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感受性が強すぎるということ

いや、まったく、HSPという人種は疲れますね。
生きづらいったらありゃしない。

Highly Sensitive Person、つまり、普通の人よりも感受性を強く持って生まれた人のこと。
全人口の20%、つまり5人に1人がHSVに該当する。

もちろん、プラスに働くこともある。

人よりもずっと繊細で傷つきやすい心を持っているからこそ、普通の人では見過ごしてしまいそうな、心の奥底に深くしまいこんでいたはずの悲しみだって、無意識的に感じ取り、心から共感することが出来るし、

例えばパートナーの態度や行動が理解できなくて困っている、と女友達から相談を持ちかけられた場合も、その相手の性格や心理、過去の出来事を聞くだけで、どういった状況で、今こんな気持ちだから、こういう行動を取っている、と女友達に分かりやすく解説することが出来る。

美しい自然や音楽、芸術を見たり聞いたりするだけで、心が芯から解放され、伸び伸びと豊かな気持ちになり、なんとも言えない充足感を味わうことが出来る。

感受性が豊かであることの、プラスの側面だ。

だが、もちろんマイナスの部分も大きい。
特に、仕事など社会と強い関わりを持たなければならない事象の場合は。

感受し吸収する力が強いということは、負のエネルギーも同じように吸収してしまうということ。

職場の上司が、自分のためを思って叱ってくれたとしても、真に受け止めすぎてしまい、残るのは自己否定の概念だけ。
必死に我慢してやり過ごしても、過度に負のエネルギー、ストレスを溜め込んでしまった心は飽和状態。
崩れた均衡は、涙となって外界に露呈する。

そんなことを繰り返していたら、体の震えが止まらなくなり、1社目は実質半年で駄目になった。

思いも寄らぬ形で、かねてからの夢であった個人事業主として、想像よりも早くスタートを切るも、うまくいくはずがなく。

諦めて転職活動に精を出そうとするも、前職の人間関係がトラウマで、一向に前に進めない。
紹介されても、ピンとくる案件が無いのだ。
怖かったのだ、また前と同じように、行けなくなってしまうことが。


人の紹介で、業務委託という形でなんとか職を得る。
ガイド業を続けることができたので、この雇用体制はとてもありがたかった。

かなりスピード感のある職場だが、仕事をきちんとこなせば、それなりにきちんと評価してくれる土壌の整った企業だ。

今もリモートでお仕事をさせてもらっており、とてもありがたく思っている。

だが、問題はガイド業の方。
始めて1年半経つのだが、今日なんだかしんどくなってきたのだ。

「わざわざ日本に興味を持ってくれた外国人を1人でも多く、日本を伝えることで、恩返しをしたい。」

意気揚々と始めるも、最近は息切れ気味だ。
もちろん、楽しいことばかりでは無いし、始めてたったの1年半しか経ってないから、という理由も分かるのだが。

そもそも、私は人前で話すことが好きではないし、人見知りで、内気な性格。
自分を変えるきっかけになるかも、という密かな願望もあったが、リアクションの薄い外国人の顔色を伺うのがしんどくなってきたのだ。

誤解のないように解説しておくと、海外の方々は、喜びや驚きのリアクションはめちゃくちゃ良いが、興味がなかった時のリアクションは無視に等しい。非常に心が折れる。

加えて、声が小さいという手厳しいレビュー。

お金もあまり稼げないとなると、一体何のためにやっているのか、分からなくなる時がある。

そして思うのだ、
あぁ、また私は、仕事から離れようと、逃げる道を選ぼうとしているのだろうか。
なんて根性の無い奴なんだ、と。

昔、将来は起業するなどと恥ずかしげもなく抜かしていたが、最近つくづく思う。

こんな脆すぎる心を抱えていては、創業者を務めることなど無理だ、と。

要は、繊細すぎるのだ。

それこそ、再起不能状態に陥ってしまうだろう。

強い感受性を持って生まれたこと。
もちろん、一生付き合っていくしかないのだろうが、時々恨めしく思う。

なんと自分は、生きづらいのだと。

選択肢があることは人間の権利だが、続かなければ意味がない。
それじゃ、始めからないのと一緒だ。

結局、「HSPの人に向いている仕事6選」、つまりカウンセラーやウェブライター、整体師、エンジニア、といった職業に落ち着かざるを得なくなってしまうのだろうか。

この性質のせいで、人並みに社会に適応できず、苦しんでいる。
そんな風に思ってしまうことだってある。

いつの日か、自分に自信を持って、しっかり自分の足で立つことができるだろうか。

いつか、自分のお金で何か大きな財産を買ったり、建てたりした時、一抹の不安もなく、心から満足することができるのだろうか。

いつか、ちゃんと人並みの生活に溶け込むことができるだろうか。

いつか、この得体の知れない不安から、本当の意味で解放される時は来るのだろうか。

いつか。

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