ライナーノーツも終わりに近づいてきました。ここまで読んでいただきありがとうございますm(__)m
第10回は

passengers of the airlines / CA望美

です。

もともとこの曲の発端は、なゆたゆなさんのアイデアから始まっています。「アルバム冒頭に搭乗案内のアナウンスが流れたらいいな…」というようなものでした。
僕もそのアイデアはとてもいいなと思い、相方も賛成でした。アナウンスの内容は作詞家であるなゆたさんにお願いして、アナウンス(CA)担当はアルバムの曲が出揃ってから声をかけようということになりました。

作曲、サウンド面ではchickiiが中心になり制作しました。航空会社ANAの機内BGMを参考にしてコード進行やサウンドアプローチを決めたというchickii。
飛行機が飛ぶSEに始まり、ポーンという機内アナウンスサインのような音や重厚なストリングス隊とリズムを刻む落ち着いたドラム。
いろんな魅力がサウンドに詰まってますが、一番はやはりその作曲センスかなと思ってます。高校生の頃から自由に転調するコード進行やテンションコードを使った複雑な音のハーモニーや手数の多いドラムプレーなど僕にはできない仕事をしていたchickiiならではの曲です。chickiiはクラシックや現代音楽的なアプローチも実はできるんです。

その後アナウンスの原稿案をなゆたさんが投稿してくれました。ネットなとで実際の機内アナウンスの勉強をされて、本当に丁寧で細かい点にも目が行き届いた原稿を届けてくれました。とくに、英語でのセリフの言い回しなど、拘りが見られます。始まりはattention,pleaseではなく、good morning ladys and gentlemenが実際には多いらしいです。attention,pleaseってなんか言ってるイメージありますよね。

https://note.mu/nayuta_yuna/n/n7ea6f62050c8
↑なゆたさん原稿

その原稿を見て「英語のセリフが多い」ということでchickii推薦で望美さんにCAをお願いする運びになりました。僕の知るところではチクタクさんの歌詞を英訳したりされています。

結論から言ってこの起用が大当りでした。望美さんは50テイク以上ものレコーディングを納得いくまで繰り返し、本物となんの遜色もないアナウンスを聴かせてくれました。ジェットストリームの城達也さんを意識したというアナウンスは、空港プロジェクトの始まる夜明け前のように落ち着きのある予感を与えてくれます。

僕の方では、高音のメロディを奏でるピアノとそれを追うシンセを重ねました。転調が多い曲なので、シンプルにあまり起伏のないメロディを目指しました。

アナウンスが始まるタイミングや終わるタイミングなどをchickiiがじっくり調整して完成しました。
個人的に最後の転調がthank youと重なるのがグッときます。そう、夜が明けるような…イメージです。

-AIRPORT kei-

https://note.mu/chickii/n/n29ef600563b4
passengers of the airlines / CA望美

https://note.mu/chickii/n/n797b9bfc4d8d
https://note.mu/chickii/n/n8f09108c058e
相方によるライナーノーツとプロジェクトを時系列で追った総括もご覧下さい。

次回セルフライナーノーツ11は『spectrum』の予定ですʕʘ‿ʘʔ

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