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奈良県 2パーク 7機種

奈良ドリームランド☆☆☆ クローズ

20080823コースターツアー6 023

初来園:2005/8/23 来園回数:2回
Maps:https://drive.google.com/drive/folders/1toUcXLV4C2EmKVCSMMYEfRQH6r_LFxp8?usp=sharing

奈良駅からバスで10分ほどの立地です。1961/7/1-2006/8/31。
アナハイムのディズニーランドをモデルに開園した、という話はあまりにも有名。
対して姉妹パークの横浜ドリームランド(1964/8/1-2002/2/17)はチボリ公園がモチーフだったとの事です。
まさしく"夢の国"としてスタートした同園ですが、1978年、関西初のコークスクリュー、スクリューコースター導入以降、スリルライドにも力を入れていました。
シャトルボート、UFOといった国内唯一のライドの他、90年代にはトップスピン、92年ファンタジーコースターと手堅く導入を続けていたイメージです。
そして、1998年7月19日、木製コースターASKAを導入します。正直、そこから閉園までの早さを考えると、その時点でよくもまあこれだけの大型投資をしたものだ、とも思ってしまいますが…

私が初めて来園した2005年の夏には、既に園内は閑散としており、廃墟となっている建物、乗り物も目立っていました。
そして、ほどなくして翌年の8月末をもって閉園という報道。最後の夏にもう一度訪れたときは、さすがに賑わってはいましたが、それでも同年春に閉園した神戸ポートピアランドと比べると…という印象です。

開園初期を知る方に話を聞くと、ここはやはり特別で、他の遊園地とは違う、まさに夢の国であったと聞きます。
私が見た姿は、既にその姿とは違っていたかもしれませんが、何より行くことができて、ASKAという素晴らしいコースターと出会うことができて、本当に良かったと思います。


  ASKA☆☆☆☆☆

奈良ドリームランド20060825 293

初乗車:2005/8/23 乗車回数:20回以上
https://photos.app.goo.gl/eQnG1FmcUePwo3Hn6

米スタンド社設計、インタミン設置の中型木製コースター。国内4か所目として1998年に開業しました。
米コニーアイランド アストロランドの老舗木製コースター、サイクロンをベースにしたレイアウトとして世界に8つあるうちの1つです。
東京都 よみうりランドのホワイトキャニオンも同様の例(左右反転)となっており、ほぼ同規模、同レイアウトでした。

私にとっては、乗車時点で日本一面白いと感じたコースターであり、2021年現在においてもこれを越える、と感じたのはナガシマスパーランド 白鯨のみです。
その理由として、合計8回の気持ちいい浮き、木製らしさを体感しつつ痛さの残らない心地いい振動、コース中に何度もある木組みのトンネルなどがありますが、その総合点として、極めて完成度の高いコースターでした。

特に浮きについては、ジュピター、レジーナ、ホワイトサイクロンといったより大型の国内木製コースターとは比べ物にならないほどに回数が多く、その質も心地いいものでした。
未だになぜASKAだけがこれほど優れていたのか、理解できないところでもありますが、15年前の乗車時点で、あ、これは全然違う、とはっきりと感じた事はしっかりと覚えています。
夏休みとはいってもガラガラで、本当に何度も乗車しました。最後尾の方が全体的には好印象ですが、先頭も跳ね上げ浮きが効いていて良かったです。

とにかく全編通して良かったため、特にここが、という所もないのですが、強いて言えば大きく敷地を3周するうちの2周目に当たる第4ドロップから先が最高でした。
どの席でも気持ちよく浮く2段落ちから、木組みの中で頭がぶつかりそうになるキャメルバック、右カーブで折り返して大小キャメルバックを一回づつ…ああ!乗りたい乗りたい乗りたい!!

さて、奈良ドリームランドは2006年8月末をもって閉園、同年閉園の神戸ポートピアランドからはほとんどの遊具が中古として売れたということで、このASKAも、たった8年しか稼働しておらずせめて海外ではまた乗れるだろうと、思っていましたが…
ASKAのみならず、ほとんどがそのまま放置され廃墟化、10年後の2016年まで解体されずに佇み続けることになりました。まさか、営業終了してからそこにある期間の方が長くなるとは…
悲しい事に、廃墟としてこのパークの名前は全世界に知れ渡り、多くの不法侵入などがあったとのことです。そんなん、俺だって入りたいよ!笑
いわゆる移設するための解体ではなく、文字通りぶっ壊している写真も見かけました。大変悲しいですが、10年放置されたらまあさすがに、というところではあると思います。

過去のコースターの事を思い出す時間は、尊く、私が語り継いでいかなければ、という使命感のようなものもありますが、いつまでも立ち止まっていてはいけません。
2019年、ナガシマスパーランドにハイブリッドコースター白鯨がオープンし、これに乗って私は、ああ、これは文句なしに日本一だな、と思いました。
ASKAのクローズから13年、解体から3年が経っていましたが、なんというか、自分の中でやっとけじめがついた気分でした。これからも、より魅力的なコースターを求めて、旅を続けたいと思います。


  ボブスレー☆☆

奈良ドリームランド20050823 060

初乗車:2005/8/23 乗車回数:10回以上
https://photos.app.goo.gl/6e487gND6BqpsE92A

三精輸送機製中型コースター。文字通りボブスレーを模した8人乗りの車両で、人工の岩山の周りを走るコースが特徴です。
1961年の開園より、閉園まで稼働し続けた大変歴史あるコースターであり、おそらく国内で初めて、近代的なパイプ型のレールが採用されたコースターでもあります。
車両こそ少なくとも2回、モデルチェンジをしていますが、とても40年以上前のコースターとは思えないほど迫力のある曲がりながらのドロップやカントの利いたカーブがあり、閉園時点でも十分に楽しめるものでした。
園内ではASKAに次いで2番手、効率の悪さもあり、待ち時間としては断トツ1位でもありました。待ち列で無限に流れている、名物のオリジナルソングを、今でも思い出す方も多いのではないでしょうか。

さて、もう見るからに、と言ってはアレですが、同園内の夢のお城やジャングル巡行船などと同様、米ディズニーランドの影響を強く受け、1959年オープンのマッターホルンボブスレーを模したことは明らかかと思います。
まず、てっきり1955年の開園時点の模倣だけかと思いきや、ちゃっかり当時の最新機種も取り入れて、わずか2年後にオープンさせたというのは、今考えても本当に凄い事であると思います。
かくいう私も、その数年後に"本家"に乗り、確かに面白いとは感じた一方、コースターとしてはスピード感が乏しく、あれ、これ奈良の方が面白いのでは?と感じたのを覚えています。
スペックとしても乗車感としても、1961年時点では、世界一のスチールコースターであった。という事もできると思います。
国内においては、1970年代までは旧型のチャンネルレールが一般的であり、パイプレールが普及するのは1977年の谷津遊園 コークスクリュー以降です。改めて、本当に凄いコースターであったと思います。
1964年開園の姉妹パークである横浜ドリームランドにも同名のコースターが導入され、2002年の閉園まで稼働しました。こちらはコースとしては大きく異なり、池の上を走る着水パートに重点が置かれていたようです。

ところで、このコースターについて調べると、なにやら最高時速120km/hなどという意味の分からないスペックを見かけることがありますが、当たり前ですが実際はその半分の60km/hほどとの事です。
雑誌などによってはそれぞれ当時世界最速の富士急ハイランド ムーンサルトスクランブルやよみうりランド バンデットなどより速い、という文章も見かけました。
誰もツッコまず、40年営業してたのも冷静に凄いですが、それほどパワーのあるコースターであった、という事は改めて思います。


  スクリューコースター☆★★

奈良ドリームランド20050823 031

初乗車:2005/8/23 乗車回数:約5回
https://photos.app.goo.gl/URkwpbpz2WhxyXZh7

アロー社(米)製スタンダードコークスクリュー。1978年、同機種としては西日本初の設置だったとの事で、こちらも大変歴史あるコースターでした。
翌年には姉妹パークである横浜ドリームランドに、垂直ループ及び急発進の日本初としてアントンシュワルツコフ製シャトルループを開業させています。
それぞれディズニーランド、チボリ公園をモデルに、テーマパークとしての造形などを重視したパークでありながら、スリルライドにおいても他を牽引する積極性、恐れ入ります。名実ともに、日本最高峰パークであったのだと思います。

赤、青の2編成を保有していましたが、青が走っている写真ばかり見かけます。としまえんの同機種でも黒、黄の2編成のうち、末期は黄だけだったように、既に営業運転では赤は使用していなかったのかもしれません。
ところで、これもボブスレーなどと同様、最高時速を90km/h(実際は63km/hほど)と表記しているのを見かけました。ナガシマスパーランド、エキスポランドなど、近隣の同型機持ちパークは、どんな気持ちだったのでしょうか…


  ファンタジーコースター☆

奈良ドリームランド20060825 078

初乗車:2005/8/23 乗車回数:約5回
https://photos.app.goo.gl/ehq7FC9s4v9MGi25A

1992年オープンのサノヤス製小型コースター。ひらかたパーク ラウディや神戸おとぎの国 ジェットコースターなどが類似機という事になります。
乗り心地としてはそれらと比べてかなり大人しく、名物の跳ね上げるような浮きや急カーブもほぼ無かったように思います。
園の端の方にちょこんとあったので、覚えていない方、乗り逃してしまった方も多いのではないでしょうか。だから、という訳でもないのですが、初来園の日はスタッフの方が運転室でPSPをされていました。笑
私はというと、2005年の時点ではまだGBAにお熱。ロックマンエグゼ4やポケットモンスター ファイアレッド/リーフグリーンなどに興じており、PSPを買ってもらったのは翌年、モンスターハンターポータブル2ndが流行った時でした。

ところで、乗車中茂みの中に謎の化け物の造形が設置されていて、どうなってんだ、と思った覚えがありますが、これはそれ以前に開催されていたビーストインダークネス(魔物の住む城)というアトラクションの物のようです。
稼働期間の短さや規模などから、国内移設も狙えるコースターだったと思うのですが、続報は無く、他の乗り物と同様、残念ながら破棄されてしまったのではないかと思います。


  キッズコースター

奈良ドリームランド20050823 051

初乗車:2005/8/23 乗車回数:約1回
https://photos.app.goo.gl/q7Kvc3jggaS1dbMu5

いわゆるワッキーワーム型の小型コースター。横浜ドリームランドにも同名の同機種があり、そちらは静岡県 伊豆ぐらんぱる公園に移設されました。
国内ではほかに、姫路セントラルパーク いもりんす、あらかわ遊園 ファミリーコースターなどにあり、馴染みのある方も多い機種だと思います。
末期の園内ではほとんど開園当時のエリア分けの概念はありませんでしたが、この周辺は初期の幻想の国、つまりファンタジーランドの色を強く残しており、小型ライドが多数並んでいました。

ところで、このパークにあったコースターといえば上記5機種。大型から小型まで揃っていてなかなかいいラインナップだなあ…と思ってrcdbを見てみると、何ともう1機種!
それがすぐ近くにあった「コンボイレース」、よくあるコンボイ型、と思ってレールを見てみると、確かに自走式コースターっぽいが…
どこからがコースターか、という永遠のテーマが一層こんがらがる一品です。小学生未満という制限で、そもそも乗れませんでしたが…

スカイランドいこま(生駒山上遊園地)☆☆

画像7

初乗車:2008/8/23 乗車回数:2回
Maps:https://drive.google.com/drive/folders/1Yn-cwUjBKTWGB8e1FSy8A2y_3y6UUlN_?usp=sharing

1929年開園、その名の通り生駒山の山上にあり、入園料は無料です。志摩スペイン村同様、近鉄レジャーサービスによる運営。
系列パークとして、近隣のあやめ池遊園を筆頭に、玉手山遊園地、伏見桃山城キャッスルランドが閉園した中、唯一生き残った遊園地でもあります。
入園料こそ無料ですが、多くの方が最寄り駅からケーブルカーに乗って来園されると思います。まあ、実質この運賃が入園料のようなものです。
このケーブルの車両が大変可愛い事は有名ですが、パークに着く直前にはちょっとしたイルミネーションのトンネルなどもあり、せっかくならこれで来園してほしいと思います。
車では来園したことがありませんが、駐車場からはまた、入口まで有料のスロープカー的な乗り物があるようです。

さて、乗り物はというと何はなくとも飛行塔!これに乗らずには帰れません。
現存する日本最古の遊戯機械という歴史的価値はもちろんですが、なにしろ山頂にありますから、その景色は格別です。上昇の高度自体は30mとのことです。
岡山県 鷲羽山ハイランドのスカイサイクルは絶壁にあり大変怖いと有名ですが、ここのサイクルモノレールや急流すべりもなかなかの絶景です。
なかなか狙っていくのは難しいのですが、やはり夏の花火の開催日が良いですね。地元の吹奏楽部の演奏(の録音)に合わせての演出で、見ごたえありでした。

逆に一見楽しそうで、そんなでもなかったのがイーグルフライという、スターフライヤーのような座席で降下するジップライン型ライドです。
もう、見たまんまと言ってしまえばそれまでですが、つまりただ直線を下るだけで、本来のジップラインのようなアナログ感も薄れていて、どうにも楽しめませんでした。
あとはミュージックエクスプレスなどもありますが、園の規模に対して明らかにスリルライドが少ない、というのは明らかだと思います。
他の多くのパークと同様、00年代にライドの一斉入れ替えがあり、その際に多くが無くなりました。フリッパー、フライングカーペット、トーゴ製ワイルドストーム(ここが日本初だったような…?)…
なにより、スカイループ、ウルトラツイスター、ジェットローラー、ジェットスレーの4大コースターの一掃!これは本当に残念でした。
初来園の2008年時点で、汎用機とは言え大型2種が撤去済みで、園内に"華"が無いと感じたのを覚えています。

その後設置されたくるくるコースターも、日本初登場でもあるためありがたいのですが、せめて、豊永産業などのミニコースター、欲を言えば家族で景色を楽しめる20m級くらいのコースターがあれば、と思っています。


  ジェットローラー☆ クローズ

20080823コースターツアー6 447

初乗車:2008/8/23 乗車回数:約1回
https://photos.app.goo.gl/q1Ci4Z8Lh9MkPQ587

豊永産業製中型コースター。山形県リナワールドのスーパーコースターなどが同型です。
共通の特徴として、カーブに入るより少し前から大きなバンクが付き、振り落とされそうな挙動を楽しめるということがあります。
私は、これに乗った後にスーパーコースターに乗り、こっちの方がよりその挙動が過激であったと感じました。
先に乗車したから、という印象の補正もあるにせよ、今動画などを見返しても、よりバンクが大きいようにも見えます。
コースレイアウトも似ていますが、セカンドドロップの後に水平ループがあり、その終わり際も類似のバンクになっています。
車両も若干特殊であり、4人乗りが2両編成の8名乗りとなっています。

ジェットコースターでもローラーコースターでもないジェットローラーというネーミングも良いですね。
更にまた似た名前のマウス系、ジェットスレーとも長い事共存していたというのが、じわじわきます。
この日はとんでもない霧で、雨天運休していたのが本当に30分程度だけ運転再開したタイミングで奇跡的に乗れました。ジェットスレーは試運転こそ見ることができましたが、乗車はできず。

  くるくるコースター

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初乗車:2019/8/29 乗車回数:1回
https://photos.app.goo.gl/CH8PW15H5FU5HcoWA

伊SBF Visa製スピニングコースター。ドラゴンコースターなどよりさらに短い、8の字に交差しただけの大変短いコースです。
まるで自走式のような外観ですが、一応最初の上りでタイヤにより巻き上げており、自由落下で下ります。
しかし、駅舎を通過した後の2周目では上りは当然またタイヤ巻き上げになっており、これは重力で走っていると言えるのでしょうか…?

この下り始めだけ、ほんの一瞬ではありますが、スピニングコースターらしい振られる動きがあり、なるほど、コースターをコースターたらしめる最小サイズを突き詰めた姿がこれなのか、とちょっとだけ感心してしまいました。
ブレーキの掛け方も独特で、というのも駅舎ではブレーキをかけず、普通に勢いで巻き上げ側を登った後、同じタイヤで減速させたのち、バックで乗り場に戻る、といった具合です。

2021年春には、静岡県の商業施設 エスパルスドリームプラザの一角に、清水マリーナサーカスという遊園地エリアが開業予定であり、ウォーターショットやフロッグホッパ―と共にこれの同型機が設置されるようです。
そんなに増えられても、とも思う一方で、本当に土地が無くてもある程度大人も子供も乗れるコースターを、と考えると、現状ではこれが最適解なのかなあ、とも思える一品でした。


未乗 ジェットスレー

20080823コースターツアー6 500

https://photos.app.goo.gl/kWZzEZCrMFhXu8UU9

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