カレーをおいしくするのは生トマトかトマト缶か? 問題

トマトは炒める段階で加えてうま味のベースにするとカレーをおいしくします。だからトマトを使うレシピはたくさんある。特にインドカレーは、ざっくりトマトベースかヨーグルトベースかなんて分類されることがあるくらい、トマトは活躍します。問題は、どんな状態のトマトを使うのが最適なのか。

わかりやすい例として、生のトマトと缶詰のトマト(ホールトマトやカットトマト)で比べてみましょうか。結論からいえば、生のトマトを使うほうがカレーはおいしくなります。ただし、2つのスキルを持っている人であれば、という条件つきです。

●トマトスキル その1……“おいしいトマトを選ぶことができる”

これ、結構、難しいと思いませんか? トマトには品種がたくさんあります。しかも産地や収穫時期によって味わいが変わる。それをスーパーで見極めるのはかなり困難です。値段が高いやつにしておくか、というわけにもいかないし。

●トマトスキル その2……“上手に加熱をコントロールできる”

これも意外と難しいです。加熱(および鍋中の水分)のコントロールはカレーを作る上で最も大切なスキルかもしれません。トマトだけを適性に加熱できればいいわけではない。トマトを入れる前にたとえばホールスパイス、玉ねぎ、にんにく、しょうがを加えていたとしたら、それらの加熱の進み具合と適正なトマトの加熱のバランスを取る必要があるんですね。要するに玉ねぎの水分とトマトの水分をそれぞれ理想的な状態で脱水でき、同時にイメージした通りの香ばしさを生み出すことができるかどうか。これはプロの間でもかなり実力に差が出ます。

じゃあ、どうすればいいの? となる。失敗しにくいからトマト缶を使いましょうよ(笑)。トマト缶はトマトの水煮です。たいていは密閉して湯煎によって加熱処理されている。そのため、生トマトをざく切りにして加えて加熱するよりも調理が簡単なんです。玉ねぎなど手前で炒めていたものとの進行バランスもとりやすい。同じ理由で加熱処理されているトマトピューレやトマトペーストも有効です。たとえばカゴメの製品ならピューレは3倍濃縮、ペーストは6倍濃縮です。原材料はチェックしてくださいね。トマトだけが理想。塩が加わっているくらいはOKですが、聞いたことない材料が添加されているものは避けたいですね。

トマトケチャップは? まさに原材料を見てください。どっさりいろんなものが入ってます。知ってて意図的に使うならカレーはある意味、おいしくなります。僕は滅多に使いません。ちなみに、カットトマトとホールトマトはトマトの品種が違います。ホールトマトに使われているサンマルツァーノ種などのイタリアントマトのほうがカレーはおいしくなると思います。このトマト問題、まだまだ踏み込みたいところですが、キリがないのでこの辺で。

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水野仁輔

カレー

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