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【夢×夜:26】晴れの御堂筋

こんな夢を見た。

何故かミナミにいた。
ミナミと言えど広い。大方私の事だから日本橋でヲタい買い物でもしに来たんだろうと思ったが、いたのは高島屋より北側、道頓堀橋の上。繁華街すぐの道頓堀川は、今日もあまり好ましくはない都会の川ならではの臭いがする。

はて何でここにいるんだろうな?

まあいいか。天気もいいし、暑くもなく寒くもなく。とにかく馴染みの天王寺を目指す。

まずは御堂筋を南下し、続いて南海本線沿いに新今宮まで。そこから東側のてんしばを横目に大教大附属で折れて、御堂筋線を這うようにあびこ筋を歩く。

普段ならゆうに6~7kmのこの距離を歩く事はまずないが、夢の中だからかちっとも疲れないし、ダイジェストばりにズンズン進んでいく。

天王寺を過ぎたところで、中学時代の同級生とバッタリ再会した。で、どういう話の流れだったか、長居方面に用事があるという彼と共に歩く。

昭和町界隈で、見た事のない小洒落た店を見つけた。かたやクロワッサン専門店、かたやネオ和菓子屋。どちらも美味しそう。しかも両方QRコード決済対応。
「美味しそうやね」
ウキウキ気分で彼を見やるが、そこまで興味がなさそうなので自重する。
多分これ私1人なら、食べてみたい物とりあえず片っ端から買ってみるはず。でも今ここでそれをすると、どうにも食いしん坊万歳過ぎるのでやめておこう。

いつの間にか夕方になり、急な雨に見舞われた。これ以上は歩いて長居を目指すのは難しいと判断したのか、地下鉄に乗りますと行って、同級生とは別れた。

しめた!これで好きなだけ買えるぜ!
夕方の限定メニューでもあるのか、クロワッサン屋は異様に混んでいるので、先にネオ和菓子屋で練り切りをいくつか購入する。
雨足が強くなったのに合わせて、クロワッサン屋の列が落ち着いた。

チリンチリンとドアに付いた小さなベルが鳴る。おや、どうやら客は私だけらしい。狭小スペースに無理矢理作ったようなテナントなので、選びにくそうだと懸念していたが、こりゃあいい。

と思いきや。

「すみません、本日は全て完売してしまいまして……」
「あっ、ハイ……」

クロワッサンを偲んで、某名曲よろしく、私も傘も差さずに南へと歩き出した。



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