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YOASOBI出来ない男のマインドマップ【後編】群青の夜に駆ける、桃色の夢をなぞって

YOASOBIへの注目度が日に日に加速していく現状は、個人的にはとても嬉しく、また少しだけ寂しくもありますが、やはり各個人それぞれが自らの意思選択でコンテンツを視聴できるようになった今の時代において、良いものが良いと正しく評価される健全な世の中になってきている事を実感しています。

私の場合は、元々応援していたシンガーソングライターの幾田りらさんからYOASOBIを知ったので、それまではコンポーザーのAyaseさんの事をあまり存じなかったのですが、以前からAyaseさんに注目していた方々にとっては伝説のプロローグがあったようです。

 

Ayaseさんは元々ボカロPという属性もあり、YOASOBIのデビュー当初も人物像は基本的に明かされていませんでしたが、徐々に注目されて需要が増えたタイミングで、メディアのインタビューに対し堂々と受け答えする姿を拝見して、とても好感を持った次第です。ましてやMVでもメンバーご自身は一度も出演していないだけに、よくあるディレクションとして「素性はしばらく謎のまま」で行くという選択肢もあったかと思いますが、そこで変に勿体振らないところも実に聡明で、音楽のみならずラジオ番組などのパーソナリティーの適性もある頼もしい好青年です。

ボーカルのikuraさんは、以前の記事にて思う存分に紹介した通りです。近頃はどんどん有名になっていって、その魅力をこれ以上伝える必要もないのですが、今後も「ぷらそにか」メンバーをはじめ未来ある若いシンガーソングライター達の希望の光になって欲しいと願っています。

そして何と言ってもYOASOBIのブレイクの最も大きなきっかけとなった『夜に駆ける』MVの作者、イラストレーターの藍にいなさんの功績をお伝えしない訳にはいきません。

この『夜に駆ける』のアニメーションは、ほぼ全てのシーンが緑色系と桃色系のみで描かれています。藍にいなさんというお名前と関係が有るかは分かりませんが、藍染めは染め方の塩梅で青や藍色のみならず淡い緑から濃い紫まで幅広い彩りの変化があり、このMVにおいても、光と影、瞳の色、ヒラヒラと舞う蝶の群れに至るまで、様々なトーンの緑色の使い分けによって表されています。

また、もう一つの色味である強く鮮やかな桃色は、後の1stアルバム『THE BOOK』や『夜に駆ける YOASOBI小説集』、そしてNHK紅白歌合戦やCDTVライブ、先日の配信ライブの演出でもふんだんに使われ、YOASOBIを最も象徴するカラーとして使われている印象です。

  

YOASOBIは元々「小説を音楽にするユニット」というコンセプトから始まりました。『夜に駆ける』の楽曲の元になった星野舞夜さんの小説『タナトスの誘惑』は、タイトルが示す通り「死への願望」がテーマとなっていますが、Ayaseさんが描くメロディと歌詞の繊細な心理描写、ikuraさんの類い稀な歌唱力と表現力、そして藍にいなさんが手掛けたアニメーションの刹那的な世界観と独特な色彩感覚、その全ての相乗効果によって見る者を魅き付ける珠玉の映像作品になったのだと思います。この『夜に駆ける』MVは現在1億7千万回再生、リリースから1年以上を経て今なお愛され続ける楽曲になっています。

 

そして、2月26日22時にアップされた動画「YOASOBI - 群青 / THE FIRST TAKE」は、なんと僅か1日で約500万回再生を記録。今回はYOASOBIのお二人とバンドメンバー、コーラスメンバーも揃い、ぷらそにか古参の私としても非常に感慨深いものがあり、ikuraさんの全身全霊を懸けた歌声に、思わず固唾を呑んで見入ってしまいました。

 
全てを賭けて描く
自分にしか出せない色で
朝も夜も走り続け
見つけ出した青い光 
 
好きなものと向き合うこと
今だって怖いことだけど
もう今はあの日の透明な僕じゃない
ありのままの
かけがえの無い僕だ 
 
(YOASOBI「群青」より)

  

先日の2月13日に、東北地方を中心とした大きな地震がありました。自分で情報を集めた限りでは今回は大きな災害にはならなかったという認識でいたため、作成中の記事を書き進めて30分後に投稿したところ、少なくとも私のタイムライン上では、地震に関する皆さんの切実な「つぶやき」の中に、一つだけ地震と関係ない私の記事が割り込んでいるような形になり、非常に場違いなタイミングだったと反省するばかりです。

もちろん皆さんがそれぞれフォローしているユーザーさんによってもタイムラインの流れが変わりますので、私のnote画面と同じように見えている訳ではないことは承知していますが、それでも場を弁えない事をしてしまった罪悪感から気が動転してしまい、投稿したばかりの記事を慌てて下書きに戻そうとしました。

しかし焦れば焦るほど操作がわからなくなり、思うように行きません。そしてようやく「下書きに戻す」を見つけて急いでタップしようとした瞬間、記事を読んでくれた方から最初の「スキのおしらせ」が届きました。その後も皆さんから「スキ」を頂き、コメントを頂き、勝手ながら皆さんに許されたような気がして、とても救われた気持ちになりました。

もし「スキのおしらせ」の通知があと1秒ずれていたら、私の性格上、間違いなく自分の記事を抹消していました。ただでさえ半月振りの投稿がこういった形で妨げられるという事は、つまり初めから縁が無かったのだ、と悪い方向に考えてしまう癖があるからです。

せっかく皆さんから頂いたご好意を無駄にしないために、これからも自分にしか出せない色で、楽しく書いて行こうと思います。今回はYOASOBIの素敵な歌に引っ張られて真面目モードになってしまってすみません。またいつもの不甲斐ない私に戻りますので、今回はどうかお許し下さい。

 

最後に、お気に入りの曲を紹介して終わります。お読み頂きありがとうございました。



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