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竹内誠さんと白井敬尚さんのタイポグラフィ講座に参加したメモ

先日 7 月 21 日(土)に
卒業した学校でのタイポグラフィサークルで
下記の3名の講座を受けることができたのでまとめました。

竹内 誠さん
白井 敬尚さん
溝口 呑空さん

溝口さんの回は残念ながら、用事で退席したのですが、
生で筆を持って書くとすらすら書いていてすごかったです。

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竹内誠さん

「ターミナル駅サインの現場」
http://www.takeuchidesign.co.jp/

もともとは終着駅の意味が、相互で複雑な駅のことになっている
大きな駅=ターミナル駅
今回の議題:渋谷駅、新宿駅

・東京駅
トイレだけはわかりやすく
京葉線と新幹線が二種類

・品川駅
エキュート:商業施設と駅の案内図が別々
グランスタ:商業と駅情報が同列

・大阪駅
中央線ではない、の貼り紙が4枚
情報が黒に白字のみ
情報をすべて読まなければ理解できないデザイン
理解できない=わからない駅になる

・阪急梅田駅
上下で駅と商業施設にヒエラルキーをつけている

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・東急渋谷駅
安藤忠雄さんが設計したサイン
直感的にぱっとわかるために、壁に色面を塗っている、遠くからもわかる
周辺情報もパネルにおさめている
サインが飛び出さない設計である
上下の壁と床と天井の線のおさまりを設計している
こだわりによる「ちょっとした気持ち良さ」がある
この設計をするためには、
床のタイルだったり照明の設計、パネルの設置スケジュール
作業者との話し合いを何百ヶ所も行なって調整しなければならない

・JR渋谷駅
貼り紙だらけになっていた
関係者で問題点を洗い出し
どのように解決していくかを検討していかないといけない

駅では夜間のみしか作業ができない

・地下鉄のサインシステム
シンボルマークと路線名の関係
主要な情報を歩きながらとまることなく確認できる
立ち止まって地図を見ることで誘導する

・営団地下鉄
入り口は緑、出口は黄色にしていた

・東京メトロ
コーポレートカラー、路線シンボルがついている
ほぼ全国に路線シンボルがつきはじめている

出口=黄色にしている
黄色になった理由とは何か?不明
JRや空港では出口が黄色になっていた
わかりやすくしたい意図があり、一番使いやすい色の黄色にしていた
マニュアルではないけれど、経験に沿ったデザインになっている

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<新宿ターミナルサインの問題点>
東京都、小田急、メトロと敷地があり、それぞれ違う管理者
移動しながら情報を得ることが困難

・色彩
同じ昨日サインだと認識しづらいため、
統一感のある外観位するなどの改善が必要
(面が白に黒文字だったり黒に白文字だったり)

・レイアウト
情報の見落としを防ぐため、
表示面のレイアウトに規則性を持たせるなどの改善が必要
(例:矢印が違う)

・旧
左右に商業出口と鉄道情報をのせていた

・最新
商業施設が上に、下に鉄道の情報

 簡略化、見える化
複雑なものを体系づけることが必要

 左右に近い遠い
    近い← →遠い
直進支持:結節空間と名称
左指示:結節空間と名称
右指示:結節空間と名称

結節空間がわかるのか?
最初にみたときにわかるのか?
理屈と実際の利用者の直感的な情報取捨に落差がある

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・横浜駅 良い評価
3本のコンコースが明確にしている
すべて共通のピクトグラムを使用
マップを大きく設置する場所を設けている

情報量が増えすぎてしまうと読みにくいところもある

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・羽田駅
アイコンと一緒に人のピクトグラムの情報を追加している
後からつけたものでわかりやすくなった!と認識してしますが
よく全体をみると「わかりにくくなっている」

・仮設
仮設でもわかりやすいサインがある

・東京駅 丸の内
出口黄色、出口を優先度高くしている
路線情報のシンボルと路線名称

違和感が少なくわかりやすいのではないか?

しかし、出口情報においては、黄色の盤面に複雑化していく
すべての出口を表示することができない
まず、地図で出口の方面を覚えなくては出口がわからない
出口の方面をしっかりと明記することはわかりやすさになるのでは

マップは、縮尺を変えて、二つ設置
二つ並べている場合、両方の地図を見比べなくてはわからない

・秋葉原
駅名の表札
駅名、シンボルとナンバリングがついている
山手線の山だったり23区の区などが明記している
(しかし伝わっていないのでは?)

・品川駅 京浜急行線
床に羽田空港など全体に路線を敷き詰めているが
情報が多すぎてわかりにくくなっている

・川崎駅
ピクトが小さい
文字とピクトの隣接のしかたがおかしい
ピクトが前と後ろ、そのルールを変えようとしているがわかりにくくなる
今までのルールをうまくつかって設計したほうがいいことがある

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複雑なビデオデッキなどをあけて、
理解できる人とは何を認識しているのか?

電源やディスプレイの基盤がどこにあるのか、わかる
空間を頭の中で整理することができている

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・JR 大阪駅
上:出口情報と商業施設
下:鉄道情報

鉄道と出口情報は明確に分類しておく
変化の多い商業施設は小さい中にいれた
商業施設でも分類をして整理した

・岡山駅
・新宿駅バスタ
似たようなデザインになってきた

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・渋谷 新規
ハチ公前など、結節広場というものがある
地下エリアでは、直接の出口番号

余白をつけたデザインにより、
案内表記がわかりやすくなるかどうかを実証実験している

▼実験

メトロの四角い枠をとり、円形のみにした場合はどうか?

立体の構内図に関して、
地上の情報を追加することで位置関係を伝えると方向感覚がわかる
郊外図や平面図を一緒にしたらどうか?

地図に地上空間や駅の断面図を配置するのはどうか
何階に何があるのかどうか?広場は何階か?
関係性の手がかりを明記したマップ

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・マップのデザイン
必要ではない情報を配置したり、広告を掲載したりしている
しかしメンテナンスにはお金がかかる=広告費でまかなう

渋谷は黒いマップに挑戦している
エリアマネジメントというものをつくり情報を精査している
文字サイズとコントラストはどうか
新宿がみやすいかもしれない?になったらしい

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まとめ

・一時的な要求が全体空間をだめにする
一時的情報と恒久的に出す情報を区別する仕組み

・経済的視点んが公共性を凌駕する
公共目線を重視する強い意志と啓蒙努力が必要

・区間把握ができていない環境こそがわかりにくい
サインがない空間、空間そのものが「見える」空間を提唱する

・多くの情報は誰もが必要とする情報ではない
情報を瞬時に取捨選択できる状況が必要

・サインの効果が理解されない
サインの効果を数値で実証する必要

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Q:仮設サインと本設サインの違いとは?

仮設=サイン中心

仮設ではあった囲いがなくなる
本設では何ヶ月に一変、エレベーターがないなどが起こる
だからこそ、大きなサインにしている

本設=サインだけではない

本設ではつけられない、サイン理論だけではなく、
お店の見せ方や通路からどのようにデザインを行うか

建築家はピュアなわかりやすい空間と考え設計している
空間にあったサインにしてほしい
目立たないサインにしてほしい
なぜならわかりやすい空間をつくったはずだから、となる

実証の理論が難しい
建築家に予算を通さないといけない
複雑な関係性がある

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Q:世代や言語の違いに関して、理解の度合い

おそらく仮設では、まず若い人は文字を読もうとしない
瞬時に情報を読み取る力がある
色や形から情報を読み取れている

しかし高齢者は文字を認識しないとわからない

アメリカでは記号よりも文字で明記している
アルファベットを読み解く力がある

ピクトグラムがわかりやすいのか?
意味がわかるものはある、識別記号としてみている
ピクトグラムだけに頼っていない
情報を切ったりするきっかけになる記号としてサインにも流用している

図記号に頼るだけ、ではない
適材適所に使用する

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Q:サイン文字はゴシック?

疑問視しているが国交相でのガイドラインによると
日本語はゴシック文字を使うこと
JISピクトを使用すること
と定めているが

明朝でもわかりやすいものがある
わかりやすい実証実験を行えていないと感じる

FONT:4550
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF4550

明朝体でもわかりやすいもの
デザイナーの自由度を奪わない検証

今までは新ゴだったが、
これから新しくUD新ゴを使う
懐を広くした書体

しかしゴシックは明朝に比べて抑揚がない

書体に関して、人が感じる印象が変わる

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白井 敬尚さん


http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000709
https://www.amazon.co.jp/dp/4887523955

「タイポグラフィトゥデイ」
ヘルムート・シュミット 1981年
をみてこれで生きていくと思った
ビジュアルと活字が紙面にどのように載せるのか魅力

ポカリスエットの初期デザイン
ファイブミニ
マキアージュ
などのロゴタイプを行なった

日本タイポグラフィ年鑑 1985年
ヘルムート・シュミット

タイトルにおいて、japanの「 j 」の点だけで日本をビジュアル化した
全体をふらっとで見せる
濃度の濃い、薄いがないように
スペーシングは、細い書体と太い書体で変わる

級でやるのかポイントでやるか

グリッドから、アイ番号はあえて外す
視覚的にどのように見せるかのガイドライン
2重グリッド

図版をみせるための重要性
図版を見せるためのホワイトスペース

ライナーノーツ

・罫線の太さ
・写真の濃度
コンピューターではわからない、
印刷した時のコントラストを見るようにする。

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ダダ・シュルレアリスム
清原悦志

当時だれもやっていない(他だと杉浦康平くらい)

70年代は、清原悦志か杉浦康平

繆森吸血妖備考
「本は両手で持つから?」
いろいろな解釈がある

1970年はブックデザイナーの実験的な時期

アイデア364
2014年
清原悦志・北園克衛の特集

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・書物と活字
白井 敬尚
1997年

ローマン体の興味
コンサバティブなタイポグラフィのありかた
を感じていた時の仕事

・書籍製作者のための文字
ヤン・チヒョルト 1952

center揃え
オーソドックス
イニシャルで大きくする
階層によるイニシャルのサイズを変更する

ブックフォーマット

・ウィリアム・モリス
自分たちの手でつくろう!から、
ブックフォーマットを提示した。
余白の比率の定則を制作した。

どうやったらうまくいくのか?共通項を提示した。

1.2
1 1.44
1.7
の余白比率

・エドワード・ジョンストン
ブックフォーマットの数値化を行なった
カリグラフィ

・ヤン・チヒョルト
ブックフォーマットの幾何形態
誰もが綺麗に作れる
ブックプロポーションをつくった

しかし、実はそのプロポーション通りではない

プロポーションは基準値である、ということだった

活字サイズ、行幅、それらを変換する
英語を日本語にした場合、そのままいれていいのか?
日本語とは違う

こうやって作っていく中で、ここも気にしないといけないよね
という視点、そこがわかるようになった

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編集者みたいだよね、と言われるが、
視覚的な編集をしている。

デザインは視覚的な編集だと思う。
編集がないデザインとは、
タイポグラフィにおいては、ほとんどありえない。

構造を使って、表現をどうやって?検討する。

ブックフォーマットの中に、グリッドシステムを制作する。

活字サイズと行送りのもっともベースの部分で制作している

一度覚えると、すごく楽になる(らしい、けどめっちゃ複雑に見える)。

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図:ポスター オリエント急行
(メモ:ノーマ・ラツマッジ)
動的なコンポジションをしていた。

視覚言語
目で読む
ビジュアルとして使った

ブックタイポグラフィにおいては、
グラフィックギャラリーの訴求に向けた

トランジット:チヒョルトの作った書体

構造そのもの、に統一して
ポスターから図録の表紙につかった

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グリッド

誌面をレイアウトするときに、
3mm方眼を作れば誰でもつくれる

グリッドとは、固有の何かのための構造

構造ができていれば、展開できる、デザインで、
中身が重要。外見はなんでもはめていけば良い。

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・横尾忠則
横尾さんは、毎日9時、18時にアトリエに通って仕事した

横尾さんの図版を作ったとき
どこに何を入れるのか?を行なった
方針だけを聞いて、配置する位置や図版の代償は任せてもらった

原寸で出力して目で見て確認をする

全体を原寸で見渡すことができない

本は原寸

最初から何案もつくらない
一番いいものだけを出す
一つに集中して制作する

本を開いたときに
驚いて欲しい、発見をしてほしい
しかし、おもしろければいい、ではない

横尾さんの僕の本は売れるから大丈夫
ということで、展示のタイミングには発売せず、
修正に対応するために半年後に出版した。

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美術館・図書館のブックポスターデザイン

書体
フェリチアーノ
ローマ大文字
イタリア1463年

ハーフダイヤモンド インデンション
→そのときの時期のもので、その組版を使用した

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・宇野さんとの仕事
宇野亜喜良

子供の本の海で泳いで
今江祥智
→制作して2年後に今江さんが亡くなった

不滅の少女
イヴ業書

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組版造形の展示

組版と造形を合わせた

人に見てもらってもいいかなとおもったものが
組版だった

ポスターを冊子で販売した

必ず誰かの影響を受けてデザインをしてきた。
だからその影響を受けたものを含めて展示した。



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