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美しさのアンソロジー

“花は咲きひらく。花は散り朽ちてゆく。そのどちらも美しい”


今日、長田杏奈さんの書籍【美容は自尊心の筋トレ】を読んで、大学時代の卒業制作をふと思い出した。これまでも何度か当時を思い出すことはあったけれど、自分の考えを発信したら何かが変わるかもしれないと、今夜、noteへ来ました。

否定し続けていた自分のことも、当時の美しさに対する考えも、よしよしと撫でてあげてもいいのかもしれない、これでいいのだと自信を持っていいのかもしれない、そんな想いもあって、今発信しようと思います。

わたしは美術大学を卒業しており、空間デザインを専攻していました。卒業制作では、同級生が住宅の設計や店舗のデザイン、家具の制作を行うなかで、わたしは【美しさについて】7編の詩を書きそれらを展示しました。

目に映るものは美しいもので溢れているという、当たり前のこと。美しいと思えるならば、何もかも大丈夫だと。そして、それを素直に美しいと思えるのは、あなたが美しいからだと。あえて言わなくてもいいかもしれない、けれど忘れられているこの大切なことを、わたしはことばで伝えたいと思いました。


美術大学へ進学してからというもの、それまでの価値観を覆す人との出逢いばかりだった。感性や佇まい、放つ空気、生み出した作品。たまらなくうらやましかった。

だからこそ、校内に落ちたタバコの吸い殻や絵の具の飛び散った壁、あちこちに貼られたいたずらのステッカー。そんな命ないモノにさえ劣等感を感じていた。そのモノたちがそこに至るまでの背景を思うと、わたしはそれらにも敵わないように思えて仕方がなかった。自信など、これっぽっちもなかった。

けれど言いたい。そんな風にもがくわたしの姿もまた、きっと美しかったと。

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美しさのアンソロジー  

—— anthology of the 【                 】

散りおちた葉/切れた電球/朽ちた果実/割れたガラス/錆びたアクセサリー/折れたえんぴつ/枯れた花

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▼詩集解説

わたしたちが生きるこの世界には終わりを告げられた醜いものとして扱われる【美しさ】がある。

目を向ければ、息を吹きかければ、声をかければ、心を注げば、美しさの可能性は広がる。

日の当たらない景色にこそ、美しさは飽和しているものだということに気が付いた。いつもの窓の先で、今日も生まれて、朽ちて、忘れられて、廻る美しさが続いている。

一見、美しさとは繋がりをもたないように見えても、そこにこそ、美の可能性は無限にあった。そしてそのすべては、時にわたしたちの姿と重なりあい諦めかけた今日を生きる支えとなってくれる

このアンソロジーが紡いだこと、それは、世界はもっと美しいということだ。そして、このアンソロジーを受けとる“あなた”がいることで、あなたはもっと美しいという意味をもつ。

人には見られたくない姿も、受け入れがたいコンプレックスも、不意に感じる自分の思想に対する嫌悪感も、愛すべき姿に変わることを祈って。

あなたがいる世界も、そんな世界にいるあなたも、美しい。

【美しい】と思えるのは、あなたが【美しい】からだ。



kishi airi



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