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白昼夢

日記を書いたり、気持ちを整理したり、
過去を眠りにつかせる時間がなくなってしまった。
忙しいという言い訳をし過ぎたせいか、
心が置いて行かれてしまい、迷子になってしまう。

眠れない、眠らない夜に。
そして、僕が迎えに行く朝が来るまでに。
今一度、過去に戻りたい。

小学5.6年 担任による陰湿な虐めに遭う。

中1  不登校になる。
中2  ドクターショッピングをする。
中3  精神科に入院する。

高校 通信制高校を卒業する。
   2年間引きこもりをする。
大学 辞めたいと言いながら、休学をせずに通っている。

文字起こしをするまでもない、くだらない過去だ。
まるで、生きた証も、死ぬ意味も見つからない
そんな人生だった。
誰かにラブレターも遺書も残す余裕もなく、
さよならもありがとうもごめんなさいも言い残して
いつかこの世界から静かに何の気配も無く、
消えてしまえる日が来るのだろうか。

もっと、過去に戻りたい。

生まれる前 いわゆる、空の雲の上で、これから生まれてくる母を探していた。僕は、生まれる気なんて全く無くて、ピーナツに出てくるライナスみたいに、ブランケット片手に指しゃぶりして、生まれることを拒否し続けた。白黒のブラウン管テレビみたいな画面で母を探した。酸素と栄養の支給方法については、割愛する。
 馬鹿みたいだけど、お腹の中の赤ちゃんをエコーで見るみたいに、赤ちゃんも母を見るのだ。生まれることを拒否し続けることに痺れを切らした神様みたいな人が、アレなんかいいんじゃない?なんて、どうしても訳ありの空き物件に入ってもらいたい大家みたいに悪魔のような囁きをしてきた。
 雲の上から、ほんの少しの興味本位で覗き込んだ。どの母をオススメされたのか、不覚にも気になってしまったのだ。覗き込んだと同時に、悪魔のような神様は、僕を突き落とした。一瞬の出来事だった。たぶん、交通事故で死ぬ時もこんな感じなんだろうなって思ってしまうくらい一瞬で、母のところへ突き落とされてしまった。

妊娠・分娩期 生まれる前の日の深夜。羊水が生暖かかった。すっかり冷め切ったお風呂に入っている様な、生暖かいと言うより生ぬるい羊水に包まれ、不快だった。僕は、イラついていた。生まれてから本気でキレたことが少ない僕が、もしかしたら人生で一番頭に来ていた瞬間かもしれない。卵膜を力任せに蹴り飛ばし過ぎたせいか、低気圧に影響されたせいか、前期破水させてしまった。
 産道を通る時のことも覚えている。暗いと言うより真っ暗な、螺旋階段を登るか、頭から降りてくる様なそんな感覚。回旋も上手くいって、排臨発露は、まるで海で波打ち際に浮き輪を浮かべて、波に押されて陸地に辿り着きそうなのに、引き波に引き戻される様な感覚だ。
 助産師が次の陣痛で生まれますよ。と言う。僕は意地でもさっきの陣痛のいきみで外界に出たかったのが、正直なところだったが仕方ない。そんなくだらないことを考えながら生まれてきた様に思う。僕の脚力が良かったおかげか、初産にして経産並みの所要時間で外界に出ることができた。その後のことは、あまり覚えていない。覚えていても思い出したくもないことがあまりにも多いので割愛する。

0歳 離乳食を拒否する。機械的刺激で眠る。夜泣きで受診するが、病院の消毒の香りに安心して眠りにつく。

1.2.3歳 成長曲線を逸脱する。発達相談に行く。
4歳 保育所の入所資格がない為、いわゆる、母子で参加する療育の様に子育てサークルを転々とする。

年中・年長 分離不安の為、幼稚園不登園となる。
児相に行く。

小学 普通級に通う。
そして、小学5.6年 担任による陰湿な虐めに至る。

 やっぱり、どこまで戻ったところで、くだらない人生だ。でも、もうすぐ僕の部屋に太陽が来る。

過去を眠りにつかせて、
未来は部屋に来ないから僕が迎えに行かなくちゃ。

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