2倍のカレーは2倍の材料で作れるのか? 問題

レシピを見ながらカレーを作ってみた。うまかった。食べてもらったあの人からも好評だった。よし、じゃあ、友人を招いてカレーパーティをしよう。8人で集まることになった。手元にあるカレーのレシピは4人分である。さて……、ここでひとつの疑問が生まれます。材料にある分量表記を単純に2倍にすれば、8人分のカレーが作れるんでしょうか? 答えは、「YES」です。じゃあ、作り方もそのまま踏襲すればいいのでしょうか? 答えは、「NO」です。

レシピを見ながらカレーを作ってみた。うまかった。じゃあ、たくさんの人を呼んでカレーのイベントをしよう。40人になった。4人分のレシピの分量を10倍にして、買い出しに行けばいいのでしょうか? 答えは、さっきと同じです。たとえば、わかりやすいから4人分のカレーと40人分のカレーを作るときの分量について考えてみましょうか。これは、あくまでも理論値と経験値を合わせた僕の現時点での考えです。40人分のカレーを作るなら、4人分のカレーの10倍の材料が必要です。ひとまずは、これが前提となる考え方です。その上で、注意点が、ふたつあります。

【1】誤差が出る

4人前のカレーを作るときにターメリックパウダーは、小さじ1でも小さじ1/2でも、あまり差は感じにくいです。 でも、10倍にしたときには、小さじ10か小さじ5かになる。こうなると、差はかなり大きくなります。もしかしたら、ターメリックは、小さじ8くらいがいいのかもしれない。このあたりが感覚的な微修正が必要になる点です。

【2】加熱の具合に差が出る

玉ねぎを1個炒めるのと10個炒めるのでは、火の通り具合にだいぶ差が出ます。理論上は底面積も火力もともに10倍にすれば、同じ15分で炒めあがります。でも、そうはいかない。だから、1個の玉ねぎなら表面がこんがりして、中に水分が少 し残っている具合に炒められたのに10個になると、たとえば、この「こんがり」が作れなくなる。ほとんどすべての食材が水分を含んでいますから、加熱の具合に差が出ると最終的にトータルの水分量にも差が出るんですね。そこで、使用する水(もしくはその他の水分)の量はかなり修正をかけないとうまくいかない可能性が高くなるんです。そして、水は足したら引けませんから、たいていの場合、4人分のカレーで300mlの水を使うレシピの場合、40人分のカレーに3リットルの水を入れたら多すぎます。ここも感覚的な修正が必要にな ると思います。

どちらの注意点も大事ですが、後者の方が仕上がりに及ぼす影響は大きいと思います。そのくらい、カレーは加熱のコントロールが重要なカギを握っている料理なんです。そして、理論と経験との間には常にギャップがありますね。そこを埋めるのは、感覚(センス?)ということになってしまうのかもしれません。なんだかマジメな話になってしまったなぁ……。

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水野仁輔

カレー

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