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【夢×夜:8】ランナウェイ to the 団地

こんな夢を見た。

5年一緒に仕事していると、いくら他人に興味がないとはいえ、ラ店長やO樫先輩への理解は当然深まっている。恐らく向こうもそうだろう。

ところが月イチ位のペースで「あ、今日は噛み合わない日だな」と感じる事がある(これは実際に)。誰かのやらかしを黙々と華麗に片付けたはいいものの、対応していたカウンターにボールペン置きっぱにしていた点を注意されてやらかしには気付かれない、とか。機嫌の善し悪しもあるかもしれないが、いやそんなつっけんどんな言い方で注意せんでもええやん?いつもならこっちに事情聞いて来はるやん?とか。

こういう日は、急ぎではない報告事項などは別日に回すなど、モヤッとはするものの、少し距離を取って接するが正解だな、というのがこの5年で学んだ処世術。

が、それでも噛み合わなくて大怪我する事もある。うわ、このタイミングでこの叱責はけちょんけちょんにされるやつだな、とか(ここまでは実際にある話)。

これが夢の中で起こった。
多分何かしら自分なりに1人で成し遂げた業務があったんだろう、閉店後のタイミングでの「本音ではやりたくない業務」で「でも下手なりに1人でやり遂げた」な物の報告に対し、けちょんけちょんに言い負かされた。

そして夢の中の私は、まだ言い負かされている途中だというのに堪えきれず、涙ぐみなから、


🏃‍♀️逃げた(物理的に)💨


着の身着のまま(←制服)財布も鞄もスマホも持たずに、レンタサイクルでとにかく逃げた。1度も行った事のない方面をひたすら逃げた。

1時間後、最早ここが何市の何町なのか分からない位に逃げた先に、ザ昭和な団地に迷い込んだ。○○住宅、とある。うーん、○○町ってどの辺か全然分からん。

何せスマホもないから、このまま逃げるにしても戻るにしても道が分からん。終電……というより駅どこだ。

多分今頃探されてるだろうが、戻ったら始末書書く事になりそうだし下手したら解雇じゃね?あーやってもうたなー、でもここまで来たらもうヤケだ!こっちから退職届押し付けてやんよ!

と考えていたら、団地の住人に声を掛けられた。50代後半らしき、どこにでもいるオバチャンだった。

制服のまま号泣してたからか、自宅に招き入れてあったかい麦茶を注いでくれた。心に沁みる。なあに?お客さん来たの?と、多分母なんだろうお婆ちゃんも出て来た。夫とその親戚もわらわらと集まった。そりゃ夜だもんな、家族みんないるよな。

へー○○町のとこの店の人なんか。俺達スマホそこのキャリアだよ、と言われて頭を下げる。話のついでに各々のスマホを操作してプランの見直しもする。へー凄いなーと感心する声が、本音から発した物だと分かる。素朴ながら最高のもてなしだ。ごくごく普通の仕事の延長なのに、とにかくここの家族の温かさが嬉しかった。

茶菓子までいただき、すみませんお邪魔しました、またよかったらお店にもいらして下さいね、と団地を後にして、またレンタサイクルを漕ぎ始める。踏切の先にO樫先輩がいた。

O樫先輩は旦那以外にはとにかく優しいし怒らない。基本的に私も彼女もクレーム対応役。ややこしい案件は大体私が、短気な私とは相性の悪いキャラ系(ヤンキーとか)の方はO樫先輩が対応する(ここは本当)。

ラ店長と上手くいってない時、すっと寄り添って話を聞いてクールダウンさせてくれるのも彼女だ。

何でここが分かったんですか、とまた涙がボロボロ出て来た。店に戻りましょ、とだけ言って、そっと背を押された。

※尚、ここで目が覚めたので、その後の私の処遇については不明である

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