ごくごく僅かな人しかいないはずだし、なにしろガイド仕事の全ての報酬が10万円というよりは、ごく稀にある超絶高報酬な案件という位置づけの方が多いだろう。

ちなみに僕がガイドなりたての時のガイド料は日当1万5000円だった。当時の自分にとっては想像のつかないくらい現実離れした金額だった。それから努力の甲斐もあって、報酬は目標の半分を超えるような仕事を受けられるようにはなってきたが、目標はそれくらい高い壁だ。

通訳ガイドの日当の限界値

個人的な一つの持論として持っているのが、通訳ガイド単体の仕事に対する報酬で、日当10万はほぼほぼ不可能だと思っている。通訳ガイドとして求められる素養全てをパーフェクトに兼ね備えた人ならワンチャンあるのかもしれないが、自分自身には万が一にもその可能性はない。ぶっちゃけ、日当5-6万円がいいところではないかと思っている。
なので、むしろ考えるべきは「通訳ガイド×○○」であり、こっちの方がよっぽど現実的で高タイパだと思う。
日当10万円は、通訳ガイドの日当と別のスキルの組み合わせて達成するが妥当である。

稼働日数について

目標とするガイドとしての稼働日数は年間100日ほど。
先に言っておくが、この数値に積み上げの根拠はぶっちゃけない。あくまでも自分の希望的な日数に過ぎない。

そもそも日当10万円もの大金を積まれる仕事なので、年間で100日も稼働すれば十分ではというのが個人的に思うところ。

フリーランスのメリットは仕事を自由に取捨選択できるところにある。
せっかく単価が高報酬な仕事ができるようになったのなら稼働日数を下げていくことが個人的には理想。仕事はほどほどにしてプライベートを充実させたいと思う。これこそ俗に言うワークライフバランスではないだろうか。

日当10万円の仕事って実際ある?

一方で、現実的な見方をすれば、現状、日本のインバウンド業界で通訳ガイド1人に支払う報酬として日当10万円を出す仕事がどれくらいあるかと言えば、これまた推測になるが、正直ほとんどないと思う。

なので、先ほども書いた通り、通訳ガイド単体のスキルではなく他のスキルとの組み合わせの仕事を自分で作ることで、稼働日数も増やせるようになるだろう。

年収1000万円の称号

通訳ガイドという仕事がもっと広く知られ、人気のある職業になるには、シンプルに「稼げるイメージ」が世に広まる必要がある思う。

そのうえでは、「通訳ガイドになれば年収1000万円くらい稼げる」がいいイメージ戦略になるだろう。

日当10万円で年収1000万円はすぐに達成できるほど簡単なことではないかもしれないが、日当5万円でも年間200日稼働すれば1000万円には到達する。そう考えれば、実現できそうな気もしてくる。
(とは言ったものの、年間200日稼働は数字以上にかなりハードなのも事実)


まとめ

  • 日当10万円はとてつもない報酬!

  • 日当10万円は「通訳ガイド×○○」で目指そう

  • 稼働日数100日はあくまで理想

  • とりあえずまず年収1000万円を達成しよう

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