いくえみ綾『潔く柔く』全7巻

何度目かの通読。
その時々で感じ入るところは少しずつ変わり。

今回は田沢湖雨のドライブでたくさん涙がこぼれました。

少しずつエピソードが増えて行った(当初からすべて構想してのものではない)ということですが、
カンナsideと禄sideで同等のレベルでそれぞれの物語を展開できるのもすごいし、長い年月を描き、ひとつになっていく構成力も凄い。本当に凄い漫画家さんだと思います。

今回は源氏物語を連想しました。
死が真ん中にあることや、ちょっと不思議な世界。超常現象。人の心のわからなさとか。
源氏物語を讃える人はこういう気持ちかと思ったり。
どこからでも読めるし何度も読める。
初出は2004年とのこと、長い間繰り返し読み続けています。

いままで感じなかった部分でいうと、
オフィスの場面でのものの多さや汚さにゼロ年代を感じました。
2011年以降は、もっとスッキリが主流じゃないでしょうか。

時代を感じました。

21時打ち合わせとか、高校生と社会人の恋愛、なんかも。
不適切にもほどがある!じゃないけど、腹ボテとか乳くさいという表現も今はもうないかな。

とはいえいくえみ綾さんはいまも第一線で活躍する漫画家さんで、いまっぽい人気作品を次々出していらっしゃいます。

ローズ・ロージー〜の次巻が待ち遠しいです。

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