それからあっという間に残りの時は経ち、
私たちは慌ただしく片付けをして、帰国した。

数ヶ月の間に物もたくさん増えていて、
パッキングもなかなかの量だった。
持って帰れないものは、
コナのトランスファーステーションにある
ドネーションエリアに寄付した。

日本に帰国して、私は温泉のことについて勉強した。

あの水が不思議でたまらなかったのだ。

温泉ソムリエの資格を取る勉強会に参加した。
温泉ソムリエの資料には鉄分を含む飲泉出来る温泉は、
多量に摂取はよくないが、
少量飲むことによって、
効果が得られる療養飲泉もあることが書いてあった。
鉄欠乏症貧血にいいらしい。

私はやっぱりあの水に助けられたように感じた。
産後の身体に鉄分は必須。
あの水は、ルイボスティーとの組み合わせで、
最強の力見せてくれたのではないだろうか。

感覚だけの個人的見解なので、
なんの証明も出来ないけれど......

山から下りてくる自然が創り出した水....

日本に帰ってからも様々な温泉に通った。

塩化物泉、硫黄泉、炭酸水素塩泉、ナトリウム泉、
カルシウム泉、マグネシウム泉、鉄泉、放射能泉、
また、熱いものだけではなく、冷鉱泉という概念も
日本にはある。
日本の温泉の定義はドイツと同じ。

ドイツでは、温泉は治療によく使われている。

日本にも...,、
湯治しという言葉が昔からあるくらいだ。

効能が化学で証明されなくても、
やはり温泉の力はすごいんだと思う。
肉体的にだけではなく、
精神的にも癒してくれる温泉。

私の体はみるみる元気になっていった。
家族みんなの心も定期的に
温泉で浄化することが出来た。

水の力は偉大だ。

温泉は自然の力を借りた
最高のセルフヒーリング。

そして自然は何より人間を本来の姿に戻してくれる。

私は今、自分自身の身をもって、
本当にそう実感している。

この大自然ハワイ島での
流れるように進んだこの海外出産体験は
何も決めず起きた流れの中の体験。
旅するように進んだ今を生きた体験。

今を生き、自分自身の声に真摯に向き合った結果
起こったこと。

決して、計画的ではなかった。
けれど、すべてが素晴らしい体験だった。

どんなに困難に感じるときも
どんなに喜びに満ち溢れるときも
どんなに不安に押しつぶされそうなときも

クリーニングという方法を通して、
自分自身の本当の気持ちに寄り添い続けることを
家族みんなで辞めなかったこと。

それは、わたしたち家族を
本来進むべき道へ導いてくれた気がする。

だから、これからも自分自身と寄り添いながら、
生きていく。

この美しい地球で、命ある限り。

これが、私の海外出産ものがたり。

ごめんなさい。
許してください。
ありがとう。
愛しています。

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