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ryohadano-RTA対談

aireziasのYoutube企画「RTA」がサブスク等で聴けるようになりました。
多くのコラボミュージシャンを招いて行われたこの企画。
参加してくれたみなさんとの対談を敢行しました。

今回はM03「spoon-RTA No.8」でコラボしてくれたryohadanoとの対談です。

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-「どっちでもいい」って言ったら語弊があるけれど、流れに身を任せてるというか。

福永 : ききたいこと色々あるんすけど、hadanoさんは質問してもスルスルかわしていくタイプだろうなと予想してます笑

hadano : ソンナコトハナイトオモウ。や、でも慣れてないから、照れてはぐらかしちゃうかもしれない。

福永 : なんだか、恥ずかしいことを絶対やらないじゃないですか?

hadano : そうっすねぇ...シャイなんで!

一同 : 笑

福永 : そういうとこですよ笑 RTAに話を戻しますが「spoon」はRTA史上珍しい、既に完成した曲を、我々が「やらせろー!」とせがんで無理やりアレンジさせていただいた曲です。基本的にはタネの状態をもらって、一緒に作っていっているので。

hadano : あーそうなんですね。嬉しかったですよ。

明子 : ryohadano曲に登場したい欲がすごすぎて抑えられませんでした。

hadano : 「登場したい」って表現になるんですね笑 いいなぁ...

福永 : 「spoon」のRTAで覚えているのが、確か、福永と明子がグループラインで喧嘩し始めたんですよね。

hadano  : そうそうそう。物音を入れた時に、それを気持ち悪く感じる人がいるんじゃないかっていう話題で。

明子 : え?そうだっけ?

福永 : グループ内で喧嘩するなって話なんですが、喧嘩と喧嘩のちょうど間にhadanoさんが投稿をして。「皆様のやりとりをみながら、コーヒーを飲んでいます」って。それで我にかえるっていう。俺らは何をやってんだ?って。

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hadano : 笑 送ったっけ?

明子 : えー全然覚えてない!

hadano : やーでも割と強めの口調でやりあってた記憶がありますよ。

福永 : 「おいおい喧嘩やめとけよ」でもなく、ただの静観でもなく、自身の楽曲なのに、音を入れる入れないって話のどちらかに一票を投じるでもなく、ただ「コーヒーを飲んでいます」って送るあたりがまさにryohadanoだなぁって。

hadano : ...まぁこれが私からの回答ですよね。喧嘩に対する。

一同 : 笑

福永 : ただ短絡的に解決しようと思ったら喧嘩を止めれば良いんですよ。でも、hadanoさんの歌詞にしても、ライナーノーツにしても...なんだろう、シャイであるっていうのもあるんだろうけど...それプラス...なんて表現して良いのかわからないんですよ、俺のryohadano好きポイント...。「コーヒー飲んでいます」にはそれとリンクする部分があると思いました。

hadano : 基本的にそういう時にあんまり意見を言えないタイプなんですよ、僕は。「どっちでもいい」って言ったら語弊があるけれど、流れに身を任せてるというか。音が入ろうが入るまいがめっちゃ良いと思ってたんで、その辺りは何にも思ってなかったのかな。

福永 : そこが不思議なんですよね。hadanoさんって明確に凝り性じゃないですか。ヘッドフォンをマイクにして歌を吹き込むことないじゃないですか。

hadano : ......読みましたね?(hadanoさんのセルフライナーノーツを)

福永 : 実は、結構読んでます。

hadano : ...そうかぁ.......。

福永 : 笑 よほど凝り性でなきゃそうはならんでしょっていう録音方法をとっていたりだとか、だから凝り性なのは間違いないんですよ。その上で、同時に、どうせどうにもならんでしょうって予め諦めているみたいな空気も持ってるじゃないですか。

hadano : そうっすねぇ...宅録とかだと自分の裁量で全部詰めれちゃうから、細かいことも気になってきちゃう。自分が発したこと以外は記録として何も残ってないから、全部把握しちゃってるじゃないですか。演奏したことも、録音されている感じも。なんかその把握してるが故に、馴染まない部分があるとヘッドフォンをマイクとして使っちゃったり、イメージとのズレを埋めるために凝り性な部分が出ちゃうというか。

明子 : 話戻っちゃうけど(ライン遡ってみたら)「コーヒー飲んでいます」のくだり、その下に(人の頭の中って・・楽しい・・)って書いてありましたよ笑

一同 : 笑

福永 :いや、ベストアンサーだと思うんですよね。喧嘩に割って入るにあたっての。

明子 : いやそう、うまいな、と思った。

hadano : 笑

福永 : その瞬間考えてたかはわからないですけど、日頃からそういうことを考えてそうだと思いましたね。常日頃そういうことが頭をもたげている人、というか。

hadano : あーそれはそうかもしれない。.............中心で起きていることに対してナナメから入っちゃう癖があって、それがさっきのコメントにも現れちゃったのかな。

明子 : 語弊があるのかもしれないけど、「どうでもいい」って分かる気がする。でも、それをそのまま言うと怒られてしまう。

hadano : あーそうそう、そうなのよ。編曲をしてもらっている身としては、どっちでも良いなんて言えないじゃないですか。だから、コーヒーに逃げたっていう。

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-自分が感じたもの以外は書かない、入れない、っていうポリシーがあるんですよ、一応。

hadano : 曲の話をすると、spoonのアレンジが届いた時、めっちゃ格好良いなって思ったんですよ。特に、最後の間奏〜ラスサビにかけてのUFOみたいな音...あれは...鳥肌立ちましたね。

福永 : 鳥肌が立ったって言ってくださる割に、あの時届いたラインって「めっちゃ良いですね、UFOみたいな音とか」くらいの簡素さだったような気がするんですよ笑

hadano : それで自分としては伝わっているつもりでしたね笑 ちょっと今温度差にびっくりしてますけど笑

福永 : 笑 や、全然伝わってますよ。でも、hadanoさんのライナーノーツとか、あれ?この曲4行だけなの?みたいな感じですもん。めっちゃ短かったりする。

hadano : やーあれも伝わってるつもりで書いてますから笑

福永 : 歌詞とかもそうじゃないですか。めっちゃ情報を絞るというか...hadanoさんの歌詞は本当にド天才だと思うんですけど。

hadano : いやいやいや。

福永 : いや、まじで。あれは意図的にやってないような気がするんですよ...いや、やってるのかな...。

hadano : そこは、絞っている気持ちがないから、多分意図的じゃないと思う。

福永 : hadanoさんの歌詞を見て思うのは、誤解を恐れていない気がする。どんな解釈をされて、それによって人が喜ぼうが傷付こうがあんまり関係ないというか。

hadano : ああーそうかも。そうですね。うん。どっちかというと「これ聴いたらみんなどんな気持ちになるんだろう」という興味の方が、面白くなっているというか。例えば「spoon」の歌詞とか、ちょっと変じゃないですか。

福永 : あ、変という自覚はあるんですね。

hadano : 笑 それはあります笑 あれを歌われて、聴いている人はどんな気持ちなんだろうっていうのが興味あるんですよ。どう捉えるのかな、みたいな。

福永 : 言葉もそうだけど、音も絶対入れすぎないじゃないですか。そういうの憧れなんですよ。

hadano : .......アラヤダァ。アコガレ?

一同 : 笑

福永 : 俺めちゃくちゃ音入れちゃうんですよ。誤解を恐れてるのかなーって。普段、あ、俺今誤解を恐れてるな〜って思ってやってるわけじゃ全然ないんです。でも、今そう思っちゃいましたね。

hadano : spoonの時もそうだし、音楽を作るときのポリシーとして、自分が感じたもの以外は書かない、入れない、っていうのはあるんですよ、一応。

明子 : かっこいい。

hadano : 最近は普段使うような簡単な単語を組み合わせて書きたいっていうのがありますね。「spoon」なんかは使ってる単語自体が強いじゃないですか。

福永 : あー。そうですね。

hadano : 「songs」あたりからそういう傾向にあって。あったんですけど、最近なんか「扁桃腺」って曲ができてしまって、あれはもう本当に訳がわからないというか、我慢してた分タガが外れてしまって。

一同 : 笑

hadano : でも最近はモードとしてはそういう、簡単な言葉で作るというモードにあって、そういう言葉の組み合わせでいかにものを考えられるようにつくるか、っていうのを意識していますね。....なんか真面目な話ししちゃった。

福永 : 大丈夫ですよ、真面目な話をする場ですから。

hadano : あれ、そうなんですね?

一同 : 笑

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-うっとりを、集めて死にたいんよ。極端に言うと。

福永 : hadanoさんはどこまで掘ってもやっぱり掴み所がないですね。

hadano : それはそれで悩みでもあるんですけどね。

福永 : 悩み?というと?

hadano : 例えば職場とかで、あいつはやる気があるのかないのか、みたいな。なんか飄々としちゃうせいで、やる気があってもあるように見えないというか。

福永 : 音楽だけじゃなくてもう、根本的にそういう人なんですね。...この流れで、そういう人って言うと悪口みたいになっちゃうけど、真似できないなって。真似しようとしているわけではないんだけど、hadanoさんを見ていていいな、羨ましいな、と思うんです。でも話していて根本的に違うというか、真似できないなと思いましたね。

hadano : へええ。羨ましい...と、思うんだ。

明子 : hadanoさんは、飄々としてるからこそ、逆にどんな話題を振っても対応してくれそうな気がする。

福永 : その感じ分かる気がする。間口が広いというか。

hadano : あー。

福永 : ......でもその一方で、好きな石の形(※hadanoさんは石集めが趣味)とか、好きな絵の色(※「spoon」の歌詞に登場するマーク・ロスコは画家。RTAの映像ではマーク・ロスコの絵が部屋に飾ってあるのが確認できる。)とかって、結構狭いような気がする。

hadano : ...鋭いですねぇ。そうかもしれないです。

福永 : 大半のことはどちらに転んでも大事には至らないと感じているから、どんな風にでも対応できるけど、こと石の形・色・表面についてだとか、この絵を部屋に飾るか否かってことに関しては、大事に至るから。

hadano : その日どの石を持って帰るかっていうのは、重要なので。自分一人で作る音楽もそうかもしれないですけど。そういうのは大事に至るので気にしてしまうんですよね。聴いた人にはわからないようなことでも、ここをこうしておかないと大事に至るってことがあるんですよね。宅録してる人あるあるなんじゃないと思うんですけど。

福永 : この間出した自分のソロアルバムが宅録なので、よくわかります。

hadano : そういうのを次の日も、一週間後も二週間後もずっと引きずってしまうんです。ずっと考えちゃう、みたいな。

福永 : あの石拾わなきゃよかったな、とか。

hadano : よく物音をギターのオブリの代わりに入れたりするんですけど、で、それをiphoneで録り溜めていたりするんですけど、音色としてはぴったりでも、結構切り出す場所で印象が違ってきたりしちゃうんですよ。もっと情報量が薄い方が良い、とか。それって、石と近いと思うんですよ。石なんてそこらへんにいくらでも落ちていて.......いや、ちょっと待て、俺そんなに石職人じゃないけど大丈夫かな...。本職の人に怒られたりしないかな。

明子 : 大丈夫です笑

hadano : 石もそうですけど、看板とか、レトロな建物とかも好きなんです。看板なんていっぱいあるじゃないですか、街中とかに。その中で良いところ、ピンとくるところを直感的に拾う。拾うっていうのは、この建物いいねって思うことかもしれないし、めっちゃ良い石を見つけることかもしれないし、看板のフォントにうっとりすることかもしれないんですけど。その瞬間を...残したい...果ては音楽に突っ込んでおきたい...。これ何の話でしたっけ?

福永 : hadanoさんは、自分がうっとりすることが好きで...

hadano : あ、そう!そのうっとりを、集めて死にたいんよ。極端に言うと。うっとりを、趣くままに...残したい、のかなぁ、コレクションしたいのかな。その感覚は音楽に近いんですよ。うっとりしたものを、残したい。

福永 : 20代前半とかで、売れねば〜って音楽やってる人たちって、うっとりをちょっと忘れかけてるんだと思うんですよ。元々はうっとりスタートだったはずなのに。

hadano : いいねぇ、うっとりスタート。ああ、でも、確かにそうかも。

福永 : 本来音楽にうっとり以外のメリットなんて何もなかったはずなんですよ。でもお金を稼ぐだの、暮らしていくだの、人とものを作るだのと、色々ノイズが入ってきて。ど真ん中にうっとりがあるのは多分誰しも一緒なんですけど、ノイズの大きさが、時にそれを覆い隠すところまできちゃう。

hadano : おおー。

福永 : hadanoさんはずっと、うっとりを見ている人って言う気がしますね。

hadano : うん、それは間違い無いですね。珍しく断言しますけど。

福永 : ...hadanoさんの断言って激レアじゃないですか?

hadano : 激レアです。激レアさん。

福永 : 笑 そして、自分がうっとりするのが好きだから、人のうっとりを邪魔することもしないんですよね。それが、人によっては捉えようがないとか...

hadano : なるほどねぇ...何考えてるかわからない、とか

福永 : 意思がわかりにくいっていう場面もあるかもしれないですけど、それは「あなたがうっとりしているならそれで良いんじゃない?」っていう。

hadano : そうだねぇー。...すごい。このカウンセリングすごいわ。確かに、そうだわ。

福永 : いや、これカウンセリングじゃないんです。対談なんですよ笑

hadano : あ、そうなんですか?

一同 : 笑

福永 : あーでもちょっとだけ...なんかみえてきたな、hadanoさんっていう人が。

Q.あなたのお気に入りの機材や楽器があれば、自慢してください。

明子 : 石かな?石かな?

hadano : 笑 いや、あのね、俺本当の石愛好家の方からしたら、にわかもにわか。拾った石邪魔だから捨ててるし。今2こくらいしか部屋にない。

一同 : 笑

hadano : CASIOのPT-1っていうすっごい昔の小さいポータブルキーボードみたいなやつです。

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福永 : あのー、ハードオフで¥5000くらいのやつですね?

hadano : アッ...そう、(ライナーノーツ)めっちゃ読んでるやん。

一同 : 笑

福永 : めっちゃ読んでるんですよ笑

hadano : キーが後ろのチューニングのとこ回さないと合わないし、日によってチューニングがずれるし。

福永 : あはは、めっちゃかわいい。

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hadano : これがもう、音が本当にノスタルジックで、さっき言った"うっとり"の象徴みたいな音が出るんですよ。「songs」ってアルバムでは多用してまして、どんだけ多用しているかっていうとスピーカーの入っている通気口?のプラスチックの網があるんですけど、この網をカリカリカリって擦って...その音まで使うほど多用しています。

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福永 : 大好きじゃないですか笑

hadano : うん、大好き。

福永 : チューニング揺れるんだ。

hadano : 揺れるし、日によって違うし。アナログの回路だから、素子がヘタって、そうなっているのかもしれないんだけれど。

福永 : ちょっと...これは欲しいな。福永も探してみようかな。

hadano : や、もうこれはぜひ。探してみてください。

福永 : 機材の写真を記事用にいただけますか?

明子 : いや、機材の写真は良いので、石の写真をお願いします!

hadano : ......ごめん、今機材の写真くれって言われた時、石の写真送っちゃおうかなって思ってました。ちょっとひとボケ入れようと思ったら、先に言われちゃった...笑

明子 : うわー言わなきゃよかった!笑

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福永 : 長丁場ありがとうございました。対談とかになってもあんまよくわかんないような細かーい話もしてみたいですね。機材の話とか。

hadano : あー機材の話したいですね!

福永 : ...それでは、ありがとうございました!

二人 : ありがとうございました!


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airezias × ryohadano / RTA No.8






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