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展示ふりかえり


転生したら人間だった件

2024/4/5 - 10
新宿眼科画廊


告知を最小限に開催した個展でしたが、

たくさんの方のご来場、あたたかいメッセージ

誠にありがとうございました。



今回は、5年ぶりに作品を作るという事からはじまりました。

コロナの少し前から、制作以外のことが楽しくなってしまい

筆をとる機会が全くという程なくなってしまいました。

(この期間の経験はすごく貴重でした。

また折を見て、なんらかの形で

話をきいて頂ければと思います。)

ふ、と

今のわたしに何が出来るのだろうと

個展という形にしてみようと思いました。

自分の作品を作るにあたって、

5年ぶりにふりかえった過去の作品は色褪せ

しかし、しっかり伝えたいことがあったと思います。

そして、何を作ろうと考えたときに

伝えたいと思うことはありませんでした。

正確には、伝えたいことをそのまま伝えてもいい、と思える環境ではありませんでした。

環境が、社会が、許さない気がして

だけど許されるためのものを作る気もしなくて。

取り繕うもの、は

既に世の中に溢れていて、わたしが作る意味がないような気がしました。


閑話休題


捻り出した、『転生もの』というテーマ。

わたしたちは人間で、

人間の享楽のためのキャラクターが

わたしたちに成り変わったら、どういう欲望を持つのだろう。

『転生もの』コミックのストーリーでは、

現代日本の平凡に生きている

まさにわたしたち人間を投影したようなキャラクターが、

わたしたち人間の欲望そのままの姿で産まれてきます。

容姿端麗、頭脳明晰、特別なスキルを持ち、みんなに愛される。

それも、産まれ持った困難を乗り越えることもなく

死ぬだけで

神さまが優遇してくれ、チート人生をおくることができる。


わたしたちがキャラクターに望む『キャラクター(人格)』は、

死んで、神さまを前に何を願うのだろう?

わたしたちが作った理想のわたしたちは何を望むのだろう?



人間自我を理想化して、均したもの。

以前に、作品がエヴァンゲリオンの人類補完計画に近い、と

ご指摘を受けたことがあります。

わたしがわたしひとりの名前で発表する作品の絵は

その概念に近いものだと思います。

理想

絵から作家性をなくし、

物体、物質を描く意識をなくし、

無心で原画をトレースするアニメの線。

無心で中割りされるアニメの動画の1枚。

描き手がキャラクターだと認識していない、

ただの線の集合体。



作品で使うわたしのキャラクターはいつも

性別がわからないように、

絵柄の個性がでないように、

キャラクターに個性を与えないように

作るようにしています。

名前もありません。


キャラクターはわたしであり、あなたである。

その前提の上で、

『転生』という世界を書き換える力を持ったキャラクターは

どう『生きて』いくのか。


今回の個展では、その先の答えは描けませんでしたが

いつかまた同じテーマで制作の機会があれば

みなさまと一緒に考えることができれば幸いです。


また、これを機に作家活動を再開していこうと思います。

作家活動を続けて来た方々にとっては、若輩者かと存じますが

展示のお誘い、お仕事のご依頼等御座いましたら

下記までご連絡お願いいたします。

aisomomoka@gmail.com




aiso

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