私のおいしい記憶

あけましておめでとうございます。
Aircraft Designの飛澤茜です。
今年の第一回目の記事はデザインのお話ではなく、インターネットでたまたま出会った素敵な言葉に感化され、私も自分の中に漂っている感情や情景を言葉にしてみようと思いました。

キッコーマンのコーポレートスローガン『おいしい記憶をつくりたい』

『おいしい記憶をつくりたい
これはキッコーマンのコーポレートスローガン。
このスローガンを元にエッセーコンテストが主催/読売新聞社、中央公論新社にて行われておりました。そして公式サイトにて受賞者の方の作品が読めるのですが、これが幅広い年齢層の方が受賞されており、その人それぞれのおいしい記憶がエッセーとして投稿されておりました。

こちらリンクを貼っておきます。

そして、作品を読んだ後に私の中での「おいしい記憶」ってなんだろう?と
思ったので今日のnoteでは私の中の「おいしい記憶」をエッセーにして綴ってみようと思います。

私のおいしい記憶

私のおいしい記憶。。一体なんだろう?最近食べたものでは何が美味しかっただろうか?自分で釣った魚は特別美味しかったけど、それは最近だから覚えている記憶で、しっかり脳に記憶として刻まれている私のおいしいと感じた食べ物は何だろう?
そこでふわっと最初に浮かんできたのは、ばあちゃんの手料理だ。私のじいちゃんとばあちゃんはお水のとてもおいしい岩手の山に住んでいる。山といっても三陸海岸沿いの山際で、実にいいとこ取りな立地なのだ。

岩手で私が味わったおいしいものの一つに、山菜がある。山菜の美味しさを教えてくれたのは、ばーちゃんだ。その所為で、フランスに住んでいる今でも春になるとこの野草は食べられるかな?など考えてしまう。そう。ワラビなどは私の一番の好物だ。ばーちゃんの特製三杯酢味噌で食べるおひたしが世界で一番おいしい。そして、もちろん海辺の街なので海産物もとてもおいしい、夏は雲丹がとろける旨さだし、冬はいくらが最高だ。そうでなくても魚類はいつも新鮮で東京にいる時には味わえないおいしいものばかりだ。イカソーメンというと乾物の方を思い浮かべるのだけど、岩手のイカ刺しはソーメン状に細く切って食べる。それがまた最高な一品だ。

でも、私の記憶に強烈に残っているのはそれらの自然からの恵みではない。
今でも私の記憶に残っているおいしいもの。それはばーちゃんのお味噌汁だ。毎朝早起きして、ばーちゃんはみんなの朝ごはんを作って待っていてくれる。どんなに私が寝坊しても、「なぁーにいづまでも寝ででがらに」などと、たしなめつつも笑顔で朝ごはんを出してくれる。そこに必ず出てくるのはお味噌汁だ。なぜだかわからないけどばーちゃんのお味噌汁はいつ飲んでも本当に美味しい。幼心にも千葉で食べるお母さんのお味噌汁とはまた違って美味しいなあなんて思っていた。

そして、その美味しさはいつになっても変わっていない。

最後に飲んだばーちゃんのお味噌汁は、去年の5月。じいちゃんの米寿のお祝いで珍しく親族全員で集まった時に岩手に帰った時だ。
ばーちゃんは今年もう86歳になってすっかり腰も痛くなってしまい、よく布団で寝ているらしい。そんなばーちゃんに負担はかけたくなく、いいよ私やるから心配しないで。と言っても「なーに味噌汁なら作ってけれっから」と言って作ってくれたお味噌汁だ。ばあちゃんお得意のじゃがいもとインゲンが入ったお味噌汁。鍋に入ってるから温めて食べるんだよと言われて自分で温め、よそった。そして、ゆっくりお味噌汁の湯気越しに、ばあちゃんがこっちを見てニコニコしているのが見える。この瞬間に、ああ。私はばーちゃんの味噌汁を飲んでいるんだなと感じるのだ。そして、一口目にじわっと広がるこの味はどこに探してもない、特別な味噌汁の味なのだ。私はやっぱり何歳になってもばーちゃんのこのお味噌汁が大好きだ。フランスでもよくこのじゃがいもとインゲンのお味噌汁を作る。そんな時にあの湯気越しのばーちゃんの笑顔を思い出す。

大好きなばーちゃん。今年も帰るからどうかまた笑顔の湯気を見せて欲しい。これが私の美味しい記憶。

ということで今回は初のエッセイでした!
いかがでしたか?この「おいしい記憶」という題材に集まる作品はどれも素敵で、思わず自分の中にもどんな美味しい記憶があっただろうか?と探ってしまうものばかりでした。そして別にキッコーマンの回し者ではないのですが、定期的にコンテストを行なっているようです。なので投稿して見てはいかがでしょうか?もしくはnoteでもどこでも、まずはあなたのおいしい記憶思い出して見てはいかがですか?食べるって幸せ。思い出せるのも二度幸せ。。そんなことを思った私でした。

それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

AircraftDesign 飛澤茜

いつもお読みいただきありがとうございます。