早く起きた朝

水色の分厚いカーテンを開けたまま眠ったから、朝日で6時ごろに目が覚めてしまった。
最近、昼はずいぶんと暑くて、でも夜は半袖では少し寒い、良い季節。

1月ごろから彼氏ができて、ほとんどを彼氏と過ごす日々が続いている。
彼氏は10万円もする家に住んでいたので、「固定費が高いのはもったいない!」「ほとんど私の家にいるのだから、早く引き払いなよ!」と言い続けたところ、6月ごろから本格的に私の家に来てくれるようだ。

一人暮らしを始めて2年。人と暮らすのは4年ぶりだ。

思えば、いつも誰かと暮らしていた。
実家はもちろん、実家を出たくて作った15歳上の彼氏の家。
同じく実家を出たくて作った3つ上の彼氏の家。

はじめて、私の家で誰かと暮らす。
私だけのものだったものが、誰かとシェアするようになるのは、不思議な感覚だ。

先週、彼の服を大きなキャリーケースに入れて、私の部屋に運んで来たら、思ったよりも多く、収納場所に困り、大きなつっぱり棒を買った。

つっぱり棒が落ちることがかなり嫌なので、「突っ張り棒落ちない君」というド直球なネーミングのものも一緒に買ってきて、二人でつけた。

わくわくで服をかけたところ、ものの5分で落ちた。
2人で顔を見合わせ、笑った。
押入を開けては、「しゅん」とする遊びをして、Amazonに返品をお願いした。

つっぱり棒のことを良く知らずに買ってしまったと反省し、つっぱり棒について調べ、どうやらジャッキ式というものがいいらしい、というところまでたどり着いた。
押入の壁が薄すぎて押入がどんどん広がって8畳くらいになっちゃうんじゃないかと思ったけど、(なったらなったでうれしいが)新しいジャッキ式つっぱり棒は良い感じだ。

彼氏ができるたび、「この人とずっと一緒にいることができるだろうか」と考える。
「結婚」という二文字を出すと、男の子がビビるのも知っている。
それでも、おじいちゃん、おばあちゃんになって一緒に暮らすことができるのか、タイムマシンに乗って確認したくなる。

この前、大学の友達と集まって飲んだのだけど、みんなは大人になっていて、落ち着いたように思った。
仲が良かったころとはだいぶ変わっていて、わたしたち、本当に仲がよかったっけ?と思うくらい。
4年でこんなにも人が変わるなら、10年後なんて、もう全く別の人なんじゃないかと思う。

友達ですらそうなるのに、もっと長いこといることになる恋人はどうなんだろうか。
しばらく会っていなかった子供が大きくなっているのを見て、驚く感覚。
やはり定期的に会っていないと、同じ人とは思えなくて、苦しくなる。
勝手に友達が減ったように感じて、苦しくなる。自分も、周りも流動的に変わっていっているのだから、立つ場所も変わっているのだ。
というか、そもそも私が嫌われていた可能性だってある。悲しいね

私も彼も、きっと変わっていく。10年後、一緒につっぱり棒を落としたら、どちらかが舌打ちするかもしれない。
煙草をやめているかもしれない。
お酒が飲めなくなっているかもしれない。
匂いが受け付けなくなるかもしれない。
ベッドの対角線に沿って斜めに寝るところは、変わらないかもしれない。
それでも、一緒にいたいとおもえるだろうか。

わからないけど、今は楽しい。



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